表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日はいい天気ですね。  作者: 秋緒
1/1

曇りの日の話※1

あまり書き慣れてないですが、よろしくお願いします。

今日の天気は曇り。



曇りの日のはとても好き。

寒すぎもせず、暑すぎもせず、強い風もあまり吹かないし、湿気もそんなにない。

晴れの日の清々しい感じや、雨の日のちょっと重たくゆっくり時間が流れる感じも嫌いじゃないけど、やっぱり一番長く過ごしたいた思えるのは曇りの日。


今日も何か良いことあるといいなと思う。




よし!買い物に行こう!

私は思い立ったが吉日と言わんばかりに、支度をして家を出る。


基本的にお家が大好きで、あまり好んで外には出ない私が何を思ったか、突然『買い物に行こう』と思った。

いや、普通に必要なものがあっただけなんだけど・・・


でもでも、何かと理由をつけては家を出ようとしない私にしては凄く珍しいの!

どれくらい家を出ないかというとね?

えーと、この前のお休みの日は、あまり家から出たくありませんでした。

私は一人暮らしなので、自分でご飯を用意しなければなりません。

朝8時に起きた私は食料がほとんど無いことに気づきます(前もって気づけ等のクレームは受け付けておりません)。

「お腹空いたな~」と思いながら、スマホを弄り出します。

続いてゲームをし始めます。

続いて本を読み始めます。

お腹空いたのが限界かもと思い、重い腰を上げ、外に出たのが20時を回った頃でした・・・

・・・・・・うん!自分で言うのもなんですが、かなりダメな奴ですね!!

2~3連休とかあると、まるまる外に出ないとかざらですし・・


そんな私がすんなりと家を出ることが出来たのです!!

これ凄くないですか?


やはり曇りの日はいいですね~!



・・・と、話が脱線しまくりましたが、とりあえず外に出たんです。

家を出てすぐのことでした。

少女(というより幼女?)が道端で蹲ってました。

近くに親らしき人物はいません。


私は焦りました。

突然具合が悪くなり蹲っているのかと思ったのです。


「だ、大丈夫?!!」

「!?!?」


少女は驚いたように顔を上げました。

泣いてました。

・・・・・・大事なことなので2回言います。

蹲ってた少女(幼女?)が泣いてました。


ちょっと状況を整理してみましょう。

少女が蹲っている→周りに親らしき人物はいない→しかも泣いてやがる・・・


・・・私犯罪者に間違われたりしないよね?


と、とりあえず声を掛けた手前、何か話さなければ!!!


「あ、あのどうしたのかな?お父さんかお母さんは一緒じゃないの?」

「・・・・・・(ヒックヒック)」


・・・おぉ・・・泣いてて話が出来ない・・・どうしたものか・・・


苦し紛れに少し視線を巡らすと、自販機が見えた。


「ふむ、お嬢さん何か飲む?」


私が自販機を指差すと、少女は涙を流しながらも頷いてくれた。


私はお茶を買い、少女にはココアを買ってあげた。

ゆっくり話をするために近くの公園のベンチに向かう。


ベンチに二人で腰を下ろすと、とりあえず飲み物を飲む。話はそれからだ。


「さて、少し落ち着いたかな?お話してくれる?」

「・・・・・・(コクリ)」

「じゃあ、まず最初に、私は笹島 沙織(ササジマ サオリ)と言います。あなたのお名前は?」

「・・・わ、わたし・・・ようこ・・・さとう ようこ・・・」

「そう、ようこちゃんって言うのね?えっと、じゃあ、あそこでどうしてしゃがみ込んでたの?お腹、痛かったりとかした?」

「・・・・・・」


・・・ふむ、黙り込まれてしまった。

まぁ、そこまで言いたくないなら無理に聞く必要ないかな~。

とりあえず、怪我とかしたわけじゃなさそうだし。


私はここまで歩いてくるのに、ようこちゃんにおかしなところはないか確認していた。普通に歩けてたし、大丈夫であろう。

適当にお話して、買い物に行こう。

あ~・・・迷子だったら、交番に行かなきゃかな?


