虚ろなる死王の試練3
次もすく出します。こんな風にスムーズに町を進んでモンスターを倒しているシュウユ君ですが、普通の人がすることはできません。PSが高いからできることです。ちなみに2日であげられるレベルは初心者平均10です。シュウユ君のレベルは約2倍です。おかしいですね。
5/9に修正
「資格の一部」を手に入れた俺たちは、次なる祠を探して死者の谷をさらに奥へと進んでいた。足元の土はより黒く、冷気は骨の奥まで染み込んでくる。霧は濃く、手を伸ばせば掴めるほどの密度で漂い、視界すら遮る。
「さっきの祠の試練で資格の断片が手に入ったってことは、少なくとももうひとつ同じような試練がどこかにあるはずだよな?」
俺が口を開くと、カイは静かに頷き、地図を投影する。だが、そこに記されているのは既知の地形だけだった。
「この地図には、それらしい場所は記載されていない。つまり、今から俺たちが自分の足で探るしかないということだね」
「仕掛けの多いエリアだな。だが、悪くない。探しがいがあるってもんだ」
そんな会話の直後だった。遠くから、低く地を揺らすような唸り声が聞こえてきた。耳に届くより先に、地面から震動が伝わってくる。
「……何か来るぞ」
霧が波打ち、巨大な影が浮かび上がる。骨の塊のような異形の巨体、それは無数の死者の骨を寄せ集めたかのような姿だった。
異形の獣
その姿は、まさに死の集合体。鈍い輝きを放つ無数の骨が軋みながら動き、重い足取りで地を踏みしめるたびに、金属と石がぶつかるような嫌な音が響く。
「こいつ……雑魚とは桁が違う」
カイが素早く弓を構え、俺の背を追うように位置取りを始める。
「前は任せるよ、シュウユ。僕は援護に回る」
「上等だ」
ネクロボーンが低く唸り声を上げ、突進してきた。まるで破城槌だ。俺は咄嗟に〈短距離転移〉で回避し、懐に潜り込む。
「サヴェージ・スティング!」
骨の壁に剣を突き立てる。だが──手応えがない。刀身が弾かれた。
「硬すぎる……骨の鎧か!」
カイの声が飛ぶ。
「シュウユ、狙うべきは“接合部”だ。動きを支えている関節部が脆い」
「なるほど……!」
俺は動きを見極め、巨大な腕の根本──関節のつなぎ目を狙って跳び込んだ。再び転移、今度は確実に──
「喰らえっ!」
剣が突き刺さる。骨のつなぎ目が砕け、ネクロボーンが呻き声を上げてのたうち回る。
「効いたな……カイ、もう一発いくぞ!」
「了解!」
矢がネクロボーンの膝関節に突き刺さり、俺は再び転移で肩部へと飛ぶ。連携攻撃で次々と接合部を破壊していき、最後には心臓部にある赤黒い“骨核”を剣で砕いた。
ネクロボーンは断末魔のような悲鳴を上げ、骨の塔のように崩れ去った。
その背後、霧が晴れ、一筋の小道が姿を現した。
「……これは導き、か?」
その小道の先、またしても祠のような構造物があった。だが、前回とは違う静けさが漂っていた。
「これが第二の祠か……?」
足を踏み入れようとした瞬間、またしても虚空から声が響く。
『二番目の試練に挑む者よ、魂を清め、死者の意志を継げ』
「魂を清める?戦いだけじゃ済まなそうだな……」
祠の中央には、青白く光る水晶が静かに浮かんでいた。その光に触れようとした瞬間、空間が一気に歪む──
幽霊のような霊体たちが次々と出現し、俺たちを包囲していった。
「試練は続くか……!」
カイがすぐに弓を構え、俺も剣を引き抜く。
だが、この敵は今までと違う。触れれば消える程度の“霊”ではない。実体を持たないくせに、こちらに“確かな死”を与える力を持っている──。
「数も多いし、動きも読みにくい……カイ、どう動く?」
「規則性がある。前衛が物理で押して、後衛が呪いで足止めしてくる。まずは後ろを潰そう」
「了解──」
俺は、すかさず転移。空中から霊体の背後に舞い降り、光を放つ杖を振りかざす敵へ剣を叩きつけた。
「次、次……」
同じ動きを反復。だが、疲弊が積み重なってくる。数が多すぎる。
(こいつら、どこまで続くんだ……)
次の瞬間、祠の水晶が激しく輝き始めた。
「……まさか」
現れたのは、他の霊体とは一線を画す、巨大な死霊。
《魂刈りのレヴナント》
その姿はまさに“死を狩る者”。手には巨大な黒の大鎌。空間が軋むような音と共に、その姿は実体と霊気の中間に揺れていた。
「ようやく、来たか。これが“本命”だな……!」
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