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vtuberさんただいま炎上中  作者: なべたべたい
第4章 そうだ実家へ行こう
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52話 バーチャルキャバクラ その2

「お前ら俺の事忘れてんじゃねぇ!!」

「「「「あ!」」」」

「あ!じゃねぇよ!お前ら……」


そうハジメが文句を言い出しそうになった時、それに被せる様に姫ちゃんが話し始めた。


「あっ!初めまして姫は桃崎姫花って言います♡よろしくねハジメさん♡」

「あ、ああ、どうも。こちらこそ初めましてアンダーライブ所属の二階堂ハジメです。じゃなくて……」

「私オンプです。よろしく」

「どうもアンダーライブ所属の二階堂ハジメです。だからそうじゃなくて……」

「はいはい!それじゃあ次は私ですね!どうも初めまして神木梅です!」

「ああ、よろしくアンダーライブ所属の二階堂ハジメです」

「きゃー!!私ハジメさんのファンなんです!」

「あ、ありが……」

「うわっ生ハジメだ!あー本当に嬉しいです!もう今死んでもいいぐらいです!」

「あ、うん。ありが……」

「あ、そうだ!ハジメさん!」


その後もハジメが何か話をしようとすると、それを拒む様に梅さんが持ち前のマシンガントークで、vtuber歴4年で色々な経験をしたであろうハジメに一切話す隙を与えず、結構ガチなハジメのオタクだったらしく本人に若干と言うか、結構引かれていたがそんなこともお構いなしに梅さんは一方的に話し続けた。


そんな梅さんからのマシンガントークを何とか凌ぎ切ったハジメは、梅さんの圧に負けて配信を開始早々、特段話をしたわけでもないのに疲れていた。


だがそこは男性vtuberのトップこの程度では折れずに、最後の力を入れて自分を無視していた事を抗議しようとした。


「ふぅ……コレで自己紹介は終わったな?なら言わせてもらうぞ!お前らなぁ!」


そう先程までまともに話をさせてくれなかった反動で、いつもよりも大きな声で話そうとしたその時


「あ!それじゃあ最後は俺だな。全然初めましてでもない、一応ユメノミライに所属してる。アナタの通い妻九重ホムラです!よろしくね☆」


俺は出来るだけ頑張って可愛い声を出して、ハジメに自己紹介をした。


その結果ハジメは……


「うわっ気持ち悪」


ガチで引いていた


コメント

:草

:きもい

:絶妙に女声上手いの腹立つ

:通い妻w

:コレにはハジメもドン引き

:なんかめっちゃ嫌な汗出てきたんだけど……


俺は結構裏で練習していたこともあり、女声には結構自信がありリスナーからの評判が気になり、コメントを軽くのぞいてみたのだが、俺の渾身の女声はリスナーにも残念ながら不評だった。


ちなみにコレをリハーサルでやった時は、ホムラガールズの皆んなも結構ガチ目に引いてて、表には出さなかったけど俺は内心結構本気で傷ついた。


真冬は俺の女声聞いた時「夏兄凄い!」って褒めてくれたんだけどな〜


何がダメだったんだろ?

まぁいいか


「はいという訳で」

「いや、どういう訳だよ!」

「ハジメうるさい!という訳で最後に今日俺のバーチャルキャバクラにやって来ていただいた、お客様第1号をご紹介します。男性vtuberの中ではぶっちぎりの人気を誇りながらも、個人勢の女の子に今から接待をしてもらうそんな男ォ!アンダーライブ所属二階堂ハジメェ!!!」

「おい最低な説明な仕方をするんじゃねぇ!皆さん違いますからね!」


コメント

:はー最低

:ハジメのファン辞めます

:最低!鬼畜!

:コイツがゲスと言うやつか……

:このコメントは削除されています

:ハジメがそんなことする様な人だとは思いませんでした


「おい!ホムラお前のせいでリスナーに変な誤解されたじゃねぇか!」

「草」

「草じゃねぇよ!」


そんな感じで俺とハジメがいつもの様にふざけ合って話し合っていると、結構オープニングトークが盛り上がったせいで予定より少し時間が過ぎている事に気づき、俺はハジメとの会話を止めると、軽く用意されているお酒の種類や値段に、その他キャストと出来る軽いゲームなどの企画の説明を簡単にしてそのまま話し始めた。


