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vtuberさんただいま炎上中  作者: なべたべたい
第4章 そうだ実家へ行こう
54/86

54話 バーチャルキャバクラ その4

「それじゃあお客様本日最後のキャストになります。こちら当店1の人気キャストの桃崎姫花です」

「はぁい♡ハジメさんお兄ちゃんがいつもお世話になってます♡姫は桃崎姫花っていいまーす。よろしくねん♡」

「あ、ああよろしく。それでお兄ちゃんってのはもしかして……」

「うん!姫のお兄ちゃんはホムラお兄ちゃんだよぉ♡」

「そ、そうか。なんかすごいなぁ」


企業所属vtuberだとしてもここまで突き抜けているやつも珍しいのと、姫ちゃんの甘える様な猫撫で声で俺の事をホムラお兄ちゃんと呼んだ事に、ハジメは若干押され返事がタジタジになっていた。


その気持ちわかるぞハジメ。

本当やばいよなコイツのvtuber適性の高さ。

でも知ってるかハジメ、コイツの中身超エリート一家の中でもエリートな奴なんだぜ。信じらんねぇだろ……


「それじゃあ今から10分間の接待プレイよーい始め!」

「ハジメさん!ハジメさん!」

「どうかしたのかな?」

「姫ねぇ姫ねぇあれ見てみたいの〜」

「アレって?」

「えーっと何だっけ?何とかタワーってやつ何だけどぉ……」

「もしかしてシャンパンタワーかな?」

「そうそうそれそれ!姫それ見てみたいなぁってダメかな?」


開始早々10秒も経たないうちに姫ちゃんは、この店で1番高い料金に設定してあるシャンパンタワーを、今日初対面のそれも相手はあの二階堂ハジメに、一切臆する事なくねだりに行った。


その様子を静かに聞いていたオンプさんと梅さんは、メッセージ内で大変盛り上がっていた。


「うーんそうだね」

「あ!ごめんなさい……ダメだよね。そうだよね姫なんかの為に……」


そう言って姫ちゃんはわざとらしく落ち込むと、まさかの泣き真似までし始めた。


その様子にコメント欄は荒れに荒れ、そんな空気に折れたハジメは大声で叫んだ。


「店長!姫花ちゃんにシャンパンタワー一丁!」

「かしこまりましたぁ!シャンパンタワー一丁!!」

「やったぁ!ありがとうね♡ハジメさんだーいすき♡」


そんな周りを一瞬で仲間にしてハジメに払わさざるを得ない状況に追い込んだ様子を見た俺は、姫ちゃんの頭の良さを再認識する事になった。


その姿はいつもの様なメスガキではなく、計算高い悪女の様に見えた。


女って怖えぇ……


「あっそう言えばハジメさん!ハジメさんってクリーチャーハンターってゲーム知ってますか?最近姫そのゲーム始めたんですけどぉ、難しくって全然クリア出来なくって、こういうゲームって男の子なら得意って聞いたんですけどぉ?」

「え!姫花ちゃんクリハンやるの?」

「はい!」


事前にハジメの事を調べていたのか、姫ちゃんはハジメが今ハマっているゲームであるクリーチャーハンターの話題を振り、そして姫ちゃんはゲームの知識も結構ある様で、俺もよく分からない話をしてハジメと盛り上がっていた。


「そういえば!ハジメさん知ってますかうちのお店って店長が料理を手作りしてるんですけど、それがすっごく美味しいんですよ♡」

「へーそうなんだ」


そう返したハジメの声は知ってる知ってると言っている様に聞こえた。


「それで特にエビチリが美味しいんですよねぇ♡」

「「!?」」


まさかここでエビチリの話題が出た事には、流石の俺とハジメも素で驚いてしまった。


「そ、そうなんだ……実はちょうど俺もエビチリ食べたいと思ってたんだよね。店長エビチリお願いします」

「あ!それと店長あのボトルをハジメさんに」

「「あのボトル?」」


あのボトルって何だ?俺そんなの聞いてないっていうか用意してないぞ?


