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第95話 輝く星のウェ~イ・下 ≪イリス視点≫

マシェリーよりお礼:誤字報告上げてくださった方、ありがとうございますわ。マシェリーポイント、付けておきますわね?


お詫び:ホストの名前修正。

 どうやらリアはこのお店のシステムである『スタッフの指名』をしたようでした。


 ですが・・・


「特定の人物を指名するなんて、リアはこのお店に今まで来たことあるんだ?」


 指名するということはその人を知っているということです。・・・つまりですよ?


「リアって実は遊び人・・・!?」


 何時もはそんなそぶりを見せないリア・・・いえ、イリアスさんは遊び人だったらしく、私はちょっとだけ彼女と距離を取りました。


「な・・・なんでそうなるんですかっ!?」


「じゃあ何で指名を?」


「え?あー・・・そ・・・それは・・・」


「それは?」


「ま・・・マシェリー様から聞いたんです!」


「えっ・・・!?あの人から・・・?」


「そ・・・そうですっ!マシェリー様ってすごいイケイケじゃないですか!?だからこういうお店の事も詳しいんですよっ!パーリーピーポーなんですよっ!第一私はですねぇ・・・・・」


 リアが何か言ってはいましたが、私の頭には言葉が入ってきませんでした。


(マシェリーってやっぱりこういう店に詳しいんだ・・・だからあんな風に私を弄んで・・・っ!)


「私っ!やっぱり帰るね!」


「・・・えっ!?」


 最近はマシェリーに対して感情がぐちゃぐちゃになってしまっていましたが、リアからマシェリーの話を聞いたことにより私の脳裏にはあの日の事が思い出され、それと連動してその時の怒りや悲しみの感情も蘇ってきてしまいました。

 すると居てもたってもいられなくなり、取りあえずこの場から去りたくなった私は立ち上がったのですが・・・


「ハァ~イ、どうしたんだい可愛子ちゃん。何かあったのかな?」


 いきなり現れた紫色の髪をした男性に捕まり、動きを止められてしまいました。


「放してください!私もう帰ります!」


「ん~?どうして?何か失礼でもしたかな?お~いペガサス、お前何かしたのか?」


「ちょ・・・!俺は何もしてないっすよムラサキさん!俺来てすぐにムラサキさんを呼びに行ったんですから!」


「そうです!その人は何も関係ありません!ただもう帰りたくなったから帰るんです!」


「ん~・・・まぁまぁ・・・ほら、君のお友達が泣きそうな顔になってるよ?」


「・・・え?」


「ほらほら座って~、あ、そうだこれ食べた事ある?この店の自慢のスイーツなんだけどさぁ~」


「え?あの・・・いや・・・」


「これにさぁ、この飲み物を合わせると・・・・・・」


 いきなり現れた男性は帰るという私に話しかけて来て、何故かいつの間にか席に座らされて何処からか出されたスイーツを食べさせられていました。


(あ・・・あれ?私帰るつもりだったんだけど・・・あれぇ?)


 その強引さや手際、話し方やその人から香る爽やかな匂いに毒気を抜かれたのか、何時の間にか私の感情は落ち着きを取り戻していました。

 そうしてすっかりと元の落ち着いた状態に戻った私は、リアに謝る事にしました。


「あ、ごめんねリア。なんか急に・・・」


「い・・・いえ!私がなんか変な事を言ったからですよね?私こそごめんなさい!」


「ううん、違うの私が・・・」


「いいえ私が・・・」


「はいは~い、可愛子ちゃん達スト~ップ」


 私とリアが謝罪合戦をし始めると、紫色の髪をした人が声を上げました。それにより私達の視線がその人に集められた時、その人は立ち上がり礼をしました。


「挨拶が遅れました。俺が指名頂いた『ムラサキ』です。本日はありがとうございます」


「あ、俺もまだ紹介してなかったね。ウェーイ!『ペガサス』でーす!シクヨロー!」


「あ、私はイリスです」


「私はイリアスです!・・・あのウェーイって?」


「あぁ、それ?俺がここに入りたての時に、『お前、もっと明るくしとけ?そうだな・・・なんかウェーイとでも言っとけばノリがいい奴に見えるだろ?』って。・・・ムラサキさんが」


「ちょペガサス!それは黙っとけって!」


「あはは!」


「ふふっ・・・」


 始まりは微妙な感じかも知れませんでしたが、ムラサキさんとペガサスさんは流石接待のプロといった感じで、直ぐに場の空気は和らげてくれて私達はいつの間にか笑っていました。

