第75話 水着回っ!!!まで@1話
「ドドールの食事はどれも美味しかったですね」
「うふふ・・・それに・・・色々なモノが売ってて楽しかったです・・・」
「それにホテルですよ!外見はピカピカでしたけど、泊まってみると落ち着けてサービスも行き届いたいいホテルでした!」
マルドール家の持つ大きな都市『ドドール』、ここで一日を楽しく過ごした私達は現在、ドドールとリゾート地の間にある港町へと向かう馬車に乗っていました。
話題は勿論、先日のドドールの事です。
「それに劇場や遊戯場等の娯楽施設も良かったですわね。流石は商いで力をつけたマルドール家といった所かしら?」
「おおきに!そんな褒めてもろて、ウチ嬉しいわ!」
サマンサの実家であるマルドール家は商いで力をつけたからか、そちらの方面に力を入れており、それが巡り巡ってドドールを人が集まる良い都市にしたようです。
そしてそれはマルドール家が所有する領地全体に言えるみたいで、次にいく港町も賑わいのある場所の様でした。
「もうちょいでつく港町の『ミンミ』もええところやで?食事で言うと、港やからか魚介系が特に美味いし、レジャー的には釣りがおもろいで?っていっても、そこら辺はリゾート地の別荘でも出来るで、港町ではリゾート地に向けて物そろえる方向でいった方がええと思うけどなぁ」
「「「へぇ~」」」
「成程ですわ。まぁ確かに港町で遊ぶなら、リゾート地で遊んだ方が良さそうですわね。ならミンミではサマンサの言う通り買い物だけ済ませるとしましょうか」
そんな風に港町の事を話していると、馬車の中に独特の匂いが漂ってきました。
恐らくこれは・・・
「あ、磯の香りや」
「という事は、もう海が近いんですのね」
御者をしているノワールへと尋ねてもそろそろ海近くだという事で、私達の心は否応なくワクワク感が強くなってきます。
そしていよいよ・・・見えてきました!
「「「おぉ~海ぃ~」」」
まだ遠くの方に見えるだけですが、確かにあれは海です。
そのまま馬車の中で海について話していると、ノワールから声が掛かります。
「お嬢様に皆様、ミンミが見えてまいりました」
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「あれだけ揃えれば十分ですの?」
「やと思います。まぁリゾート地『マルタ』とミンミは近いんで、足りへん物があったらちょちょいと買いにこればええと思いますわ」
「成程ですわ」
ミンミで釣り竿や遊び道具等を買いそろえた私達はサッサとミンミを出発しました。
ミンミでも楽しめそうなところは多数ありましたが、私達は早くリゾート地へと辿り着きたいのです!
そして口には出さないものの全員が『まだかな~まだかな~』とそわそわしていると、馬車が緩やかに止まり扉が開きノワールが声をかけてきます。
「到着でございますよ」
その声を聞くと皆が我先にと降りようとします。
その姿を見るととても貴族の令嬢とは思えませんが、今は全員海へのワクワク感が爆発しているので、野暮な事は言いっこなしです!・・・とはいえ、降りる時は全員ノワールからしっかりエスコートしてもらってちゃんと令嬢していましたが。
それはともかく、馬車から降り立った私達は海辺の砂浜へと歩いて行き・・・叫びました。
「「「う・・・海だぁ~~!!」」」
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その後、ノワールから言われて先ずはリゾート地『マルタ』にある別荘へと移動した私達ですが、ここで少しこのリゾート地について説明しておきましょう。
まず最初にこのマルタ、リゾート地として指定されている土地面積は広く、下手な街よりも大きく、また観光客向けの店も多くあるので賑わっています。
そして海はとても綺麗で透明度も抜群、モンスターも居ません。
普通の海ですとモンスターはでるのですが、このマルタの海で狂暴なモンスターが出る事はまずなく、いるとしても魚みたいなモンスターとなっています。
それは何故か、実はマルタ近郊の海には魚人族なる方達が居り、マルドール家と契約して海の治安を守っているからです。