そんな俺たちの疑問に答えるように、姫ちゃんは話を続けた。


「えーっと実は、ちょうど昨日エビチリに合うお酒がお店に入ってたんですよね店長♡」

「え?あ、うん。そうだね入ったね多分。うん」

「ねー!だから出来ればハジメさんにはエビチリを美味しく食べて欲しいと思ったんだけど、姫の余計なお世話だったかな?」

「いや、ありがとういただくよ。」

「やったぁ!」


その後も姫ちゃんはほぼほぼハジメを騙す形でお酒を頼ませたり、しりとりをした際にハジメにお酒の名前を言う様に誘導して、ハジメが言った瞬間にそれをオーダーしたりと、はっちゃけまくり最終的にたった10分で姫ちゃんはハジメから150万近く近くむしり取った。


「はい!10分経ちました!終了です」

「あ、もう終わったのか」

「おう終わったぞ。んでどうだったハジメうちのエースは」

「いやーなんて言うか凄いね」

「だろ!とは言えこっちとしては想定以上だったけどな」

「そうなのか?」

「そらそうだろハジメお前この10分でいくら使ったと思ってんだ?」

「え?いくらだろ?確かシャンパンタワーが100万だったよね……120ぐらい?」

「残念150だ」

「え!」


ハジメは自分が思っていたよりも金を使っていた事に驚き、小声でポツリポツリと自分が今さっき頼んだものの計算をしていた。


「というか本当に姫ちゃん凄かったよ」

「そー?姫的にはよゆーだったんだけどなぁ♡」

「うわっマジじゃん!てか俺めちゃくちゃ酒頼みすぎだろ……」


コメント

:姫ちゃんってもしかして頭いいのでは?

:姫ちゃん怖えぇ

:魔性の女じゃん

:10分で150万はやばいw

:今日新たに判明した一面 梅ちゃん演技力 オンプちゃん天然煽り性能 姫ちゃん頭の良さ

:すげぇ


「はいという訳で全員分終わったので全員集合!」

「「「「はーい」」」」

「それじゃあ1人ずつ感想聞いてぼちぼち配信を終わりたいと思います。それじゃあまずは梅さん」

「はい!今日の配信では私の推しだったハジメさんと一緒にコラボ出来て大変嬉しかったです!それに久しぶりにキャラを作っての演技が出来たのが楽しかったですね!」


そんな梅さんの感想を聞いて俺は改めてこの企画をやって良かったのと、今度またどうにかハジメとコラボさせてあげようと考えた。


「それじゃあ次はオンプさん」

「はい。まず今日はよくキャバクラの事についてよくわからないまま参加してすみませんでした。配信を終えてからホムラさんに貰った資料をしっかり読み込んで、次の配信ではしっかりお金を取れる様に頑張りたいと思います」

「直球だなぁ〜」


今回のオンプさんのミスは俺の事前確認が甘かったせいで起こった事故だ。次回のバーチャルキャバクラをする際は、事前にもっとしっかりチェックをする事を心がけよう。


「はいではたった10分で150万近く稼いだうちのエース桃崎姫花さん感想をどうぞ」

「えーどうしたの?お兄ちゃん♡そんな他人行儀で、いつもみたいに姫ちゃんってよんでよぉ!」

「はいはいそれじゃあ姫ちゃん感想をどうぞ」

「はーい♡姫的には今回の企画すっごい楽しかったんだけど、持ち時間が1人10分ってのがちょっと短く感じたなぁ〜」

「なるほど」

「他にもゲームのバリエーションを増やしたり、順番待ちの間に出来ることとかあったら姫的には最高なんだけどなぁ♡」

「それは俺もやってて思ってたから、次回までには改善出来てるように努力するよ」


そう言って俺は姫ちゃんに言われたこと以外にも、今日の配信で気になった事をメモ帳に書き込んだ。


「それでは最後にたった10分で150万も散財したしりとり王(笑)ハジメ感想をどうぞ」

「おい!俺の扱いだけ酷くねぇか?」

「はいはいそう言うのいいんで、時間押してるから早く感想言ってねー」

「そうだな。俺はこういう企画は初めてだったから緊張したし、何よりもしこの企画を持ってきたのがホムラじゃなかったら多分受けてないと思う。いやまぁ受けた時も騙し討ちみたいな感じで受けたんだけどさ……。でも終わってみて思ったのは、本当に心の底からこのコラボ受けてよかったと今では思ってる。それぐらい最高に楽しかった!また変な企画やる時は誘ってくれよ!」

「おう!任せとけ」


コメント

:面白かった

:最高

:初めはどうかと思ってたけど面白かった

:次回も楽しみ!

:またやってくれ

:ホムラはキャバ嬢やんねぇの?


「やんねぇよ!っと最後は俺だな。正直この企画はノリと勢いでできたものだから、細部とかガバガバだったのがこの配信でわかったから、次回のバーチャルキャバクラは今回よりももっと最高の物にしてやるから、お前ら首を長くして待っとけよ!それじゃあ乙ホムでした!」

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