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第46話 救出

 俺はすぐさま防護結界を詠唱代行する。それとほぼ同時に、不審者が懐から忍者が使うくないのような投げナイフのようなものを取り出すのを視界に捉えた。何とか間に合ってくれ!


『光の守護結界よ、我らに降り注ぎ、防壁を築け! 防護結界プロテクションバリア!』


 師匠とクリス先輩、ついでにリーナスを範囲に入れて半球状の光の膜が降りる。何というか、この演出がじれったい。エフェクトのキャンセルとかできないものだろうか。そんなことを考えている間に不審者は取り出した投げナイフを素早く投げてきた。瞬く間に投げナイフが目の前に迫る。


 ガガガガガガンッ!


 ふぅ、何とか防護結界が間に合った。防護結界に当たった投げナイフが音を立てて跳ね返されると、カラカラと地面に落ちた。


 どうやら、黒尽くめの不審者は師匠とクリス先輩も倒すつもりらしい。リーナスを倒すほどの実力を備えているのだ。これは注意しなければならないな。俺は気を引き締めた。


 師匠とクリス先輩が黒尽くめの不審者に対峙する。よく見ると、体にピッタリと張り付く窮屈そうな服装をしているせいか、身体のシルエットがはっきりしているので出るところと引っ込むところが良く分かる。うん、こいつは女だな。多少小柄なこともあってか、まるで少女のように思えるが、まさか、リーナスも相手が女の子だからと侮ったんじゃないだろうな?


 そんな彼女の手には漆黒の鋭い短剣が握られていた。その刀身には禍々しい色の液体が付いている。なるほど、毒を使ったわけか。その毒液にリーナスのものと思われる血が混じり合って滴り落ちる。先ほどの投げナイフといい、毒といい、忍者……じゃなくて、暗殺者というわけか。これは確実にリーナスを殺すつもりだな。


「うぅ……ざ、ザンテ殿か……?」


「っ! 気が付かれたか、リーナス殿!」


 まだリーナスは辛うじて意識があるようだったが、このままでは危うい状況だ。何とか助けてやりたいが、かといって、彼女をそのままにしておくわけにもいかない。


『リーナスの回復は任せてくれ! 師匠はそいつの相手を頼む!』


 そう言って、俺は覚えた光魔法の中に解毒の魔法が幾つかあったことを思い出し、どれを使うべきか悩む。何せ、リーナスがおかされた毒がどの程度のものかが分からない。リーナスを殺しに来たのだから、当然強力な毒、それも致死性の猛毒が使われているのだと思うのだが、そうなると高位の解毒魔法が必要だよな。


「氷の王よ、我に力を貸し、この者らを封じよ! 氷鎖封身アイスバインド!」


 俺がどの解毒魔法を詠唱するべきか悩んでいる間に師匠が氷鎖封身を唱えた。だけど、彼女は幾重にも重なりながら襲い掛かる氷の鎖を難なく躱したかと思うと、最終的には手に持つ短剣で襲い掛かる氷の鎖を払い除けながらひとつずつ壊していった。うん、イネス以上に魔法師との戦いに慣れてるな。


 いや、それだけではない。なんというか、無駄な動きを一切感じさせず、先ほどから音のひとつも立てないのだ。その所作から、彼女が並の相手ではないことはすぐに分かった。確かにリーナスが苦戦するのも頷ける。あー、これはやばい相手だぞ。


『手練れの暗殺者だな……』


「今のままでは倒せん! クリス、あれをやれ!」


「はい! 紅蓮の障壁よ、円となりて敵を封鎖せよ! 火焔障壁ブレイズウォール!」


 クリス先輩が魔法を唱えると、彼女を紅蓮の炎が円環となって取り囲んだ。クリス先輩の魔法に彼女が怯んだ一瞬の隙を見つけて、俺は最上位の解毒魔法を詠唱する。


『神聖なる光の神々よ、その輝きを我に授け、この者の苦痛を癒し、全ての毒を取り除け! 神聖光解毒ディヴァインピュリフィケーション!』


 師匠の杖先から淡い緑色の優し気な光のシャワーがリーナスに降り注ぐ。すると、その光がリーナスの身体の中に吸い込まれて、何やらリーナスの体内でイルミネーションのようにチカチカと輝く。そのひとつひとつの光が一際大きくなったかと思うと、同時にどす黒い紫の瘴気が立ち昇った。これが解毒の効果だろうか?


