彼
学生なのに妊娠、出産・・・。歩む道はシングルマザー。子どもを保育園に預けれるようになったので復学。
朝起きて、子どもの準備をして、自分自身の準備して保育園に送り車で20分かけて学校へ。
私の唯一の自由な時間である。
そして大好きな彼に会える。彼は三歳年上で4年制の大学を卒業して保育士の資格を取るために入学してきた。
そんな彼に私はひかれていった。私が少しでもしんどい顔をすれば
「どうしたの??
」
と気にしてくれる。
私は一年休学したせいで周りはみんな年下・・・なぜか頼られる。本当は仕切ったりするタイプではない私は無理してみんなに合わせている・・・そんな私は家に帰るのも学校に行くのも嫌になりかけていた。
〜彼との出会い〜
周りは一年生、私は休学あけ、みんなとは違う緊張感があった。私が自己紹介をする前に担任が
「彼女は一年休学して復学して来たので分からないことがあれば聞いてみたらいいですよ。ちなみにお子さんもいるから保育科の人は色々教えてもらってください。」
この言葉で周りはザワつき私は自分で自己紹介をしなくてよくなった。
なにより担任の言葉のせいで私は変に周りのみんなから避けた。
19歳と言う若さで母親になり、学生をしている乳離れ出来ていない子どもは保育園にあずけていると言うことに負い目を感じたからだ。
少し落ち着いた雑談時間、私は誰とも話が出来ないのが嫌になり屋上の喫煙所に行き煙草をふかしていた。
「子どもさんいてはるんやねぇ。何ヵ月??」
と関西弁で話しかけてきた。それが彼だった。「あっ、三ヶ月・・・」
と答えた。彼も煙草に火をつけた。とても優しそうな男性である。
「なんか、元気なかったから自己紹介おわってからさぁ・・・気になってん!!子どもが心配なん??」
と聞かれ
「いやぁいやぁ・・・ちゃんとついていけるかなぁって不安で・・・」
泣きそうになりながら答えた。
「俺もおんなじやで・・・みんなよりも年上やからついていけるか不安やし。」
と答えてきた。
なんだか嬉しかった。その言葉が孤独感に包まれていた私を助けてくれた。
「ありがとう」
と一言だけ言うとなぜか涙が溢れてきた。
担任が
「なにやってるの??」
と私たち二人を探しに来ていた。
彼は
「ちょっと、しんどいらしくて・・・泣かしてしまいましたぁ。慰めてから教室に戻るんでもう少しいてもいいですか??」「もう、今日は終りなんで帰ってもいいです。」
とだけいって担任は去っていった。
私が泣きやむのを待って
「旦那さんはおらへんの??」
と訪ねてきた。
「いないよ。母子家庭だから・・・」
またなんか言われると思ったぁ。しかし彼は
「頑張るなぁ!!今度、ちびちゃんに逢わせてなぁ☆」
さすが、保育士志望!!子どもが好きなんだろうなあと感じた。
それから一時間ぐらい屋上の喫煙所で話し帰宅。
子どもの写メを送るのにメアドを交換した。子どもを迎えに行き、家に着くと彼からメールが
『今日は急に話しかけてきたごめんなぁ・・・急に鞄もって教室でていったから気になって・・・またなんかあったらメールしてきてなぁ。相談なり愚痴なりなんでもOKやから!!』
私は『ありがとう』とだけ返事を返した。
その後、休憩時間は必ず屋上へ。
放課後も時間の許す限り二人で話した。
ある日、クラスの女の子に
「つきあってるの??」
と聞かれたぁ。返事に困っていると
「付き合ってます!!」
と彼が後ろから言ってきた。
おぃ、おぃと思いながらも、そういう恋愛話しが大好きな子たちをおちょくってるなとさっしがついた私も
「うん!!つきあってる」
と便乗!!
「マジで!!!!!!」
と驚く子たちのリアクションを見て楽しむふたり!!
休憩がおわり授業が始まって少ししてメール届いた
『放課後話があるよぉ、時間ある??』と彼からだ。
『別に大丈夫だよ』
たぶんさっきかるはずみなこといったから誤ってくるのかなぁと考えていた。
メールがまだ続く
『今日は気分変えて屋上から抜け出そう』と受信。
『ぃぃよ』と返信。
・・・放課後・・・
彼の車で近くの防波堤へ
ふたり並んで座り煙草に火をつける
彼→『さっきはごめんなぁ・・・勝手に先ばしって・・・』私→『いやぁいやぁ・・・別に気にしてないよ。ってかおもろかったし。』
彼→『で、そのことなんやけど、俺、好きなんやけど本気で付き合ってもらへんかなぁ??』
予想外の展開に私は戸惑った・・・子どもがいるし・・・
私→『正直に言うけど、うちも好きだよ。・・・でも、子どももいるし優先順位はやっぱり子どもが一番だから、それもわかってくれますか??』
彼→『もちろん!!』
即答だった・・・
嬉しかった。好きだけど彼の方は友達としてみてるんだろうなと思ったから・・・
〜子どもと対面〜
七ヶ月の子どもとのはじめての対面。
少し彼は緊張していた・・・しかも、初めての我が家。七ヶ月の娘は人見知りもなく、すぐに彼と遊んでいた。
彼もすごく嬉しそうだ。
私は彼に伝えないといけないことがあった。
夜、仕事をしているということ、その間、娘は夜間も見てくれる託児所に預けているということ。
すべて、伝えて出てきた言葉は
彼→『俺が見るよ。よかったら一緒に住もうよ』
私→『えっ・・・でも実家わぁ大丈夫なの??子持ちと付き合ってるとか同棲とか・・・』
彼→『話せばわかってくれるよ。俺もバイト捜すから』『うん・・・。』
〜新生活〜
とりあえず彼の実家に一応あいさつ。
娘も連れていったぁ。
彼も母子家庭で育ったらしくお母さんは理解してくれた。
早速、荷物を運び出す。
『あの子はすごくさみしがりやだから迷惑かけるかもしれないけどよろしくお願いします』と小声で言うお母さんに私は深ぶかとお辞儀して車に乗り込んだ。