そんなことをぼんやり考えながら、ようこちゃんに視線を向ける。

そうすると目が合った。


「? ようこちゃんどうかした?」

「・・・・・・(ブンブン)」


ようこちゃんは取れるんじゃないかってくらい頭を振る。

私はそんなようこちゃんが可愛くって思わず笑ってしまった。


「ふふっ、そんなに振ると頭取れちゃうわよ?」

「!!」


私のそんな冗談にようこちゃんは自分の首を恐る恐る触っている。


えっ!嘘でしょ、信じた?


「だ、大丈夫よ!そんな簡単に取れたりしないわ!ごめんなさいね、ビックリさせて」

「! ・・・・・・(ブンブン)」


HAHAHA☆なんてやりにくいんだ・・・

とりあえずなんか話題・・・って、幼女相手に何を話したらいいんだ?

まぁ、いいか。適当に天気の話でもしておこう。


「とりあえず、怪我とかじゃ無いみたいで良かった。それにしても今日はいい天気よね~」


私の言葉にようこちゃんは空を見上げる。

そこには、雨が降りそうとまでは言わないが見渡す限りの灰色の空があった。


「・・・いい天気・・・?」

「え?いい天気じゃない?」

「???」


私はようやく話してくれたことに安堵しつつ、言葉を続ける。

ようこちゃんは怪訝そうな顔をしている。


「・・・今日はくもってるよ?どこがいい天気なの?」

「う~ん、そうだな~」


まだ幼いようこちゃんからすれば、『いい天気』とは太陽輝く晴天とかなんだろうな~と思う。てか、普通はそうだろう。


「ようこちゃんはさ、夏か冬だったらどっちが好き?」

「え?・・・冬・・・かな?」

「じゃあ、冬と春か秋だったら?」

「えぇ?・・・・・・秋がすき」


ようこちゃんは私が何を言いたいのかよくわからないでも、ちゃんと答えてくれた。


「お!偶然だね!私も秋が好きよ~」

「くもりがいい天気なのと、秋が好きなのって関係あるの?」

「う~ん、曇りと秋って似てない?」

「・・・どこが?」


ようこちゃんは本当にわからなくて、どんどん困った顔になってく。


「秋ってさ、寒くも暑くもないじゃん?ちょっと涼しい感じだよね?とても過ごしやすい。曇りもそう。晴れの日みたいに暑かったり、日差しが強かったりしないし、雨の日みたいに寒かったりしない。まぁ、雨の降る前とかだったらじめじめしてるけどね」

「・・・ふ~ん?」


ようこちゃんにはあまりピンとこないみたいだ。


「世間一般では『いい天気』と言うのは晴れのとかの日を言うんだろうけど、私にとっての『いい天気』は今日みたいな過ごしやすい曇りの日のことなんだよね~。だって、晴れの日ってさ、夏は暑いし、冬だと凄く寒いんだよね~。風も強い感じするし」

「なるほど・・・」


ここまで言うとようこちゃんにもなんとなくわかったみたい。


「そ!だから今日は『いい天気』!」


そう、胸を張って言ったら、ようこちゃんにくすくす笑われてしまった。私笑われるようなこと言ったかな?


「おねぇちゃん、おもしろいね!」

「ふっ・・・褒め言葉として受け取っておくよ」


最初は浮かない顔をしていたようこちゃんが、ようやく笑ってくれた。

いつまでも暗い顔してるともったいないもんね!


ようやく気を許してくれたのか(知らない人に気を許しすぎるのもあれだけど)、私達は色々話した。


ようこちゃんは近所の子だった。

どうも、最近お父さんとお母さんが些細なことで言い争いになることが多いらしく、今日も今日とて言い争いになってしまったらしい。それで我慢しきれずに家を飛び出して来たのだと。


・・・おぉう・・・以外とヘビーな内容ですな・・・

家庭の事情に首突っ込んじまったZE☆


「お父さんとお母さんねすこし前まではそんなことなかったの。でも、お父さんのおしごと、いそがしいみたいで、なんかちょっとずつケンカするの多くなってったの」


ようこちゃんの目がまた潤み始める。


「・・・そう。でも勝手に飛び出したのはお父さんもお母さんも心配になっちゃうんじゃないかな?」

「・・・・・・(ヒックヒック)」


我慢しきれずようこちゃんがまた泣き始めてしまった。


おっと、これは私が泣かしたことになるのか?!

やっべ、犯罪者んなる!!


