第80話 楽しい海は終わり・・・次は・・・
リゾート地マルタから港町ミンミへと向かう馬車の中で、私はFXで全てを溶かした様な顔をしていました。
それと言うのも・・・
(結局何もないではありませんの・・・私の楽しめた筈の時間がぁ・・・)
ヤレヤレバカンスは終了ですわね!(キリッ とか言って、調べものの為にバカンスの時間を削った挙句、結局は何もなく唯々楽しめた時間を浪費しただけだったからです。
(何でですのイリス!貴女はあの名探偵張りの事件メーカーでしょう!?何で事件の1つも起こさないんですの!?)
予想と違っていた為についつい理不尽な事を考えてしまいましたが、頭を振って馬鹿な思考を追い出すと漸く『事件が無いのに越したことはない、だからよかった』と、まともな思考をする事ができました。
(そう。そうですわ。何もないのならそれでいいのですわ。私ったら何を馬鹿な事を考えていたのかしら・・・)
ゲームでは毎回何かが起こっていましたがあくまでそれは演出、ゲームを盛り上げるために開発陣が作ったモノでした。
つまり現実になったこの世界では、毎回事件が起こるわけではないのです。・・・と言っても、基本的にはあのゲームのままの出来事が起こるので、一抹の不安はあるのですが・・・
(でも本来なら一年目は海に行く事は無かったんですもの。なら何もなくても不思議ではないですわよね?・・・そうですわよね?)
不安を押し殺す様に自分に言い聞かせていると私の表情が物凄く動いていることを不思議に思ったのか、馬車に乗った面々がざわざわしていました。
なのでコレはいけないと思い取りあえず海の事件のアレコレは忘れる事にして、これからの事を話す事にしました。
「えっと、これからこのまま私の家へ向かう事になってましたけど、貴女達一回家に帰ったりしなくても大丈夫ですの?」
「ウチはええかな。着替えとかは姐さんがもってくれとるし」
「私も同じくです」
「ふふ・・・同じく・・・」
「私もです。というか、両親に夏季休暇中はあんまり帰らないって言ったら『帰ってこられても騒々しいからそうしてくれると助かる』なんて言って笑われました!」
「イリアス・・・あまり両親に迷惑をかけてはだめですわよ?」
「はい・・・」
「ではこのまま私の実家へ行ってそこで一泊。翌日にマルシアのトリム家の領地でもあるう『トロキア』へとゲートで移動して、そこから1週間程山にあるダンジョンに籠って残りの3日程はゆっくりする。当初の計画とは少し違いますが、これでいいですわよね?」
「「「問題なし!」」」
予め建てた計画ではシーラのキーピス家の領地『ピスキス』にもいく予定でしたが、ジェレミアンの一件で少し日程がずれたのでそれは無しになりました。
「キーピス家の領地は来年か、若しくは春季にでも行きましょうか」
ピスキスにある花畑や薬草園は美しく、以前見たことはあるのですが再び見たかったのでそう提案すると、これも全員から賛成を頂き、更には一般公開していないような場所にも案内してあげるとシーラが言ってくれました。
この後ピスキスの事を話したりしている内にいつの間にかドドールも通り過ぎ、オーウェルス家の屋敷まで戻ってきていました。
何時の間に!と全員で顔を見合わせて笑い、馬車を降りて屋敷へと入ると使用人が私に挨拶をした後、話しかけてきました。
「お帰りなさいませマシェリーお嬢様とご友人様方。大浴場の方が準備出来てございますので、先ずは旅の疲れをお流しください。食事やお茶の準備もしてございますので、お風呂から上がりましたらお申しつけを」
「ええ、わかりましたわ。そういう事で貴女達、先ずはお風呂へ行きますわよ」
「「「はーい」」」
流石気が利くオーウェルス家の使用人、どうやって知ったのか解りませんが、私達の帰りに合わせてお風呂や食事等の準備もしてくれていたみたいです。
しかもなんと、全員が一度に入れる様に普段は使わない大浴場の方を準備してくれたみたいで・・・グッジョブとしか言いようがありませんでした。これは1万マシェリーポイント進呈です。
この後私はお風呂に入っている最中にのぼせたのか鼻血を出してしまいましたが・・・とても幸せでした。
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「すぅすぅ・・・ふふふ・・・んぁ?・・・夢ですの・・・」
翌朝、とてもいい夢を見ていた私でしたが目が覚めてしまいました。・・・ピチピチ美少女天国が・・・。
まぁそれはともかく、目覚めたので朝の支度をし始めます。
何時もの如くすぐ傍にいたノワールの手を借り支度を終わらせると、マルシア達が起きているか確認する為に使いをやります。
すると準備も出来ているとの事だったので外へ集合と言づけを頼み、私は一旦食堂へと向かいます。
「おや、おはようマシェリー」
「おはようマシェリー」
「おはようございますわお父様、お母様」
食堂へと入ると両親が居たので挨拶をして、もう出るとだけ断りを入れます。
そうすると、食事位していったらいいのにと言われましたが、私は外でジャンクな食事をとりたかったのでお断りしました。・・・実家の料理は高級フランス料理っぽくて美味しいんですが、そういうのは偶にでいいんですよね。
そうして挨拶を済ませると私も外へと向かい、既に待っていた馬車へと乗り込みました。
「お待たせいたしましたわ。さぁ、トリム家の領地『トロキア』へまいりましょう?マルシア、案内頼みましたわよ?」
「はい、お任せくださいお姉様」
「まずは、美味しい食事屋ですわ。ジャンクっぽければ尚良しですわよ?」
「そういうと思い、既にリサーチ済みです」
「んん~!さっすがですわマルシア!」
中にいたマルシア達に話しかけて、いざ出発です。
私達はトロキアへと行くためにゲートへと向かいました。
マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。
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マシェリーの一口メモ
【ピチピチ美少女天国は存在しましたわ。控えめに言っても最高でしたわ】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】