この魚人族の方達はロマンスのストーリーにも出て来るのですが・・・まぁそれは今はいいでしょう。
そして最後に私達の泊まる場所ですが、マルドール家が設定してあるプライベートな区画、そこにある一等大きく綺麗で目の前にビーチもある場所となっています。
そんなとても豪華な別荘へと入った私達は、散歩へ出かける事にしました。
「本当にいい場所ですわね」
私は白い砂浜を歩きながら青い海を見ながら呟きます。
「まぁ家もかなり力を入れて整備しとりますしね。けどお姉様、今日は海に入らんでもええんですか?」
「もう昼も回っておやつ時ですもの、明日からでいいですわ」
「なら散歩をした後はお茶でも飲みながらのんびりでもしますか?」
「うふふ・・・私的には賛成です・・・私体力はあまり無いので・・・ふふ・・・」
「わ・・・私はビーチでゆったりしながら冷たいものでも食べたいかなぁーって・・・せっかくなのでお嬢様気分を味わってみたいです・・・」
私はサマンサに海は明日と言いましたが・・・正直言うとすっごく行きたくはあります。ですが時間も時間なので我慢する事にして、明日存分に楽しむことにします。
なので今日はマルシアやシーラが言った様にのんびり・・・いや、ここはイリアスがやってみたいと言う『ビーチでお嬢様気分』でもするとしましょう。正直いつもやっている様な事と変わりませんが、ビーチですると気持ちいいでしょうからね。
「ビーチでゆったり・・・いいですわね」
「ですよね!」
他の皆もビーチでゆったりするのかなと聞こうとすると、サマンサが『ふっふっふ・・・』となぜか笑い始めました。
「お姉様、ウチはエステいってきます!」
「エステ・・・ですの?」
「はいな!」
この世界にもエステ(みたいなもの)があるのは知っていましたが、サマンサの年齢で行く必要があるのかしら?そう思っていると、サマンサが再び『ふっふっふ・・・』と笑い始めました。
「ふっふっふ・・・お姉様・・・明日のウチの水着姿、期待しといてください!」
「あー・・・それでエステですの?」
「はいな!バッチリ体磨いて、ウチの綺麗な姿お姉様に見てもらお思て!」
サマンサが変な笑いをしていた理由はどうやら、『美しく体を磨いて、私に綺麗だと褒めてもらう』、そんな事を想像していたようでした。
そしてそれに触発されたのか・・・
「・・・っ!?・・・私もエステに行く事にします!」
「・・・っ!?うふふ・・・私も・・・エステ・・・ピカピカ・・・褒めてもらう・・・ふふふ・・・」
マルシアとシーラもエステ行きを希望しました。
しかしイリアスとノワールはそれに乗らずビーチでのんびりを選んだようなので、私はビーチ組とエステ組へと別れる事にしました。
そしてついでなので、エステ組にパルフィ達使用人4人を連れて行くように言います。
「サマンサ、エステにパルフィ達4人を連れてってくださる?あの子達普段頑張ってるからご褒美を上げたいのですわ」
「はいな。ならウチらと同じく最上級コースを受けさせときますわ!」
「ええ、頼みますわ」
「じゃあ、ウチラはエステ行ってきます!・・・ウチの水着姿、楽しみにしといてくださいねお姉様?」
「「いってきま~す」」
「ええ、いってらっしゃい」
こうしてリゾート地一日目は二手に分かれてしまいましたが、それぞれ楽しんで過ごすことになりました。
そして翌日・・・いよいよ・・・水着回ですっ!
マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。
「面白い」「続きが読みたい」「水着回じゃないのっ!?これは無能。」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですわ。
イイネ☆ブックマークがもらえると 次回こそ水着回になりますわ。
マシェリーの一口メモ
【魚人族は所謂人魚ですわね。良くお話に出て来る上半身人間下半身魚もいればその逆バージョンもいたり、結構『オゥ・・・アメイジング』な種族ですわ。因みに、水の中でならバリ強種族ですわ。】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】




