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第79話 不穏な気配?

 昼までビーチでだらだらしていた私達ですが、薬を塗っていたおかげか体の痛みは大分マシになり、昼からは商店の方を巡ろうという事になりました。

 なので一旦別荘へと戻り、軽く汗を流した後に着替えをして集合という事になりました。


「んー・・・うん、大分ましになりましたわね」


 汗を流している最中に体のコンディションを確認すると大分楽になっていたので、改めてこの世界の薬へと称賛を送ります。

 うんうんと1人頷いていると、何故か私の体を洗っていたノワールも頷いていましたが・・・何なんでしょう?

 まぁそれはともかく、皆様を待たせるといけないのでノワールを急かしてお風呂から上がり、魔法も使って時間を短縮して身だしなみを整えます。


「お嬢様、日差しが強いのでこちらを」


「ええ」


 部屋を出る前にノワールから帽子を渡されたので、それを被ったらリビングへと向かいます。


「あら、お待たせいたしましたわ」


「全然待ってへんよお姉様。あ、帽子かわいいですやん」


「ありがとうございますわ」


 どうやら私が一番遅かったみたいで、すでに全員リビングに揃っていました。


「そういやお姉様、昼食も外で食べるん?」


「ええ、そういたしましょう?」


 昼食は折角なので外で食べようと言うと、全員から『賛成』と同意が得られました。しかもサマンサが「こういう場所ならではの料理屋がいっぱいなんで、期待しててや!」と言って来たので自ずと全員のテンションが上がり・・・私達はキャッキャとはしゃぎながら別荘を後にしました。


 ・

 ・

 ・


『何食べるー?』等とテンション高く喋りながら歩き、まさに商店街へ足を踏み入れようかというその時・・・


「「「あ」」」


「「「あ」」」


 何故かイリスとグウェル殿下達に出会いました。

 

 双方ともあまりに予想外だったのか数分間お見合い状態のまま固まっていたのですが、商店の方が鳴らしたのか『ガランガラン』というベルの音で双方の時が動き出します。

 そして黙っていてもあれなので、こちらから声をかけてみる事にしました。


「ぐ・・・偶然ですわね?」


「あ・・・あぁ、そうだな」


「何時からこちらへ?」


「3日前からだな。そちらは?」


「私達は2日前からですわね」


 最初はぎこちなかったのですが直ぐにいつも通りの調子に戻り、そのまま会話をつづけていたのですが、ふとある一点から強い視線を感じたのでそちらへと目を向けると・・・


『ガルルルル・・・』


 イリスが唸りながら私を見ていました。


(まだ激おこぷんぷん丸ですのね・・・)


 イリスは未だ合宿の時の事を根に持っているのでしょう、凄く怒っていました。・・・まぁ当然だとは思いますが。

 しかし諸々の関係で謝る事はせず、そのまま気づかないふりをしてグウェル殿下と会話を続けます。


「それでは殿下、ごきげんよう。良いバカンスを」


「ああ、そちらもな」


 そしてある程度喋ったところで会話を切り上げ、グウェル殿下達は商店街を入って直ぐのレストランへ行くとの事なのでそれを見送り、私達はサマンサの勧めもあったので商店街の奥の店へと行く事にしました。


 ・

 ・

 ・


 最初に思いがけないイベントがあったものの、その後はグウェル殿下達の事も忘れて楽しんだ私達は休憩の為に喫茶店へと入っていました。

 そこでお喋りを楽しんでいたわけですが、私以外の方が喋って私が聞き手に回った時に、ふとこんな考えが頭をよぎりました。


『あれ・・・?そう言えば一年目の夏に海イベントなんてあったかしら・・・?』と・・・


 ロマンスは乙女ゲーですので海イベント自体はあり、確か半裸の攻略対象達とキラキライケメンバカンスができて半裸スチルもゲットできるという、正直前世ではスキップしていたイベントがあった筈です。


 ですがそれは、確か早くても2年目からだった筈でした。


 まぁ現実ですので、ゲームとの多少の齟齬は確かに出るとは思います。

 しかしです、海イベントに関してはあまり起こってほしくはありませんでした。


 なぜなら・・・


(RPGゲームも混じっているからか、どこぞの探偵漫画の様に毎回事件が起こるんですもの・・・)


 別にキラキライケメンバカンスウェーイだけでいいのですが(別に良くはない)、何故かロマンスの開発陣は海イベントに毎回事件を突っ込んでくるのです。

 昔『静かにバカンスだけさせてやれよ・・・』と思った事もあったのですが、まさに今はそんな感じで、『静かにバカンスを過ごさせて!』でした。


(それか、起こってもいいから私達はノータッチで!ですわね。まぁ海イベントの場合で悪役令嬢(わたくし)が登場するのは極少数回ですので、多分大丈夫だとは思うのですが・・・)


 そんな風に『何も起こらないで~!』と祈ってはいたのですが・・・



『ねぇ、知ってますか?最近不漁なんですって?』『あー、だからあの料理がないんだ』『聞いたか?魚人族が・・・』『え・・・?まじ?』『そう言えば沖の方で・・・』『いあ・いあ・ふんぐるい』『そう言えば港町へとつながる道で・・・』



 等々、喫茶店にいる方達の不穏な会話が聞こえて来てしまいました。


(はぁ・・・後でイリス達の行動をチェックですわね・・・)



 私はため息を吐き、楽しいバカンスの終了を覚悟しました。



 マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「真実はいつも1つ」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですわ。

 イイネ☆ブックマークがもらえると 頭脳は煩悩塗れ、体はナイスバディの探偵お嬢様が登場しますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【キラキライケメンパラダイスは存在しますわ。タブン】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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