第86話 ルドベキア鉱山5
メタルムを倒した後、再度ダンジョンに入った私達ですが・・・
「シーラ!私が前に出るから隙を見て攻撃するんですのよ!?」
「うふふ・・・お任せあれ・・・です・・・」
「っふ・・・ウチとマルシアのタッグは簡単には抑えれませんでお姉様!」
「お覚悟を!」
現在はダンジョンから外にでて、私と3人娘は2チームに分かれて戦っていました。
因みにノワールとイリアスは・・・
「ですからイリアス様、魔法というのはウンヌンカンヌン・・・・・」
「あばばば・・・チンプンカンプン・・・・・・」
ノワールが先生となり、イリアスに魔法の指導をしていました。
何故私達がダンジョンを出てこんな事をしているのか、それは・・・
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時を少し巻き戻し、再度ダンジョン内に入った私達が祭壇のある部屋に到着した所から話を始めるのですが・・・祭壇のある部屋に入った私は、部屋に入った瞬間キョロキョロとしていました。
(ゲームでは一度外に出ると、再び祭壇に魔石を置かなくてはなりませんでしたが・・・どうやら違うようですわね)
「ん?どないしたんですかお姉様?」
「いえ、何でもないですわ」
それは少しゲームと展開が違うからでしたが、まぁそんな事もあるだろうと気にしないことにして、先へと進みました。
そして祭壇に出来た通路を進み、魔法陣がある部屋へと着いた私達はそのまま魔法陣へと足を踏み入れたのですが・・・
「ちょっと!なんで転移しないんですの!?」
「もっと強く踏みつけなくてはいけないのではないですか?」
「ちゃうやろ、多分こう・・・ジャンプして飛び込むんや」
「うふふ・・・魔法陣ですから魔力を流すんでしょう・・・駄目ですね・・・」
「うぅ~・・・ちちんぷいぷい!開けゴマ!エロイムエッサイム!」
「ふむ・・・」
魔法陣はウンともスンとも言わず、転移は出来ませんでした。
ゲームでは何回でも挑戦出来たしクールタイム等も無かったので、この世界でもそうだと思っていたのですが・・・違うのでしょうか?
「あー!もー!何でですの!?」
「お嬢様・・・」
予定が狂った事に憤慨して魔法陣の上で唸っていると、ノワールが魔法陣の一角を触りながら手招きをしていたので何だろうと思い近づくと、ノワールは魔法陣のある1点を指さしていました。
「こちらをご覧ください」
「こちらってただの魔法陣でしょう!?説明でも書いてあるわけでもないでしょうに・・・あら、これは・・・ふむ・・・」
ノワールが指さしている地点を見ると、魔法陣の一部が微かに発光していました。
それを見てよくよく思い出してみると、最初転移した時も魔法陣は微かに光を放っていました。
それらを踏まえて考えてみると、恐らくゲームとは仕様が完全に違い、魔法陣にはエネルギー的なモノをチャージする時間が必要という事なのでしょう。
「はい。恐らくお嬢様の考えている通りでございます」
「んー・・・なら仕方がないですわね・・・皆様!」
なのでここでいつまでも粘っていてもどうしようもないと考え、私は未だに魔法陣の上で踊ったり歌ったりしている皆に声をかけました。
「一旦撤収ですわ!時間を空けてまた来ますわよ!」
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とまぁそういう事があり、外に出た私達なのですが、空いた時間をどうするか?となった末が『鍛錬でもしよう!』という事になり・・・
結果、2チームに分かれて対戦や魔法の講義をしていた、という訳です。
「ふぅ・・・そろそろやめにしましょうか?日が陰ってきたので夕食の準備をしますわよ。後・・・ノワール、食材等を出して魔法陣を確認して来て下さる?その間に私達の方で料理を進めておきますわ」
「畏まりました」
「マルシア、サマンサ、一応バフだけかけて上げて頂戴」
「はい。『火の付加』」
「はいな。『雷の付加』」
「では行ってまいります」
鍛錬を初めて時間も経ち、そろそろ次の行動もせねばと指示を出します。
魔法陣のクールタイムが終わっていたらどうしようかなーと考えつつ、ノワール以外の皆と料理を進めているとノワールが返ってきました。
「ご苦労様ですわノワール。大丈夫ですの?」
「はいお嬢様、問題はございませんでした。しかし魔法陣は駄目でございました。光り方から察するに、恐らくですがチャージ時間は1日程かと思われます」
「そうですのね・・・解りましたわ」
「はい。では私もお料理に参加させていただきます」
「ええ」
変に8時間で使用可能になるとかでなくて良かったのですが、24時間チャージという事はメタルムに挑戦できるのは1日1回という事になります。
これは当初の予定からすると大分良くない結果です。
(でも仕方ないですわよね・・・出来ないものは出来ないのですから。まぁ強力なアイテムがゲットできるから良しとするしかないですわね)
ふぅ・・・とため息を吐きながら、そう言えばと私は目の横でピースを作ってノワールを見てみます。
状態:普通
強さ:普通
使用可能:黒
好感度:超やば~い
(・・・相変わらず微妙に使えないですわね)
一応見えるステータス的な何かをチェックしてみますが、色々曖昧過ぎて見る意味があまりありませんでした。
(せめてレベルだけでも見えてほしいですわ・・・)
そう思い他の面々も見ていくものの、見えた情報はノワールと大差がないモノばかりでした。
なのでステータス的な何かは気にしないことにして、残りの時間で行う鍛錬の予定を考える事にします。
(劇的に強さは変わらないけれど、積み重ねた努力は無駄にはなりませんものね)
そんな事を考えていると・・・
「お嬢様、お料理中によそ事を考えていると危のうございますよ?」
「あら・・・ごめんあそばせ。そうですわね、今はお料理に集中ですわね」
ノワールからおしかりを受けてしまったので、鍛錬の予定等も頭の隅に追いやり料理に集中することにしました。
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そうして1日1回ダンジョンに入り、残りの時間はダンジョン外で鍛錬と1週間程過ごし・・・
「さぁ、かえって残りの時間はゆっくり過ごしますわよ!」
「「「はーい」」」
私達はルドベキア鉱山ダンジョンを後にしました。
マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。
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マシェリーの一口メモ
【一応用語解説をしますと、『クールタイム』=冷却期間やチャージ時間という意味ですわ。後、『バフ』=支援魔法や付加魔法といった能力を高める様な魔法を指しますわ。】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】