 しばらくするとチカチカと瞬いていたすべての光が大きく発光し、体中から瘴気が立ち昇って消えていった。それと同時にリーナスの顔色が和らいだのが見て取れた。どうやら神聖光解毒は上手くいったらしい。毎回のことながら、初めての魔法は毎回緊張するな。念のため聖光癒も掛けて傷口も塞いでおこう。


 これで一安心と言えるけれど、まだ彼女を倒したわけでもないし、捕らえたわけでもない。引き続き警戒が必要と思い、俺は次に彼女がいつ目の前に現れてもいいように準備をすることにした。なに、相手は人間なんだ。人間の動きを止めるのなら、あの魔法が最適だろう。それに、今の俺は詠唱の応用ができるからな!


 クリス先輩の火焔障壁は勢いが衰えることもなく、今も轟々と燃え盛っている。それどころか、炎の輪は徐々にその広さを狭めており、間違いなく彼女を焼き殺しに掛かっていた。クリス先輩も結構えげつない魔法を使うよなぁ。それを指示したのは師匠だけど。


 うん、これは勝ったな。おかしなフラグにはならないと思う。あとはどうやって彼女を倒すべきか考えよう。なるべく殺さないで捕らえる方法を考えないとな。背後関係を知っておきたいし。


 そんなことを思っていたら、彼女を閉じ込めていた炎の勢いが急激に弱くなった。別にクリス先輩が彼女を心配して魔法を弱めたわけではないようで、クリス先輩も驚いて慌てている。恐らくは火焔障壁の中にいた彼女が何かしたのだろう。次第に炎の勢いが落ちてきたことで中にいた彼女の様子が分かった。


 彼女は肩で息をしながら、両膝をついて蹲っている。よく見ると、その手には魔道具らしき物が握り締められていた。たぶんだけど、炎熱の魔法を弱めたり無効化させる効果があるんだろう。また、その魔道具は短い杖のようにも見えた。もしかすると、魔法を使った可能性もあるな。魔法師には思えないけれど。


 とりあえず、彼女はまだ生きているようだ。クリス先輩の魔法のおかげで虫の息といった様子だし、もう反撃をしてくることはないんじゃないかな。とはいえ、油断するわけにもいかないし、このまま逃すわけにもいかない。ということで、早速俺は先ほどから準備していた魔法を詠唱代行することにした。


『幾百を超える雷よ、彼の者の動きをとめよ! 雷痺スタン!』


 そう、詠唱した魔法は、師匠に初めて教えてもらった雷痺だった。それを詠唱の応用で数百回分の効果を得ようとしたのだ。雷痺自体はそれほど魔力を消費しないから、一度に何百回唱えても俺の魔素に影響はない。ということで、千には届かない範囲で唱えてみたのだけれど、効果はどうだろうか。見たところ、彼女は力が抜けてぐったりとしているように見えるけれど、こちらを欺いている可能性も考えられる。念のため、確認したほうが良いかな?


