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第93話 注:実際の存在するモノとは違います。

マシェリーよりお礼:誤字報告上げてくださった方、ありがとうございますわ。マシェリーポイント、付けておきますわね?

「いらっしゃいませお嬢様方」


 お店の扉を開き中へ入ると、出迎えてくれたお店の方が丁寧にお辞儀をしたまま出迎えの言葉をかけてくれました。


「ええ、一番いい席へ案内してくださる?あ、これチップですわ」


 なので、ノワールへと合図をしてチップを渡してもらおうとすると、顔を上げた店員の方がキョトンとした顔をした後にニコニコしつつも困ったような顔へと顔色を変化させました。


「あ・・・ありがとうございます。因みにですがお嬢様方、ウチのお店は所謂・・・その・・・あまり品が良くない、かつ大人向けのお店となっておりますが・・・よろしかったでしょうか?」


「・・・?あっ・・・あぁ~・・・まぁ、ええ。この間偶々この様なお店もあると聞いたので、興味本位に入らせてもらいましたの。なので見学程度に体験させてもらってもよろしかったかしら?」


「あぁ~・・・成程。畏まりました。それならばご案内させていただきますね?」


「よろしく頼みますわ」


 どうやらこの店員、私達の姿を見てどういった客かを測りかねていた様です。


(今更気づきましたが当然ですわよね?だって私達ってこんなお店に来るには明らかに低年齢なんですもの。お店を間違えたと思うのは当然ですわよね)


 確かに私がこのお店の店員でも普通は『え?こんなお子様たちが何用?こんな所普通は利用しないよね?』と思うでしょうから、決してこの店員の態度は間違いではないのです。

 いや、でも待って下さいよ・・・?


「あの、店員さん?」


「はい、なんでしょうか?あ、私『ミカエル』と申します」


 何か微妙によさげな席へと案内された後に、入口から案内してくれた店員へと声をかけ、ある事を聞いて見ます。


「あー・・・ではミカエルさん?1つ聞きたいことがあるのだけれどよろしいかしら?」


「はい、なんでしょう?あ、お店のシステムならこの後説明させていただきますが・・・?」


「いえ、それも勿論聞きますが、それよりも・・・私達の前にも同じ年頃の方達が入ってきましたわよね?その方達は私達と違って平民のようでしたけれど・・・追い返さなかったんですの?」


 私達がお子様であるにもかかわらずこんなお店を利用できるのは、断ると後々面倒なことになるかも知れない貴族だと思ったからでしょう。

 しかしイリスとイリアスは言動・身なり共にTHE平民。・・・いや、イリスは『主人公』だけあって絶妙な可愛さや雰囲気もあってあれなのですが。

 兎に角、彼女達は平民だと解る様な感じのお子様なのにお店を追い返さなかったのでしょうか?


「えっと・・・高貴なお嬢様方とは違いまして、市勢の方は意外と若いうちから私共の様なお店を利用される方もいらっしゃるので、お嬢様方の前に入られた方々を追い返すといった事は致しませんでした」


「えっ!?そうですの!?」


「はい。特に冒険者をやっていらっしゃる方はよく来られますね。お嬢様方の前に入られた方々もそうっぽかったですし」


「成程・・・」


 ミカエルの話を聞いて理解は出来ましたが・・・成程!そういう理由ですか!

 実はこの『輝く星』というホストクラブはゲームでもあった場所で、中に入ってちょっとしたミニゲームを遊べる場所でもありました。

 当時は『何が悲しくてこんなミニゲームをしなくちゃならないんだ・・・。でも報酬がいいからやっちゃうゾッ☆』くらいにしか思っていませんでしたが、今日改めて来た時に思ったのは『何で子供なのに入れるんだ?お巡りさんここです!』でした。


(けど話を聞いたら理解しましたわ!・・・というか、こういうお店は○○歳からという法も無いんですのね?)