「だ、大丈夫よ!ようこちゃん!お母さんとお父さんにちゃんとごめんなさいしよ?ね?」

「よーこわるくないもん!!お父さんとお母さんがわるいんだもん!!!」


ようこちゃんが泣きながら叫ぶ。もう大号泣だ。

私はわたわたしていると、ふと周りの視線に気づく。

そう、私は失念していた。

ここが昼間の公園であるということに。

そこには雨が降ってないなら当然小さな子ども達が遊んでいるわけで、子どもがいるってことは、ママさん達がいるわけで・・・


・・・あれ?もしかして、私詰んだ?


私の顔色が悪くなっていると女の人がこちらに走って来るのが見えた。

私はさらに青ざめる。


「曜子!!」

「!!!」


その女性はとどめのようにようこちゃんの名前を呼ぶ。

もしかしなくてもようこちゃんのお母さんなんだろーなー。

私はようこちゃんを見る。と、私の腕を引っ張りその影に隠れようとしている。


・・・・・・ようこちゃん、そこまでか・・・


私はそんなに帰りたくないのかと思ったが、母親から見れば知らない女性が娘に何かしてるようにしか見えないよな~。

そして案の定目の前のこの人も。


「失礼ですが、どちら様ですか?」


ものすごく睨み付けながら聞いてきた。


面倒だが、しょうがなく説明した。何もしてないのに犯罪者になるなんてごめんだ。


私が事情を説明するとみるみるうちに申し訳なさそうな顔になっていく。

そんな顔するくらいなら最初からケンカなんかしなきゃいいのにと思っていたら。


「なんでお母さんがそんな顔してるの?!それなら最初からケンカなんかしないで!!」


ようこちゃんも同じことを思っていたらしい。

私はようこちゃんの頭を撫でて「落ち着いて」と宥める。


私の服を掴んだままではあるけど、なんとか涙は止まったようだ。


「私は部外者なので、何も言えませんけど、どうかようこちゃんをあまり悲しませないで下さいね」

「・・・・・・」


私の言葉に少しムッとした顔を一瞬したけど、さすがに迷惑を掛けた負い目があるのか、無言で頷いた。


「さ、ようこちゃん。お母さんと一緒に帰ろう?」


私は母親の様子にホッとして、ようこちゃんに話掛けると、ようこちゃんはまだ険しい顔のまま私の服を掴んでいた。


「ようこちゃん?」


私が話かけても、微動だにしない。

焦れた母親が「曜子・・・」と言って手を伸ばすが、ようこちゃんは母親を「キッ」と睨み付けた。


「よーこ帰らない!おねぇちゃんといっしょにいる!!」

「えぇ!!」


それを聞いた母親はぽかんとしてたが、みるみるうちに目が険しくなっていった。


「何をバカなこと言ってるの!!いいから帰るわよ!!」

「ヤダって言ってるじゃん!!」


母親はようこちゃんの腕を引っ張り連れて行こうとするが、ようこちゃんは私の服を離さない。

思わず私も引っ張られる。


「わわっ!」

「曜子!その手を離しなさい!!お姉さんが困ってるでしょ!!」

「じゃあ、お母さんがはなしてよ!!」

「曜子!!!」


パーン


それは一瞬だった。

気づいたらようこちゃんは尻もちをついていた。

母親がようこちゃんを叩いたのだ。


「なんで言うことを聞けないの!!」


ようこちゃんは叩かれた頬を抑え、大粒の涙が目に貯まっている。

私はようこちゃんに駆け寄る。


「ようこちゃん!大丈夫?!ちょっと!流石にやり過ぎなんじゃないですか?!」

「貴女には関係ないでしょ!!家のことに口を出さないで貰えますか?!」


私はようこちゃん抱きしめて、母親とようこちゃんの間に入り込むようにする。

ようこちゃんは私にすがって泣き出してしまった。


「目の前でこんな幼い子が暴力を振るわれてたら黙っているこたなんてできる訳ないでしょ!!」

「だから、貴女には関係な「ないわけないだろ!!」」


思わず食いぎみに叫んでしまった。

少し頭を冷やすために深呼吸する。


「・・・もう少しこの子の話を聞いてあげたらいいんじゃないですか?旦那さんの話も」

「なに?私が全部悪いって言いたいわけ?」

「違います。ケンカ両成敗。ケンカは両方悪いんです。お母さんだけが悪いのではないと思います。だから話を聞いてあげて下さい。そして、お母さんの話も聞いて貰うんです。お互いに相手の悪いところ、自分の悪いところを認識出来なければ仲直りなんてできません。」

