虚ろなる死王の試練?ex
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《静寂なる骨の回廊》。
その名の通り、音が吸い込まれるような沈黙が支配する空間だった。
俺たちは崩れた神殿の扉を抜け、ひんやりとした気配の漂う回廊へと足を踏み入れた。石造りの壁には無数の骨が埋め込まれており、まるで何者かの視線が常にこちらを監視しているような錯覚を覚える。
「ここが“レベリングスポット”か……雰囲気、普通じゃねえな」
「静かすぎる。何か来るよ、シュウユ」
カイが呟いたその直後、俺の手元で《虚ろなる証》が淡く輝き始めた。そして、洞窟全体に重低音のような震動が走り、空気が一変する。
「来たか……!」
回廊の最奥、骨の山の中心に黒い霧が集まり始める。その霧は人の形を模し、やがて一体の騎士へと姿を変えた。
《虚ろなる騎士》。
それは、死王の面影を残しながらも、より洗練された装甲と禍々しい魔力をまとった存在だった。
「まさか、こいつが……レベリングスポットの“主”?」
「いいや、これは試練だ。『虚ろなる証』を持つ者にだけ現れる“真なる強敵”だよ」
カイの声に、俺は頷く。そして、剣を抜いた。
「やるしかねえな!」
虚ろなる騎士は、ゆっくりと大剣を構えた。その刃には黒雷がまとわりつき、一歩踏み出すたびに地面が砕ける。
俺は短距離転移で間合いを詰め、背後から斬りつける。だが、騎士の鎧は異常なほどに硬く、刃が弾かれた。
「くそ……硬すぎる!」
「シュウユ、胸の紋章! あそこが光るとき、動きが一瞬鈍くなる! あれが弱点だ!」
カイの叫びに応じて、俺は騎士の前に立ちはだかり、あえて攻撃を受けるフリをして一気に転移。
「サヴェージ・スティング!」
剣が騎士の胸部に突き刺さる。黒雷が霧散し、虚ろなる騎士の動きがわずかに止まった。
その瞬間、カイの炎を帯びた矢が騎士の脚を撃ち抜く。
「今だ、畳み掛けるよ!」
俺は身体強化を発動し、何度も剣を振るった。騎士は徐々に押され始めるが、突如、周囲に黒霧を放出。
「幻覚か……っ!」
視界が歪み、敵の位置が分からなくなる。だが、俺は超感覚を発動し、気配を読み取る。
「そこか――!」
俺の一撃が騎士の胸部を再び穿ち、今度は黒い霧が爆ぜるように散った。
騎士が膝をつき、苦しげな呻きを上げる。そして、地面に剣を突き立てたまま静止した。
──静寂。
やがて騎士の体は霧となって崩れ、《虚ろなる欠片》と呼ばれるアイテムが残された。
「やったか……」
戦闘が終わり、洞窟には静寂が戻った。だが、勝利の余韻に浸る間もなく、《虚ろなる証》が再び輝き始めた。
「まだ何かあるのか?」
俺は証を手に取り、光の方向を見つめる。
すると、洞窟の最奥に新たな道が開かれた。その奥には巨大な石碑があり、古代の文字が刻まれている。カイが近づき、それを読み上げた。
「…ここは仮の名は鍛錬の場、そして本当の名は王の守護者が眠る地。試練を越えし者にのみ、さらなる力を与える」
「守護者…ってことは、あの騎士も真なる王の手前にいる存在だったってことか、てかここめっちゃ重要ば場所じゃねぇか!!」
「そうだね。試練はまだ続くってわけだ。ここで手に入る力が、真なる王に挑む鍵になるのかもしれない」
カイが呟く。
「けど、レベリングしないとな。この奥に進むのはまた今度だ。今日はもう終わりにしよう」
「そうだね、流石に私も疲れたよ。戻ってしなければならないこともあるし、じゃあこの辺で、レベリング頑張ろうか」
「おう、そっちこそ」
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