22/34
幕間:風舞観月の日記帳 ~黒服の標的~
Date 20xx.12.17
Time pm21:56
夜遅くにエルクロス司祭に呼ばれた。
珍しいと思って、司祭室に行くと一枚の写真をくれた。
そして、教えてくれた。
彼が君の両親を殺した男だよ、と。
その言葉は麻薬のように体に染み込んでいき、殺意を私の中に植え付けた。
写真の中にいる黒いスーツの男。
細身で、ちょっとまじめそう。
でも、こいつが、私の家族を殺した男。
残忍で冷酷非道、人を使い捨てる……何とも許しがたい人間なんだ、彼は。だから、風舞シスター。君が彼を殺しても、主はきっと君をお許しになる。そう、いわば君は復讐の聖女なのだ。
そんな言葉を司祭は仰っていた。
聖女になど興味はない。もう私は聖女にはなれない。
これから歩むは咎の道。
彼を殺し、私を殺そう。
こんばんは、jokerです。
基本的に幕間はネタバレ用です。もう犯人なんかバレバレです(?)。
これ以後の幕間は事件の核心にかかわるので、推理されたい方(といっても犯人はもうお分かりと思いますが)は読み飛ばしていただいても大丈夫です。
ではまた次回お会いできることを祈りつつ……