『師匠、雷痺で動きを止めたとは思うんだけど、どう思う?』


「うむ、クリスよ。そやつに雷痺が効いているか確認してくれ」


「えぇっ!? 私がですか!?」


「そうじゃ。其方の魔法で倒したようなものじゃろう。相手の生死はしっかりと確認せねばならん」


「彼女を倒したのは師匠の、ユーマの雷痺ではないですか! 確認ならお師匠様がなさってください!」


「儂にそのような危ないことをさせるつもりか!?」


「弟子にそのような危ないことをさせるおつもりですか!?」


『もう、そんなことを言い合ってる場合じゃないでしょ。まったく、しょうがないなぁ。師匠、相手の動きを封じるから少し待って。闇の力よ。彼の者を拘束し、その自由を奪え! 拘束呪縛コンストレインカース!』


 これは闇魔法のひとつで、相手の自由を奪う呪いのような魔法だ。自分の意思で行動できなくなるので、声を出すことはおろか、スキルや魔法も自由に使うことができなくなる。そのため、とりあえず彼女に逃走される心配もなくなった。もちろん、この魔法は禁忌の魔法に近く、王国では使用を基本的には禁止されている。唯一使用ができるのは、犯罪者に対してのみ。つまり、今回は適法ということになる。彼女は殺人未遂の現行犯なのだからな。


 闇色の光がぐったりと倒れた彼女のもとに降り注ぐと、それが漆黒の輪っかの形となって首輪のように彼女の首をがっちりと締めつけた。これで完全に自由を奪ったことになる。というか、基本的には魔法を行使した師匠の言うことには絶対服従の状態となったのだ。決して悪いことに使うんじゃないぞ。


「まさか、拘束呪縛を使うとは思わなかったぞ……。じゃが、これで安全じゃな」


「本当にユーマは闇魔法に詳しいですね。それで、これからどうするつもりですか?」


『ここからは相談なんだけどさ、こいつにはリーナスを狙った理由とか雇い主とか、いろいろと聞き出さないといけないと思うんだけど、それを味方でもない第一騎士団と、なんて言ったっけ? 王都の兵士が集まった……』


「王都警備兵かの?」


『そう、それ! 第一騎士団と王都警備兵にあとの処理を任せていいのかって話だよ。もし、裏で王族や貴族が関わっていたら、今回の件を揉み消すかもしれないし、そうなると彼女の命も危ういぞ。ここは俺たちの手で背後関係を洗ったほうがよくないか? どうせ、彼女は拘束呪縛の効果で師匠の言うことしか聞けないんだしさ』


「ふむ……。確かに、王国追放を言い渡されたリーナス殿をわざわざ暗殺しようとする者が一体何者なのかは気になるのう。それに、王族や貴族の連中が関わっているとなると、ユーマの言う通り今回の件を揉み消す可能性もある。じゃが、下手に首を突っ込んで、殿下に迷惑をかけたくはないのう……」


「ですが、お師匠様が飛翔の魔法を使ったことで、今回の件に魔法師が関わっているというのは皆が知るところとなりました。そして、飛翔の魔法を扱える魔法師は数が少ないです。すぐにお師匠様に行き着いて殿下のお耳にも入るはず。つまり、私たちはもう十分に首を突っ込んでいる状況と言えます」


『さぁ、どうする師匠?』


「むぅ……仕方がない。ユーマの案で行こう。クリスよ、その者の身柄は儂らが預かる。第一騎士団にも王都警備兵にも渡さぬ」


「そうするしかありませんね。この人には念のため聖光癒を掛けておきましょう。大事には至らないはずです」


「うむ、頼む。さて、リーナス殿。もう起きられるかの?」


「……お気づきでしたか。私は大丈夫です。危ういところを助けて頂き、何と御礼を申し上げればいいのか分かりません。この度は誠にありがとうございます。しかし、一体どうしてこんなところに?」


「うむ、儂もその話を詳しくしたいのじゃが、ここでは落ち着かん。それに騒ぎを聞きつけてすぐに人も集まってくるじゃろう。まずはこの場から離れんとな。一人で立てるかの?」


「……肩を貸して頂けると助かります」


「うむ、無理をされずに頼ってくだされ。クリスはその者をこれに包んで運んでくれ。ひとまず、儂の屋敷に戻ろう」


 そう言って、聖光癒を唱えていたクリス先輩に師匠が指示を出す。いや、大丈夫かな? 彼女はクリス先輩と同じくらいの背丈だけど。流石に子供に運ばせるのは酷じゃないか? と思ったら、クリス先輩も俺と同じ意見だった。


