虚ろなる死王の試練7
祝!!週刊VRゲームランキング連載中で98位に載りました!!
祝!!PV500達成しました!!
誠にありがとうございます!!今度も引き続き頑張って書いていきますので、いいねと評価をして、応援よろしくお願いいたします!!
5/10に修正しました
巨大な門を抜けた瞬間、空気の質そのものが変わった。冷たさではなく、重さ。呼吸をするたびに胸に鉛のような圧がのしかかる。そこは、まるで異界そのものだった。
広大なホール。床は黒曜石で構築され、まるで地面そのものが夜を飲み込んだかのような暗さを放っていた。壁には無数の装飾と呪印が刻まれ、淡く青白い光が脈動している。それは、まるで空間そのものが生きているかのようだった。
ホールの中央には巨大な玉座。その上に、うずくまるようにして座っていたのは……
《虚ろなる死王》。
その姿はかろうじて人型を保ってはいるが、所々骨が露出し、関節は不自然に歪み、全身を黒い霧が覆っていた。その手には禍々しい大剣と、重々しい盾を構えている。
「よくぞここまでたどり着いた、試練を超えし者よ……だが、これ以上進むことは許さぬ」
声が響いた瞬間、空気が凍りつく。まるで心臓を掴まれたような圧力。だが、俺たちは一歩も引かない。
「準備はいいかい、シュウユ?」
「もちろんだ。やるぞ!」
死王はゆっくりと立ち上がる。その動きは不気味なまでに滑らかで、巨体からは想像できないスピード感すら感じさせた。大剣が地面を引きずり、黒い霧がそれに反応するかのようにホール全体を包み込んでいく。
突如、死王が剣を振り上げ、地面に叩きつけた。瞬間、魔力の衝撃波が円状に拡がり、空間そのものを揺るがす。
「――疾翔!」
俺は反射的に疾翔を発動し、地面を滑るように横へ飛ぶ。カイもすかさず〈空間歪射〉で後方へと退避。衝撃波はすんでのところでかわした。
「この攻撃、広範囲すぎる!気をつけろ!」
「分かってる!」
死王はその場に留まることなく、まるで浮遊するように前進し、剣を振り下ろす。その速度は目視できないほど速く、風が切り裂かれる音すら追いつかない。
「――超感覚、展開!」
第六感が危険を察知。即座に短距離転移で死王の背後に回り込み、剣を構えた。
「サヴェージ・スティング!」
渾身の一撃。刃が死王の背を裂き、霧を吹き飛ばす。だが──
「甘い」
死王が振り返り、盾で俺を弾き飛ばす。空中を舞い、地面に叩きつけられる。
「ぐっ……くそ、重い……」
即座に〈身体強化〉を発動し、体勢を立て直す。だが、その間にも死王は次の動作へ移っていた。
黒い霧が剣に凝縮し、魔法陣が宙に浮かび始める。
「魔式来るよ!範囲型、逃げて!」
「遅いっ……!」
だが俺は叫びながら、〈空間断裂〉を即座に展開。周囲の空間がねじれ、死王の魔法陣が撹乱される。展開が一瞬止まり、死王の動きが鈍る。
「今だ、カイ!」
「了解!」
カイの幻影矢が空中に散開。11本の矢が空間の歪みを縫うように死王の関節部を一斉に射抜いた。
「いける……!ファントムクラッチ!」
魔力の手が死王の足を掴み、一瞬だけ動きを封じる。その隙を逃さず、俺は斜め下から突進。
「喰らえぇぇぇぇぇッッ!!!」
剣が胸部の鎧を割り、直下から貫通するように霧を吹き飛ばした。死王がのけぞり、苦悶の咆哮を上げる。
「……だが、ここからが本番だ」
死王の身体から黒い霧が爆発的に噴き出し、ホール全体に蔓延する。そして──
周囲に無数の霊体が出現する。
「くそっ、雑魚呼び出しまで!?」
「霊体は無限湧きだよ、対処を考えよう!」
「分かった、カイ!霊体は任せる!俺が本体を狙う!」
俺たちは再び戦闘体勢を整えた。
何かしてほしいネタあったら教えてくれると嬉しいです。
どうか高評価とリアクションをお恵みください上位者の皆様。