表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/255

第83話 ルドベキア鉱山2

 さほど大きなダンジョンではなかったのでダンジョンの奥まで到達できた私達は、一旦今日の探索はここまでとしてダンジョンの外へと出る事にしました。


「あら・・・だけどもう日が沈んでしまったようですわね。ノワール、明かりの魔道具を出してくださる?後、街で買ったジャンクフードを適当にテーブルへ出していってほしいですわ」


「畏まりました」


 外へと出ると既に日が沈んでいたので夕食と取る事にしますが、入る前に決めていた様に夕食はジャンクフードを食べる事にします。

 各自好きな者をチョイスし、それをモグモグと食べていたのですが、その時にマルシアが話しかけてきました。


「それでお姉様・・・やはり特に何もありませんでしたけど、何かあるんですかこのダンジョン?昔から何かあるとは聞いたことがありませんが・・・」


 話題はやはりこのダンジョンの事でしたが、地元のマルシアはこのダンジョンの事は知っていたので気になるのは当然でしょう。

 まぁ先程ダンジョンの奥まで確認した結果、ゲームの時と構造も同じだったので問題はない筈です。


「ある筈ですわ。それは明日確認ですわね」


「解りました」


 なのでそれを伝えると、あっさりとした答えが返ってきました。これは恐らくマルシアが私を信じてくれているからでしょう。

 私は嬉しくなったので、マルシアにサービスをする事を決めました。


 なので夕食が終わった後に私はマルシアへ声をかけます。


「マルシア」


「なんですかお姉様?」


「体、拭いてあげますわ」


「え?」


「いいからいいから、サービスですわ」


「は・・・はぁ?」


「ほら、はやくテントへ行きましょう?」


「解りました」


 私はこの後、マルシアの体を丹念に拭いてあげました。・・・ええ、それはもう丹念に。


 ・

 ・

 ・


「ん・・・んー?あ、朝ですのね・・・ふぅぁ・・・。んー、新しく買ったこの野営用のマット、中々ですわね。もうちょっと大きいサイズが無いか探してみようかしら?」


 翌朝、新しく買ったスライムを素材にしたマットを触りながら呟きます。

 このマット、素材が素材だからか柔らかく体があまり痛くなりませんでした。野営用としては中々の性能といえるでしょう。

 唯、ちょっと小さいものを買ったので少し狭かったんですよね。


「ん・・・朝ですか?」


「ええ、おはようマルシア」


「は・・・ぃ・・・ふぁぁ・・・おはようございますお姉様」


 まぁ、狭いのにも良い点はありますが・・・と心の中で思いながら、隣にいたマルシアの頭を撫でて上げます。

 え?一緒に寝ていましたが何か?


「・・・?誰かと話しているんですか?」


「いいえ?さぁ、起きて準備いたしますわよ」


「はい」


 ・

 ・

 ・


 とまぁアレな一幕がありましたが・・・


「さぁ、今日からが本番!になるはずですわ。気を引き締めて行きますわよ?」


「「「はい」」」


 ダンジョンへ入る準備を終えた私達は入り口前で最後の点検をしていました。

 そしてそれも問題が無かったので中へ入る事にしますが、その前に私は昨夜書いておいた簡易な地図をイリアスとサマンサに見せます。


「イリアス、サマンサ、この部屋を目指してもらえますかしら?」


「はい!」


「はいなー」


 先頭の2人へと行先を告げ、そこまで昨日と同じようにモンスターを倒しながら進みます。

 そうしてドロップアイテムを拾いつつ指定した部屋へたどり着くと、その部屋にもモンスターが居たので先ずはそいつらを片付けます。


「ラストですわっ!はぁっ!・・・ふぅ。それではドロップアイテムを拾ったら、各自装備や怪我の確認をしてくださる?」


 敵を一掃した後に問題がないかどうかを確認させ、問題が無かった事が解ったらいよいよ・・・隠しダンジョンと呼ばれる所以の場所へと入る準備です。


「それでは・・・」


「一体ここに何が?確かにここには他にはない祭壇みたいなものがありますが、調べたところ何もないと言われていますよ?」


「それは調べ方が足りないんですのよ」


「え?」


「オーッホッホッホ!細工は流々仕上げを御覧じろってやつですわ!」


 私はマルシアが言った部屋の隅にあるその祭壇みたいな・・・というか祭壇ですね。そこに石ゴーレムの魔石を4つ、土ゴーレムの魔石を2つ置きます。

 そしてそこへ二礼二拍手一礼を行います。


 すると・・・


『ゴ・・・ゴゴ・・・ゴゴゴ・・・』


「「「!?」」」


 祭壇が動きそこに通路が出来上がりました。


「オーッホッホッホ!どうですの?驚いて?」


『『『コクコク』』』


「オーッホッホッホ!」


 祭壇が動く様子にあっけを取られた皆の様子に、なんだかサプライズが成功した気分になった私は楽しくなって笑ってしまいました。

 私はそのまま笑いながら通路へ向かい、皆を手招きして呼び寄せます。

 そうしてそのまま全員で通路の奥へと進んで行くと、小さめの部屋へと辿り着きました。


「うん・・・コレですわね」


「魔法陣・・・ですか?」


「ええ、転移の魔法陣ですわね。まぁ真のルドベキア鉱山への入口って所ですわね」


「真の?」


「ええ、今まで見て来たのは言うなれば門から玄関までですわ。この魔法陣をくぐったらやっと屋敷内って感じですわね」


「「「へぇ~・・・成程」」」


「へぇ~・・・って!私へぇ~って共感しづらいんですけど!大体の平民の家は門とかないんですけど!!」


「「「へぇ~!!」」」


「そこで、へぇ~って言われても・・・」


 ちょっと貴族と平民のギャップによるコントみたいなものがありましたが、まぁ概ね私の言った通りです。


 ここからが隠しダンジョン『ルドベキア鉱山』本番です。



 マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「まだまだ続くRPGパート回?」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですわ。

 イイネ☆ブックマークがもらえると コント回になりますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【細工は流々仕上げを御覧じろ とは、物事には個々のやり方・方法があるので、途中で口を出さずに出来上がりを見てから批評してほしい。って意味の諺ですわね。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