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第81話 ジャンクの香りがする街

 トリム家が治める街『トロキア』は鉱山近くの街。その為鉱石を扱う鍛冶屋や宝飾品の店が多くあり、マルドール家の領地『ドドール』程ではないですが賑やかな街でした。


「姐さん、あちらの道を進んでください」


 そして私達はそのトリム家の令嬢であるマルシア、彼女の案内で食事屋へと向かっていました。

 到着するまで少し時間がありそうだったので、どんな所へ行くのか尋ねてみる事にしました。


「マルシア、どんなお店へ向かってますの?」


「この町の人がよく行くような大衆店です。お姉様がリクエストした感じのモノを出していて、味も結構いいのでお勧めの店です」


「成程・・・マルシアが美味しいと言うんですから期待が高まりますわね」


「はい。期待していてください」


 尋ねてみると行先は私が言った様にジャンクな料理を出す店を選んでくれたみたいです。

 私は期待に胸を膨らませ、密かにお腹を擦っていると・・・


「マルシア様、ここでよろしいでしょうか?」


「はい、ここです」


 どうやら着いた様です。

 私達は店の前で馬車を降り、馬車を馬車置き場に停めて来たノワールを待ってから店の中へ入ります。

 すると私を出迎えたのは、朝なのに賑わっている店内と前世で嗅いだような匂いでした。


(何か解らないけど濃い匂いと、それに油っぽい匂いも・・・まさにジャンクフードっぽい匂いですわ!)


 これは期待できそうだと店員に案内されて席に着き、メニュー表を見ると・・・


「中々美味しそうな料理名が並んでますわね」


 そこにはジャンクフードっぽい料理名が色々書いてあり、マルシアに詳しく聞いて見ると、具を入れてパンを油で揚げた『○○揚げパン』、肉や魚を油で揚げてパンに具材とソースを挟んだ『○○サンド』、シンプルに野菜や肉を上げた『フライド○○』等々、主に油づくしの料理となっていました。


「ジャンクですわぁ・・・」


「鉱山で働く人は力を使いますから、主にハイカロリーな物を好むんです」


「成程、それを聞いて納得ですわね」


「因みにデザートは普通のパフェやパンケーキ等です。ですがこれらもハイカロリーなので人気ですね」


「マルシア、カロリーの事は言わなくていいですわ。あんまりハイカロリーハイカロリー聞くと食べる気が・・・」


「「「うんうん・・・」」」


「失礼しました」


 ジャンクフードを食べる時はカロリーなど見ない。これは鉄則です、はい。

 という訳で、私達はカロリーの事は頭の隅に追いやり美味しそうだと思った商品を選んでいきます。

 因みに私が選んだのは、肉や野菜を甘辛いタレで味付けされた具が入っている『特性肉野菜揚げパン』とプリンやアイスに生クリームなどが盛られている『特盛チョコレートパフェ』、飲み物は果物のミックスフレッシュジュースを頼みました。

 マルシア達もそれぞれ商品を選んで注文し、雑談しながら待っていると商品が届きます。


「お待たせいたしました。こちら・・・・・・・」


 店員が何往復かした後、テーブルに注文した商品が揃ったところで食事前の挨拶をして食べ始めます。


「はむっ・・・はむはむ・・・うん、美味しいですわ!」


 特性肉野菜揚げパンはとてもジャンキーな味でしたがとても美味しく、朝でなければ2個いけたかもしれません。

 周りの皆も頼んだ商品が美味しかったのか、笑顔になりながら食べていました。


 そうしてあっという間に頼んだものを平らげ、私達は食事処を後にします。


「ん~!美味しかったですわ!」


「お姉様の口にあったみたいで良かったです」


「ふふ・・・でもちょっと私には重いです・・・はふ・・・」


 食べた物の感想を言いあいながら馬車に乗り込むと、次に私達は商店が並ぶ区画へ移動して足りない物資を補給する事にします。

 主に物資を管理しているノワールに不足している物を聞いて適当に買い足している途中、私はふとジャンクフードを売っている屋台を見かけてしまい・・・


 はい、ついつい買っちゃいました。


 偶には野営中の食事がジャンクフードでもいいじゃないかと誰ともなく言い訳をし、数食分のジャンクフードを買いノワールへと渡します。

 そうして色々な物を買ったところで、私達はいよいよダンジョンへと向かうために街の外へと馬車を進めました。


 ・

 ・

 ・


「そいやお姉様、これから行くダンジョンはどんなところなんです?マルシアは知っとるか?」


「詳しくはありませんが、サラッとした情報なら知ってますね」


 ダンジョンへと向かう道中で、雑談の途中にこれから行くダンジョンの話が出てきました。

 地元のマルシアは入った事はないものの、軽い情報だけは知っているみたいでしたが・・・あのダンジョンの事、この世界の人はどのくらい知っているのでしょうか?

 私は少し気になったので話してもらう事にしました。


「ではマルシア、その情報を話してくださる?」


「はいお姉様」


 私に言われマルシアがダンジョンに着いて語りますが・・・成程、この世界の人はそのように認識しているんですね。


「成程、解りましたわ」


「はい。・・・因みにお姉様はもっと詳しい事をしっているんですか?」


「ええ、知っていますわ」



 ええ、知っていますとも。



 《《隠しダンジョン》》『ルドベキア鉱山』の事はね。



 マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「ジャンクフードって最高だよね」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですわ。

 イイネ☆ブックマークがもらえると ハンバーガーにポテトをつけて差し上げますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【この世界の水準は色々おかしいので、ピザやハンバーガー等も存在するとかしないとか。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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