「・・・・・・」


お母さんはちょっと気まず気な顔をする。

私は抱きしめていたようこちゃんの顔を覗き込む。


「ようこちゃんも、お母さんとお父さんのお話聞いてあげて。そして、ようこちゃんもちゃんとお話するの。それで最後はちゃんとごめんなさいするんだよ?」

「・・・・・・よーこ、わるくないもん・・・」


ようこちゃんはまだ目に涙を貯めたまま私にしがみついている。

あらら、ようこちゃんにはまだ難しいかな?

でも、ここで引き下がってしまったら、いつまでも凝りが残り続けてしまう。

もう、ここまで首を突っ込んでしまったなら、最後までやりきってやる!


「本当にようこちゃんの悪いところはなかったかな?」

「・・・よーこ、わるくないもん・・・」

「私最初に言ったと思うんだけど?家を飛び出して来ちゃったなら、お母さん達が心配するよって」

「・・・それは」

「理由を作ってしまったお母さん達も悪いかもしれないね。でもね?心配かけるのは良いことなのかな?」

「・・・・・・」


ようこちゃんは俯いてしまった。

ようこちゃんも悪いことしたのはわかってるんだろう。

でも、意地を張りすぎで引っ込みつかなくなってしまったんだろうね。

私はなるべく優しく語りかけ続ける。


「ようこちゃんはどう思う?」

「・・・・・・」


私はようこちゃんを見つめ続ける。

しばらくして、ようこちゃんは顔をあげて答えてくれた。


「・・・わるいことだとおもう。」

「そう。じゃあ、ごめんなさいしないとね?」

「・・・・・・(コクリ)」


ようこちゃんは頷いてくれたけど、私の服はなかなか離してくれない。

仕方ないので、私はお母さんの元までようこちゃんを連れていく。


「さ、ようこちゃん」

「・・・うん・・・・・・お母さん、ごめんなさい」


ようこちゃんはお母さんにペコリと謝った。

ただ、恥ずかしかったのか、謝ったらすぐ私に抱きついて、顔を隠してしまう。

私はお母さんの方を見つめる。


「・・・曜子、お母さんもごめんね。叩いたこともだけど、お父さんとのことも・・・(ヒック)」


なんとお母さんの方も泣き出してしまった!

・・・どーしよ、これ・・・

私を間に挟み、泣き続ける母子。

他人である私にどうすることも出来ず、とりあえず2人が落ち着くのを待った。



しばらく泣き続けてた母子だったが、なんとか涙が収まったらしい。

私はようこちゃんにしたように、もう一度自販機で飲み物を買うと、お母さんとようこちゃんに渡す。


「すみません、何から何までお世話になってしまって」


さっきまでの剣幕が嘘のように、しおらしくなった母親が謝ってきた。

多分こっちが本当のこの人なんだろうな。


「いえ、お気になさらないで下さい。」

「おねぇちゃん、ごめんなさい」


ようこちゃんも申し訳なさそうに謝ってくる。


「ようこちゃん、お父さんとお母さんとちゃんと仲直り出来るといいね!」

「・・・うん!」


私が笑顔で頭を撫でると、ようこちゃんは嬉しそうに笑ってくれた。


私に頭を下げつつ帰って行く母子を手を振って見送る。

ふっ・・・まさか、買い物に行くだけのつもりがこんな大事になるなんて・・・人生なにが起こるかわかったもんじゃないな。


ようこちゃん、本当にちゃんと仲直り出来るといいな~。

そんなことを思いながら、私も帰路につく。

と、家の玄関を開けたところで思い出す。


「・・・あ、買い物行くの忘れてた・・・」


その後、もう一度家を出て、ちゃんと買い物行きました。



おしまい


短編集にするつもりなので、一本一本違う登場人物にしようと思ってたんですけどねぇ。

書いてると、愛着が沸いてくるものですねぇ。


覚えてたらまた登場してもらおっかな☆


それと作者の引き出しはほとんど中身が入ってないので、皆さんの面白いエピソードなどあれば、教えて下さればと思います。

全部は難しいかもせれませんが、作者が気に入ったものがあれば、もしかしたら書くやもしれません(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