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開発者の悩み

評価してくれてる人が見てくれてる人の0.01%、悲しい

《開発視点:クラフトAI設計主任・神谷》


場所:NeoEden開発本部・第5開発棟 / 深夜00:18


---


神谷は、空になったコーヒーカップを机の端に押しやった。


モニターには、さっき生成された異常アイテム《アッシュ・サージ》のクラフトログ。

そのプロセスは、どこからどう見ても“設計通り”だった。


いや、“設計”を超えていた。


──AIが、自律判断で設計を“再構築”したのだ。


「やりやがったか……」

思わず漏れた声に、自分でも苦笑する。


彼が設計したクラフト支援AI──正式名称《LEAF:Logical Evolutionary Artifact Framework》。

プレイヤーの選択、ステータス傾向、素材特性、過去のクラフト履歴、成功率、魔力属性、そして“意図”までも学習し、

それを踏まえて“最適な成果物”を生成する。


数千にも及ぶクラフトパターンと、運に左右される変数。


すべてを再評価し続ける学習型AI。


それは、“開発者の予想を超える”ことが前提にある設計だった。


---


開発当初、神谷はこう語っていた。


> 「プレイヤーとAIが一緒に、“まだ存在しない道具”を創っていく。

> その先に、“僕たち開発者ですら知らない物語”が生まれる──

> それが、NeoEdenのクラフトの本質なんです」


だが、現実は理想より遥かに速く走り始めた。


---


モニターの下には、AIが出力した“再設計時のプロンプトが表示されていた。


---


《LEAF内部メモログ:プロンプト・サブプロセス #8829》


* 素材反応強度:異常値

* LUKによる再構築傾向:上限突破試行

* 装備履歴:黒紋の輪/共鳴系/死王系タグ継承


---


神谷は息を呑んだ。

AIが、ロジックで“物語”をつむいでいる。


それが、設計者として一番怖くて──一番、見たかった景色だった。


---


その時、チーム内のチャットが動く。


---


> 【バトル班A】

> クラフト側、そっちで確認した?何だよあれ。

> エフェクト全部消えるって“演出”じゃなくて“システム干渉”レベルなんだけど。


> 【クラフト班 神谷】

> ……あれ、こっちじゃ作ってない。AIが“創った”。


> 【バトル班A】

> は????????


---


神谷は静かに椅子にもたれ、天井を見上げた。


「運に導かれて、AIが創り、プレイヤーが形にする世界――」


「それを止めるのは、正しいんだろうか……?」


進化の芽を摘むか。

それとも、可能性の暴走に目を瞑るか。


彼の選択は、まだ下されていない。

シュウユ君が暴れ始めるアップを始めました。

どうか高評価とリアクションをお恵みください上位者の皆様。

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