 そうして少し時間が経つと・・・


「「「ウェーイ!かんぱーい!」」」


 何時の間にか私達もウェイウェイ言いながら話をしていました。


『『『ミカエルのー、ちょっといいとこー、みてみたーい!ハイハイハイハイ!』』』


 他の席からもそんな声が聞こえ、このお店意外と楽しいと思っていた時の事です。リアが『思い出した!』とでも言うように手をポンと叩き、こんな事を話し始めました。


「そういえば、このお店って傭兵みたいな事をしてくれるシステムがあるんですよね?」


「ウェ~イ!あるよあるよ~!なに~?俺の強い所みたいの~?」


「強い所というか・・・ねぇイス、来週たしかシフロート先生の都合が悪いからサークル活動の引率を冒険者ギルドに依頼するって言ってましたよね?」


「言ってたね?」


「それ、ここの人に頼んだらどうかな?」


「あー・・・成程。・・・ここの人の実力次第ではいいかも?」


 どうやらリアは来週のサークル活動の事を思い出したみたいです。

 確かにこちらで頼んでもいいのかもは思いましたが・・・


「ん?どういう事?」


「あ、えっとですね・・・・・」


「ああ、成程。まぁ俺達も傭兵というか冒険者だからね。ウチに依頼をかけると自動的に冒険者ギルドに連絡と処理が行くからいいかもね?」


 詳しい事情をリアが話すと、ムラサキさんが詳しい事を教えてくれました。


 更にです・・・


「ウェ~イ!しかもこの店のスタッフって最低でもDランクだからね~!俺はCランクだし、任せてくれてもいいぜぇ~ぃ」


 ペガサスさんはそんな事を教えてくれました。

 Dランク冒険者といえば十分一端の冒険者といえますし、Cランクと言えば中級者、学園に入って冒険者のライセンスを取ったFランクの私達からすれば大分先輩です。


「ペガサスさん凄いんですね!ね、イス!いいんじゃない?」


「そうだね!じゃあペガサスさんに近いうちに一回お試しで実力を見せてもらって、良ければそのまま頼もうか!」


「ウェ~イ!!ご指名入りまぁ~っす?ははっ!まだ早いか!」


 思わぬところで思わぬ問題の解決となったので、『ここ、来てよかったかも』と密かに思っていると、リアが『あ』という感じでムラサキさんに声をかけました。


「あの、ムラサキさんはどうなんです?聞いてた感じペガサスさんより先輩っぽいので、強いのでは?」


「あ・・・ちょ・・・先輩は・・・」


「俺?まぁ冒険者ランクはBだけど」


「Bランク!すごいですね!イス!ペガサスさんよりムラサキさんに頼みましょうよ!」


 何故かその話にペガサスさんがこっそり首を横に振っていましたが、ムラサキさんが私達をジーッと見た後に頷き口を開き、「任せてよ」と言ってきました。


「あ・・・えっと・・・それじゃあムラサキさん、お願いしてもいいですか?」


「ああ、任せなよ。んじゃちょっと手続きがあるから・・・ペガサス、書類持ってきて」


「ウェ・・・ウェ~イ」


 何故かペガサスさんは『あ~あ』といった感じに席を立ち、店の奥へと歩いて行きました。


(何であんなに肩を落としてるんだろう?傭兵で指名されるとものすごく稼げるとか?ん~・・・でも正直ペガサスさんよりムラサキさんの方が強いんだろうし、それに・・・)


 私はムラサキさんをチラリと見ると、何故か自分の鼓動が少し早くなったことを感じました。


(なんでかな・・・私はムラサキさんに付いて来てほしい)


 理由は解りませんが、何故かそう思ってしまったのです。


「ウェ~イ、持ってきたッスよムラサキさ~ん」


「サンキューペガサス。じゃあ説明させてもらうんだけど・・・・・」


 その後書類を持ってきたペガサスさんから書類を受け取ったムラサキさんは、私達に指名の契約等を話し始めました。


 そうして契約もまとまったところで時間を確認すると、大分良い時間になっていたので私達は帰る事にしました。


「それではまた後日よろしくお願いしますねムラサキさん!」


「ペガサスさんもバイバ~イ!」


「ああ、それじゃあね可愛子ちゃん達」


「ウェ~イ!待った来てね~!・・・はぁ」


 私達はムラサキさんとペガサスさんの見送りを受けて店を出ました。・・・因みに『これがシャンパンタワー!?凄いですわっ!?』『『『おぉ~!』』』『面白いものを見せてもらったので、他のテーブルに私からボトル一本をプレゼントですわっ!』『『『おぉ~!!』』』と店の中では豪気な人が遊んでいるみたいでしたが、流石に私達はもう帰らなくてはなりません。残念です。


 しかし・・・


「ムラサキさんとの冒険楽しみですねイス!」


「うん!」


 後日に楽しい事が待っているのでいいのです!


 私はとても楽しい気分になり、それは後日ムラサキさんと一緒に出掛けるまで続いていました。



 ・

 ・

 ・



 そして後日、ムラサキさんの実力を見るためにお試しで出かけた時の事です・・・


「わ・・・私・・・かっ・・・帰りますっ!!さようならっ!」



 楽しい気分は一気に冷え、私の心には複雑な感情のみがありました。



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「遊びつくしている女が居ますね」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。

 イイネ☆ブックマークがもらえると ドンペリタワーをいれますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【実はペガサスさんは元他国の貴族で、事情があり冒険者としてファースタット国へと流れてきました。そこで『輝く星』のオーナーにスカウトされ、ウェイ道を進み始めたとかなんとか・・・という設定はあるかも知れないし無いかも知れませんわ。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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