第96話 スネーキングミッション?
マシェリーよりお礼:誤字報告上げてくださった方、ありがとうございますわ。マシェリーポイント、付けておきますわね?
「あぁ~・・・やっぱりあの日ドンチャン騒ぎしてたのマシェリー様達だったんですね」
「ええ・・・まぁ」
ホストクラブに行ってから数日後、私達はイリアスも連れてイリスの尾行をしていました。・・・細心の注意を払って。
「っとと、話を戻しますけどマシェリー様、こんなに慎重になって尾行する必要があるんですか?確かにムラサキさんはBランクって言ってましたけど、流石に警戒しすぎじゃないですか?」
「いいえ、これくらいはする必要がありますわ。というか、既にバレているかも知れませんわよ?」
現在私達が尾行しているのは2人。それはイリスとホストクラブのスタッフでBランク冒険者の『ムラサキ』なのですが、ムラサキの方には私達の尾行がバレている可能性があるかもしれません。
それは彼が普通のBランク冒険者ではないからなのですが・・・
「ええっ!?・・・あ、立ち止まりましたよ?」
「しっ・・・その様ですわね。・・・ここから一層気を付けるようにしてくださいまし」
今はそれどころではないので黙って様子を見る事にしましょう。
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今の状況をもう少し詳しく説明しましょう。
現在の日付は先程説明した通りホストクラブに行った日から数日経った日で、現在居る場所は街の外にある森の中です。
本日は以前ホストクラブにてイリス達がムラサキに約束した実力を見る日なのですが、ムラサキと会っているのはイリスのみとなります。
これは私が事前にイリアスへと手を回しておいたからで、イリスとムラサキが1対1で会うように仕向けたかったからです。
何故1対1で会わせたかったのかというと・・・それは1対1の状況の方がイリスにより強いショックを与えられると思ったからです。
(申し訳ありませんわねイリス・・・これも貴女を正道へと導く為ですの。・・・と思っていましたが、今更になって更に酷い状況になったらどうしようと不安になってきましたわ。いえ、『主人公』を信じるのですわ私!)
当初は『ショックはショックで上書きしたらどうにかなるでしょ。可能性は0じゃない。諦めたら試合終了ですよ?ドヤッ』とか考えていましたが、冷静に考えれば『いや、酷くなってグレるんじゃね?』という考えが私の頭の隅にチラチラと浮かんできたのです。・・・間違いは誰にでもありますよね?
(そうですそうです、間違いから人は学ぶのですわ。・・・ということで、万が一の対策を練りながら見守りましょうか)
内心この作戦失敗だったかもと思いつつイリス達を見ていると、立ち止まった後にしていた会話が終わった様です。
(原作と同じならあのムラサキのバトルスタイルは毒魔法、精神魔法、それにそれらを応用したテイム術と召喚術のはず。原作ではこの時点でまだ登場はしないんですが、この時期には間違いなくそれらは使える筈・・・)
ムラサキは所謂『デバフ』に特化した紫色の魔力を持つ人物で、彼は其処から一歩応用をして独自にテイム術と召喚術を作り出しました。
恐らく今から見せるのは、そのテイム術でテイムしたモノを召喚術で呼び寄せるのだと思います。
(正解のようですわね)
ムラサキはイリスに少し距離を取らせた後魔力を使い、何かを召喚した様です。
それは人の上半身に蛇の下半身を持ったラミアという魔物でしたが・・・ラミアは出て来るなりムラサキへと近づき抱き着いていました。
(服は着ていますがあの薄手の生地にあの大きさ、そして魔物でありながらあの美貌・・・アリアリのアリですわ!・・・まぁっ!蛇部分も絡みついて・・・アーリアリアリアリアリ!ですわぁっ!)