 ちょっとした疑問が知れてスッキリとした私は、話を進める事にしました。


「変な事を聞いてもうしわけありませんでしたわねミカエルさん」


「滅相もございませんお嬢様」


「因みになんですけれど、私達の前に入った方達は何処にいらっしゃるの?」


「え?あちらの方ですね。あの木と花が飾ってある所です。・・・何かございましたか?」


「ああ、いえ。何でもありませんわ。それより、このお店のシステムとやらですの?それを説明してくださる?」


「あ、はい。畏まりました。このお店では・・・・・」


 ミカエルの話を聞きながら、私はイリス達が居るという方をチラリと見ました。

 すると、丁度こちらに気付いたイリアスと視線が合ったので『どう?』とこっそりジェスチャーを送ると、『問題なし。順調』と答えが返ってきました。


(ふむふむ・・・あ、あの方も居ますわね・・・。ふぅ~ん・・・生で見ましたがあんな感じですのね。・・・ここからでも只ならぬ雰囲気を感じますわね)


 そんな感じでイリス達の方を確認しながら話を聞いていると、説明が終わった様でした。


「以上となります。ご質問はございますか?」


「ん~・・・」


 ミカエルの説明を簡単に纏めると・・・


 ○先ずは飲み物を一杯注文してください。

 ○飲み物を注文した後はスタッフが回ってくるので、彼らと話やゲームをお楽しみください。

 ○スタッフが飲食物を振る舞ってくださいとお願いしてくるかもしれませんが、その費用はお客様持ちになります。

 ○スタッフを指名して御呼び頂くには別途費用が発生しますし、ある程度時間制限がございます。更に他の方がそのスタッフを御呼びしている場合は待ち時間が発生する場合もございます。

 ○スタッフの力が見たいのならば、専用の場へと案内しますし別途費用が発生します。後日スタッフを雇う場合は応相談。


 との事です。


(まぁ・・・そういうお店の何となく知っているシステムっぽいですわね?・・・最後以外は)


「貴女達は何かあるかしら?私は特にないのだけれど・・・」


 私的には特に質問もなかったのでマルシア達へと話を振ってみると、サマンサが「はい!」と言って手を上げました。


「スタッフの力てあれなん・・・?エロい系のヤツ・・・?」



 ミカエルはニッコリと笑い、実演する為にサマンサを専用の場へと引きずり込み・・・



 などという事は決して行われず、ミカエルはニッコリと笑ってそれを否定します。


「いいえお嬢様。そうではございません」


「ならなんなん?」


「説明いたします。このお店も昔は普通のホストクラブ・・・ええっと、スタッフの力云々だけを省いた、お嬢様方を接待するだけのお店だったのですが、予想以上に冒険者の方がよく来られたのである特色をつけたのです」


「ほぉん?」


「その付けた特色とはズバリ・・・傭兵システムです」


「・・・あっ!そういうことな!?」


「はい。当店のスタッフは全員冒険者として戦える訓練を積んでいるのです。なので気に入ったスタッフがいれば力を見て冒険に連れて行ける・・・という訳です」


「「「へぇ~!」」」


 そう、実はこのホストクラブはただのホストクラブではなく、傭兵斡旋も出来るホストクラブなのですっ!!

 ・・・って、ゲームではなく現実でこのシステムって人気あるんでしょうか?現実ではネタとして雇う位にしか要素が無いのでは?


「ミカエルさん?そのシステムの利用状況ってどうですの?人気はありますの?」


「・・・えーっと」


「あら?何でそんな2つの好物を追うポムポムパムパムみたいな顔をしてらっしゃるの?」


 私が軽い気持ちで聞いたホスト傭兵システムの利用状況に、ミカエルは何故か不思議な顔をして悩んでいました。

 しかし悩んでいたミカエルは何かを決めたのか1つ頷き、少し声を潜めて話し始めます。


「ソロの方には人気がソコソコありますし、偶に女性のみでパーティーを組んでいらっしゃる方もご利用なされます」


「へぇ・・・意外と人気がありますのね?」


「はい・・・まぁ行先が街中である事も多々ですが・・・」


「「「・・・?」」」


「まぁ・・・夜の冒険とでもいいましょうか・・・」


「・・・!あー・・・えーっと・・・メニュー!メニュー表をお持ちになって!?」


「は・・・はい!畏まりました!」


  その言葉に何となく気づいた私はミカエルの説明を遮り、話の流れを変えるために飲み物を頼むことしました。


「ん?意外と色々な物がありますね?」


「ほんまやな?けどデザートとか軽食が多いみたいやで?」


「うふふ・・・最初は飲み物ってことでしたけど・・・デザートも頼んじゃいます・・・?」


 無事流れが変わってマルシア達の意識はメニュー表の方へと移り、ワイワイとした雰囲気でメニュー表を見だしました。

 そんな様子を見ながら私は心の中でため息を吐いた後、こんな事を誓いました。



 ホスト傭兵は絶対に雇わない!と。



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「用量・用法を守り正しくお使いください」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。

 イイネ☆ブックマークがもらえると ドンペリが入りますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【このホストクラブは架空の物で、実際にはない設定が山盛りですわよ?】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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