「それじゃあ前座もそろそろ早速ですが仕事を始めましょうかお客様。それでは早速ですがお客様、当店舗では3人のキャストがいらっしゃいますが、どなたがお好みですか?」


そう言って俺は少しカッコつけたままホムラガールズの3人の名前を順番に読んだ。


その際呼ばれたキャストはその都度元気よく「はい!」と返してくれた。


そうして俺の質問にハジメは少し考えたそぶりをして答えた。


「それじゃあさっき俺の事いっぱい話してくれたし神木梅さんでお願いしようかな?」

「かしこまりましたお客様。それでは梅ちゃんオーダーです」

「はーい!今日はよろしくお願いしますねハジメさん!」


そうして今度はいつもの声よりワントーン上げた、アニメキャラの様な可愛らしい声で梅さんは話し始めた。


「それじゃあ今から10分間の接待プレイよーい始め!」


俺はその宣言と共に配信画面内にあるタイマーを起動させた。

そしてそれと同時に梅さんはスッと纏っていた空気感がガラリと変わると、実物は見たことも無いがコレがキャバ嬢だと言われたら信じてしまいそうな感じで、ハジメに対して話し始めた。


「お客さんってこう言うお店初めてですか?」

「あ、ああ実はそうなんだ」

「え!そうなんだ!実は私もお客さんが初めてのお客さんなんだー!」

「うおっ……そうなんだそれは何だか嬉しいな」


いきなり梅さんの声が耳元で囁く様な声に変わった事に驚いたハジメは、一瞬驚きながらもすぐにそれを立て直す様に返事を返したのだが、その声が若干上擦っていた為なんかキモかった。


そしてそんな隙を逃さない様にと、梅さんはハジメにその後も追撃を与えていった。


「もうハジメさんったら驚いてどうしたんですか?」

「い、いやぁ何でも無いよ」


コメント

:ビックリしたw

:すげぇ

:ハジメどもってて草

:コレはいい

:最高!

:ハジメキメェwww


そんな感じで軽くハジメと話していた梅さんだったが、キャバ嬢の役にも慣れてきたのかここから仕掛ける様に動き出した。


「あのハジメさん」

「どうかした?」

「ちょっと話してた喉乾いてきちゃって……すいません私ハジメさんと話してたら面白くって、つい話しすぎちゃって\\\」

「いやこっちの方こそ気が付かなくてごめんね。そうだじゃあそのお詫びと初めて同士記念って事で、オリジナルボトル開けちゃおっかな?」

「え!?いいんですか?」

「おう!任せてよ」


そうハジメは格好付けてこの店で2番目に高いオリジナルボトルを注文した。


それと勿論1番高いのはシャンパンタワーだ。


「はいかしこまりましたオリジナルボトルですね。」


そう言って俺はそのオリジナルボトルを2人の元へ持っていく演技をしながら、ハジメの手持ちから10万円を引き抜いた。


「す、すごーい私コレ初めて見ました!本当によかったんですかハジメさん?」

「おう全然OKだ!」

「きゃーハジメさん素敵!あ、店員さんハジメさんにもお酒用意してくれる?」

「かしこまりました。少々お待ちください」


その後も梅さんは経験者なのでは?と思うほどスムーズに進み時間はあっという間に過ぎ、もし何をすればいいかわからなかった時用のゲームなども一切使用することなく、基本的には梅さんの話を中心に少しでもハジメが食いついた話があると、その事についてハジメに質問して話の主導権をハジメに譲り、そのまま話を聞き始めるという、普通にありそうな技術を披露しているといつの間にか時間はすぎていき、10分間という時間は一瞬で過ぎてしまった様な感覚を覚えた。


「カンカンカン!!10分たったので終了です!」


そう言って俺は配信内に映っているタイマーを停止させてそう宣言した。


「はい、てな感じで一発目が無事に終わったわけですけど、ここで軽く感想をどうぞハジメ」

「んーそうだな。俺も別に行ったことはないけど、なんかキャバクラってこんな感じだよなってのを感じたかな。あと普通に梅さんの会話の技術が凄いって感じたな」


コメント

:アレは凄かった

:俺もキャバクラ行ってみようかな

:10分は短い

:コレは神企画

:梅ちゃんの株が今日で爆上がり中!


コメントを見ても思っていたよりもこの企画は好評らしく安心したと共に、事前に話し合っていた通り1番上手い梅さんを1番手にして正解だったなと、俺は確信した。


「それではお客様次のキャストはどなたになさいますか?」

「次か……そうだなじゃあ次はオンプさんでお願いしようかな?」

「かしこまりました。それではオンプさんオーダーです!」

「……わかった。」


オンプさんは少し緊張しているのか、少し強張った声でそう返してきた。


「それじゃあ今から10分間の接待プレイよーい始め!」

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