第2話 心の鎖
中央公園に着いた俺達。
いつもと変わらない風景。
「やっぱり何もないか…」
「トオルちゃーん、帰ろうよ。ここに来るといつも南のやつらに絡まれるから嫌なんだよねー…」
この街は中央区を基準に東西南北4つの地区にわかれている。
県内随一のエリート高のある東区
唯一女子高のある北区
名の通った悪いやつらが集まる南区
スポーツに強いやつらが集まる西区
中央区はその名の通り4つの地区に行くメインストリートなのだ。
ここにある中央公園はメインスポットの一つで、いつ誰が作ったかわからないが、女神像をシンボルとして、憩いの場となっている。
「トオルとジュンじゃねーか!お前等また懲りずに来たのかよ!」
こいつは南校のバカ…いや、小学校からのくされ縁で自称ケンカNo.1のタカシだ。
「ほらほら、かかってこいよ!」
「嫌だけど…面倒くさい…俺達は探し物があるから…じゃーねー!」
「ジュン、早く行くぞ。」
「トオルちゃーん♪了解♪」
『バコン!!!』
「なっ…タカシ…後ろからとか…」
「あーん!うるせーよ!早く俺と勝負しろや!いつまでも女々しくしてんじゃねーよ!お前はこっち側の人間なんだよ!」
「いや…俺はケンカはやめたんだ…行かせてくれよ…」
「はぁ、うぜぇ、いい加減死んだ彼女から貰ったリングの誓いとかやめたらー?それが女々しいってーの!」
『ガシッ』
「テメエには関係ねぇだろ…それ以上、口に出すんじゃねぇ…」
「マジ、うぜぇ!」
いつも以上にタカシはトオルをボコボコにしている。
(トオル、いつまでも私との約束を守ってくれてありがとう…)
「えっ…!」
(もう、いいのよ無理しなくて。)
「何で?声が?」
(私に縛られず自由に生きて。そんなトオルが好きだったから…さよなら…)
「えっ…」
その時、リングが光を放つ!そして光はリングに吸い込まれた。
「ボーッとしてんじゃねぇぞ!」
タカシが殴りかかってくるが、その瞬間…
リングの飾りの鎖の部分が伸びタカシを締め上げる。
『ヂャラララララ』
『グイーーーーッ』
タカシはそのまま気絶してしまった。
そして自分でも何が起こっているのかわからなかった。
ただ1つわかっているのは心を縛っていた鎖が今は無いという事だ。