「えっ、私がこの者を運ぶのですか? いえ、嫌というわけではありませんが、私だけでは手に負えないかと……」


「もちろん、浮遊の魔法を掛けるから安心せい」


「そういうことは早く言ってください! 分かりました、私が責任を持って屋敷まで運びましょう」


 師匠の言葉に一安心して、聖光癒を終えたクリス先輩が師匠から受け取ったローブで彼女を包む。念のためだろう、いつの間にか彼女はクリス先輩の手によって縄で手首と足首を縛られていた。もちろん、身体を弄り武器を隠して持っていないかも確認したはず。クリス先輩には少々刺激が大きかったのではないか。変な性癖に目覚めないことを祈るばかりだ。


「さて、それではゆくぞ!」


「はい。よいしょっと」


「ご迷惑をお掛けします……」


 いつの間にか、リーナスに肩を貸している師匠はローブに包まった彼女に浮遊の魔法を掛けていた。それを大事に抱えるクリス先輩。リーナスは、何故自分を殺そうとした暗殺者を持ち帰るのかと不思議そうではあったが、今は事情を話している暇はない。


 先ほどから表の通りが騒がしくなってきた。たぶん、クリス先輩の火焔障壁が目に入ったのだろう。火事だの火災だのと慌てふためく声が聞こえてくる。恐らくは、水魔法の使い手を呼ぼうとしているはずだ。流石に火事では騎士や兵士では何ともできないからな。


 そうなると、呼び出されるのは王城にいる宮廷魔法師だろう。師匠とクリス先輩の顔は割れているので、彼らと鉢合わせするのは拙い。というわけで、急遽闇魔法の隠身を使って姿を消して、再び西門の門前へと戻ることになった。


 貴族街にある師匠の屋敷まで戻るのに使う移動手段は乗合馬車だ。流石に貴族街の中までは運んでくれないけれど、貴族街との間にある門の前までは運んでくれるらしい。もしかすると、御忍びの貴族たちも使っているのかもしれないな。


 それはともかく、ローブに包んだ彼女が明らかに人の姿をしているので、まるで師匠たちが人を誘拐したかのように見えるのは俺の錯覚か? いや、錯覚ではない。そんな反語を使いたくはなかったが、仕方がなかった。幸い馬車の中でそんなことを口にする者はいなかったが、きっとあとで第一騎士団とか王都警備兵に報告があるんだろうなぁ。そうなったときのことも考えておかないといけない。


 それからどれだけ時間が過ぎただろうか。もう日が傾き始めて、辺りは少しずつ夕闇に包まれ始めた。そんな頃に、ようやく貴族街の門の近くまで帰ってきたのだ。これでようやく落ち着けるな。


 貴族門の前で馬車を降りて、そのまま貴族門を潜り、三人で歩き始めたところで、前方から馬の駆ける音が近づいてきた。ほどなくして視界に騎士鎧の姿を捉えたので、何か急ぎの伝令だろうと思いながら道の脇に寄ったら、なんと騎士がこちらに近づいてきた。どうやら俺たちに用があるらしい。


「宮廷魔法師のザンテ殿ですかっ!?」


「うむ。そうじゃが、何用かの?」


「はっ! ライラ殿下より、至急王城に顔を出すようにとのご命令がありましたので、それをお伝えしに参りましたっ!」


 騎士の話を詳しく聞くと、姉弟子殿から派遣されてきた第二近衛騎士団の騎士らしい。どうやら、王城を飛び出してから戻って来る気配のない俺たちを心配して騎士を派遣したらしい。


 これ、たぶん屋敷に居なかったから、貴族門に向かってきたってことだよな。もしここで出会わなければ、この騎士は市民街まで俺たちを探しに行かなければならなかったのではないだろうか。ここで出会えて良かったと他人事ながら安堵するよ。


『そういえば、今日中にリーナスを姉弟子殿のところに連れて行かないとダメなんだったな。思ったよりも時間が掛かってしまったし、このまま姉弟子殿のところへ向かったほうか良くないか?』


