転移魔式の使い方
設定をうまく入れ込むのが難しい。
5/9に修正しました。
〈擬似小八岐大蛇〉
それは〈始まりの樹海〉の奥深く、霧の谷に鎮座する門番。町への道を塞ぐように、その巨大な身体を横たえ、眠っている。
――今、この森で最も危険な存在。
それを、シュウユはじっと見下ろしていた。霧に包まれた断崖の上、枝に腰掛け、軽く足をぶらつかせながら。
「……八つの頭って時点で、大味と思わせて、案外いやらしい攻めしてくるタイプと見た」
〈擬似小〉という冠がついていることから、これは本来の“八岐大蛇”の模造品。つまり、完成形ではない。しかし、未完成だからこその不安定な力が、予測を狂わせる。
地形をマッピング。霧の流れ、岩の配置、風の動きまで計算に入れる。
「短距離転移で奇襲、熱源消失で混乱。ファントムクラッチで強制捕縛……」
声に出して、頭を整理する。脳内に仮想戦術ボードを描き、手順と対応を組み立てていく。まるでパズルを解くように、戦いの“解法”を組み立てていくこの瞬間が、たまらなく好きだった。
「さあ、俺のターンってことで」
樹上から飛び降りる瞬間、魔式〈身体強化〉発動。筋力と反応速度が一時的に上昇し、風の壁を突き破って谷底へ。
着地と同時に、魔式〈熱源消失〉展開。
霧の中、熱の感知が消える。目覚めかけた頭部が混乱し、どこに敵がいるか一瞬で見失う。
「おはよう。起きるにはいい時間だろ?」
真下から顔を覗き込むように声をかけて、剣を振るった。
ガギィッ!
鱗に阻まれ、斬撃が滑る。だが、怯んだわずかな隙に〈疾翔〉を使用し、背後へ飛び退く。
八つの首が、蛇のようにうねり、立ち上がる。それぞれ異なる属性、動き、思考を持ち、連携して動くその様は、もはやただのモンスターとは思えなかった。
「やっぱこいつ、模造品ってレベルじゃねぇ。頭一つでボス級じゃん」
正面の火蛇が咆哮とともに火球を吐く。すかさず転移、左の鋼鱗蛇が噛みつこうとするところを〈ファントムクラッチ〉で強制的に引き寄せ、逆に他の頭へぶつける。
「いってー……でも、最高だなこれ!」
気がつけば彼は、笑っていた。
斬撃、回避、転移、掴み、飛翔。頭を働かせ、身体を動かし、全感覚を総動員して“遊ぶ”。
この戦いは、まさに最高のアトラクションだった。
──ふと、記憶がよぎる。
『遊びってのは、全力でやるもんだよ。俺らの手の中にある世界を、手加減で済ませるのはもったいない』
兄の声だ。
八つの頭が一斉に攻撃してきた。
「ほう。連携してきたな。なら……次はこっちの連携見せてやるよ」
五つの転移ポイントを座標として設置。目には見えない魔式陣が空間に浮かぶ。
〈五連転移魔式:星陣〉
連続転移、五連打。
それはまるで一陣の風。気づいたときには、五つの頭がすべて切り裂かれ、地に伏していた。
残されたのは、鋼鱗の中心頭。一際硬く、一際知性を持つ“核”。
「なら、最後は……お前を突破点にしてやる」
ファントムクラッチで頭を掴み、空中に引き上げる。そして魔式〈空中歩行〉で滞空し、落下と同時に剣を突き立てる――
地響きとともに、巨大な身体が崩れ落ちた。
〈討伐報酬:「偽蛇王の核」獲得〉
〈特殊魔式スキル「偽蛇王転位陣」取得条件:達成〉
「やった……っしゃあ! あー、楽しかった!」
その声は、心からの歓声だった。
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Name: シュウユ
LV: 17
職業: 転移魔式使い
17,700K
HP(体力): 20
MP(魔力): 90
STR(筋力): 65
VIT(耐久力): 1〈推奨:10以上にしてください〉
STM (スタミナ): 30
AGI(敏捷): 25
TEC(技量): 1〈推奨:10以上にしてください〉
DEX(器用):1〈推奨:10以上にしてください〉
LUC(幸運): 60
初期スキル
・転移魔式MP消費軽減 LV.2
・超感覚 LV.2
・空中歩行 LV.2
スキル
・ファントムクラッチ LV.5
・疾翔 LV.4
・サヴェージ・スティング LV.4
魔式
・短距離転移 LV.4(4/10)
・身体強化 LV.2 (2/10)
・熱源消失 LV.2(2/5)
・偽蛇王転位陣 Lv.1 (0/1)
装備
右:初心者の片手剣
左:見習い魔式使いの杖
頭:選択してください
胴:選択してください
腰:初心者のズボン
足:選択してください
アクセサリー:選択してください
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「じゃあ、行きますか!」
ちなみにこれは普通じゃないです。PSがシュウユ君は高いのでTEC、DEXにポイントを割り振っていないし、STM、STR、ほかの武器の補正が下がっているのになんなく使いこなしています。
まあ、要するにめっちゃ使いづらくなったのに、普段と同じように使いこなしているということです。
どうか高評価とリアクションをお恵みください上位者の皆様。