と、少々間抜けな事も考えていましたが真面目な事も考えるとします。
(蛇と言えば熱で探知をするピット機関を持ちますが、ラミアもそういうモノをもっているのでしょうか?だとしたらこんな森の中だと正解ですわね。ラミア自体もそこそこ強い魔物ですし、やっぱり彼は強いですわね)
恐らくラミアを召喚した事で私達の人数や居場所の詳細もバレたでしょうが、元からバレていると思っていましたし、イリアスもいるので襲ってはこないでしょう。
(まぁでも、イリスが居る状態でこちらの事をばらされると少々面倒なので黙っていてほしいですわね。・・・事前にムラサキに言っておくべきでしたわ)
ホストクラブでは少々はっちゃけて楽しんではいましたが、2度目はいいかなと思っていたのであれからは話題にすら上げていませんでした。
なのでホストクラブのスタッフでもあるムラサキと接触をしていなかったのですが、今となれば一度は事前に話を通しておくべきだと後悔していました。
(ホストなんですから空気を読め~!話しかけるんじゃないですわよ~!)
必死の思いが伝わったのか、ラミアがこちらをチラリと見た気がしましたがムラサキは『さぁ行こう』みたいなジェスチャーをして森の奥へと進んで行きました。
「・・・ふぅ。皆、ムラサキには私達の事がバレているようですが、引き続きイリスの方にバレない様に動きますわよ?」
「「「了解です」」」
「えぇっ!?バレてるんですかっ!?」
「しぃ~!イリアス!イリスは結構鋭いので騒いではいけませんわっ!黙って行きますわよ!」
一応皆に注意だけすると、私達もイリス達に続いて森の奥へと入って行きます。
(今日は軽く実力を確認するだけなのでそうそう奥まで行かない筈ですが・・・。どれくらい確認できますかしら・・・)
そんな事を思いながらついて行くと、イリス達は普通の猪や熊等に遭遇していました。
しかし遭遇するなりムラサキの指示でラミアが突っ込んで行ったり、ムラサキ自身が何やら魔法を使ったりして軽く対処をし、全く危なげなく事は進んで行きます。
(・・・あれだけでも実力の一端が垣間見れますわね。・・・そしてムラサキのアレな様子も)
「・・・マシェリー様、なんかムラサキさんと魔物の様子、アレですねぇ・・・その・・・」
「まぁ、世の中にはああいう人もいると思っておいたらいいですわ」
「・・・はい。私にはちょっと理解できない領域ですので、そうしておきます・・・」
イリアスを始め、他の面々も同じく理解できないという顔をしていましたが・・・
(モンスター娘って駄目ですの!?あんなに可愛いのに!)
私は頭の中で『モンスター娘とイチャイチャ、いいなぁ・・・』なんて思っていました。
そうです、ムラサキとラミアのアレな様子とは『まるで恋人の様にイチャイチャしている』という様子です。
そして2人がイチャイチャしているという事は、残りの1人はハブられているという訳で・・・
(あー・・・イリスが酷い顔&酷い状態に・・・。まぁ仕方ないと言えば仕方ないのですけれど・・・)
イリスは1人ポツンとムラサキたちの後を凄い顔をしながら歩いていました。これはそろそろ爆発するかなぁ?なんて思っていると・・・
「シャー!」
「ん?魔物の狼かいジェニファー?ササッと頼むよ」
「シャー!シャシャー!」
「・・・ん、ご苦労様ジェニファー。やはり君は素晴らしいね」
「シャ~・・・」
「・・・だ・・・駄目だジェニファー。流石にそれは・・・」
「シャ~・・・?」
「ジェニファー・・・」
何て感じの事が起こり・・・
「わ・・・私・・・かっ・・・帰りますっ!!さようならっ!」
と、ついにイリスが爆発し、泣いた様な怒ったような顔をして去って行ってしまいました。
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
「面白い」「続きが読みたい」「モン娘!?」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。
イイネ☆ブックマークがもらえると お好きなモンスター娘をプレゼントしますわ。
マシェリーの一口メモ
【現代日本でもそうなように、モン娘スキーは人類には早いジャンルですので異端扱いですわ。まぁ彼については色々あるのですが、それはまた後日。・・・因みに言っておきますが・・・モン娘はいいものですわよ?】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】