「確かにそうじゃのう。よし、儂の屋敷に寄るのはやめて、このまま王城へと向かうぞ。クリスも良いな?」


「もう日が傾いてますし、仕方がありません。このまま王城に向かい、殿下に事情を説明するしかありませんね」


「えっ!? いや、一体どういうことです!? 私は王国から追放の刑を受けているのですよ!? それに、ライラ殿下からは二度と顔を見たくないと言われています! 私はここで失礼します!」


「待て待て待て! 待つのじゃ、リーナス殿!」


「慌てて結論を出さずに、話を聞いて下さい!」


「で、ですが……」


「儂らはリーナス殿が再び騎士に復帰できる可能性があると分かったので、それを伝えたくて会いに行ったのじゃよ。どうじゃ、儂らの話を聞いてみんか?」


「私たちの話を聞いて再び近衛騎士となる可能性を掴むか、それとも国外追放の刑を受け入れるのか、ふたつにひとつしかありません。どうか、よくお考えください」


「ほ、本当に騎士に復帰できるのですかっ!? それならば私の選択など決まっています! 私はもう一度近衛騎士になりたい! 近衛騎士に復帰できるのであれば、私は何でもします! もちろん、王家にもライラ殿下にも生涯を通して忠誠を誓います!」


 リーナスの言葉を聞いてニヤリと笑う師匠とクリス先輩。うん、二人とも悪い顔をしているよ? 俺も相当に悪い顔をしていることだろう。顔があればの話だけれど。


「その言葉に偽りはないか?」


「間違いないですね?」


「も、もちろんです!」


「そういうことならば、近衛騎士への復帰の可能性がひとつだけある。どうじゃ、それに賭けてみんか?」


 ゴクリと喉を鳴らすリーナス。掠れた声で「……お願いします」と答えた。それに師匠とクリス先輩が顔を見合わせて破顔する。うん、これで姉弟子殿に謝罪させられるな。何せ、リーナスから「何でもする」と言質を取ったのだからな。


「よしよし。そういうことならば、何の問題ないじゃろう」


「ここから先の話は王城までの道中で話しましょう」


「そういうことじゃからの、騎士殿にはここで引き上げて頂いて構いませんぞ。この儂、ザンテ・ノーザが責任持ってリーナス殿を殿下のもとへとお連れ致します。騎士殿にはその先触れとして殿下のもとに向かって頂きたいのですが、お願いできますかな?」


 騎士は師匠の言葉に戸惑っているようだった。たぶん、リーナスを姉弟子殿に会わせると言ったことに引っ掛かったんだろう。国外追放の刑を言い渡された身の上で、姉弟子殿から直接顔を見たくないとまで言われたリーナスを姉弟子殿と会わせようとしているのだから、そりゃ驚くのも仕方がないよな。


 でも、師匠があとのことは自分が何とかすると言ってくれたおかげで騎士も納得してくれた。騎士は既にこの場を去り王城へと向かったあとだ。騎士の姿が見えなくなったのを確認して、師匠とクリス先輩が深い溜息を吐いた。これから話す内容はあまり他の者に聞かれたくはないから仕方がない。


「では、王城に向かいながら、リーナス殿が再び近衛騎士に復帰するにはどうすれば良いかを説明しよう。何、注意するべき点はひとつだけじゃ、リーナス殿であれば簡単にクリアできよう」


「それから、私たちが何故リーナス様の御命を救うことができたのかも説明させて頂きますね。いえ、少し考えれば何も驚くようなことはありません。すべては殿下の計画通りだったのです」


「……お話を聞かせてください」


 師匠とクリス先輩の言葉を受けて、リーナスも詳しい話を聞く気になったようだ。そして、その内容を師匠とクリス先輩の二人が詳しく説明し始める。多少脚色はされているけれど。それを聞きながら、リーナスは王城へと歩みを進めるのだった。




いつもお読みいただき、ありがとうございます。

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