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第73話 イベントリザルト

「それでお嬢様、コレはどういたしますか?」


「・・・縛っておいてくださる?」


「畏まりました」


 ノワールが指さしたコレことボロボロになったジェレミアン達、当初は撃退だけして後で国へ報告して任せようと思っていましたが、ここまでボコボコにして倒してしまったら捕まえておくとしましょう。


「さて・・・後はこの親子をどうするかですわね」


「うっ・・・うぅ・・・あれ?」


「ぐぅ・・・うぅ?・・・あれ、首付いてる?」


「あら・・・」


 気を失ったままの親子をどうしようかと思っていたら丁度目を覚ましたみたいなので、あった事の説明をしてしまう事にしました。後々ジェレミアン達を裁く時の証人にもなるでしょうから、丁度良かったです。


「おはようございますわ・・・ええっと・・・AさんにBさん?」


「お・・・おはよう?」


「Aさん・・・?」


「あー・・・えーっとですね、私達は・・・・・・」


 取りあえず挨拶をした後、事の経緯を話します。

 そして長々とした経緯を話し終えると、親子は深々と礼をしてきました。


「そういう事だったか・・・助かりましたお嬢さん。俺の名はジェフリー・ラ・ビー。ビー男爵家の当主です。そしてこっちが息子の・・・」


「ジョン・ラ・ビーです」


(B男爵・・・?・・・いえ、ビー男爵かしら?)


 聞いた家名が面白・・・いえ、随分変わった家名だったので衝撃を受けましたが、そういえばこちらも名乗っていなかったことに気付きました。


「ご丁寧にありがたく存じますわ。私は・・・」


「あのっ!」


「はい?」


「間違っていたら失礼ですが・・・マシェリー・フォン・オーウェルス様ですよね?」


 名乗ろうとした所、どうやら息子のジョンは私を知っているみたいでした。・・・まぁ彼も学園に通ってますし、私程目立つ人物を知らない筈はないですか。


「ええそうですわ。改めまして、私の名はマシェ「オーウェルス!?」


 向こうが言ってしまいましたが、改めて名乗ろうとすると父親の方が『ドッヒェー!?』みたいな顔をして叫びました。

 まぁ確かに目の前に公爵家の者が居たら吃驚しますよね。ですがビーさん・・・驚いてもそのまま黙っておくべきでしたね・・・見てください、家の筆頭チンピラちゃんがブチ切れてますよ?


「お前ら何お姉様の言葉遮っとんねん!あぁ!?一度は許したけど2度目はあらへんぞ!!そこになおれや!」


「「・・・!?」」


「誰が楽にせぃ言うた!正座や正座!罪人みたく正座せぇ!」


「「は・・・はいっ!」」


 サマンサの言葉にビー親子はビクッ!としたあと姿勢を正しましたが、その後正座をさせられていました。

 まぁ別にここまでしなくてもいいんですが、私の為に怒っているサマンサが可愛いのでヨシとしましょう。


「では改めまして、私の名はマシェリー・フォン・オーウェルスですわ。楽にしてよろしくてよ?」


「お前らお姉様の慈悲に感謝せェよ!?」


「「はいっ!」」


「落ち着きなさいサマンサ、ほら、イイコイイコ」


「ふぉぉぉ・・・」


 ですが何時までも正座をさせておくわけにもいかないので、サマンサを宥めて場を静めにかかります。


「ほ~ら、いいこいいこ~・・・」


「ふぉ・・・ふぉぉぉおおほおおお」


「「「ジーーー・・・」」」


 頭を撫でて上げると気持ちよさそうにしたので、頬や顎も撫でて上げると・・・『見せられないよ!?』という状態になってしまいました。

 更に他のメンバーからも『うらやま・・・私達もアイツラに喝入れたらやってもらえるかも』といった視線を感じたので撫で撫でタイムを終了させます。


「貴女達にも後でやってあげるから大人しくしているんですわよ?・・・っと、事情も話して挨拶もしたことですし、そろそろ街へ帰りませんこと?」


「はい!そうですねオーウェルス様!」


「うっす!俺馬車回してくるっす!」


 話す事も話したし、いつまでもここにいるのもどうかと思ったので全員に撤収準備をさせます。

 気絶しているジェレミアン達はどうするかとなったので、ビー親子が乗っていた馬車の荷台へと積み込むことになったのですが・・・


「荷台はパンパンなんっすよね・・・。これじゃあオーウェルス様達も乗せらんねぇっす」


「私達は鍛えておりますし歩きでもいいですわ。と言うかアナタ、何でそんな喋り方ですの?」


「え?なんとなくっす」


「そう・・・」


 サマンサが怖くてジョンは下っ端みたいな口調になったでしょうか?

 まぁどうでもいいので気にしないでおき、私は荷台に乗ったモノを見ます。


「そういえば・・・これなんですの?ただの石の様に見えますけど、捨てていけばよろしいんじゃなくて?」


「あーいや、そうもいかないんすよ。親父が言うには重要なモノらしくて・・・」


「ふーん・・・?」


 私は小さめの石を1つ取り見てみます。もしかしたら鉄鉱石などの鉱物なのでしょうか?

 裏返したり光を反射させてみたりとしていると、ジェフリーがやって来たので尋ねてみると、ジェフリーは私へこそっと耳打ちをします。


「オーウェルスのお嬢様、それはですね・・・ミスリルを保有している岩石です」


「・・・っ!?」


 私はジェフリーの言葉に叫びそうになりましたが何とか抑えて、ノワールへと目配せします。

 するとノワールが直ぐに察して魔法で音を遮断してくれたので、私はジェフリーへと話しかけます。


「今、魔法で音を遮断させましたわ。だから普通に喋っても漏れませんわよ」


「はい」


「で、ミスリルって本当ですの?」


「ええ、最近偶然にも俺の保有するこの山にてミスリルを魔法で探知しまして・・・。これらは採掘した第一陣になります」


「お・・・おぉ・・・」


 ジェフリー曰く、ここから精錬をしてミスリルを取り出し、保有量次第では本格的に掘り出して事業にするとの事でした。

 まさかゲームであった報酬のミスリルはここから出て来たんでしょうか・・・?

 私がそんな事を考えていると、ジェフリーが手をポンと叩き合わせました。


「そうだオーウェルスのお嬢様!よろしければここから精錬できたミスリルをプレゼントさせてもらえませんか?」


「え・・・?いいんですの!?」


「ええ。しかしと言ってはなんですが・・・お父上に少し繋ぎを取ってもらいたいのですが・・・」


 ジェフリーが言った言葉に一時は『リザルトとしてミスリルゲットですわね!』と思ったのですが、どうやらこの報酬には少し賄賂的なアレがあったみたいでした。

 確かにミスリルを取り扱う事業となれば他が口出ししてくる可能性も高いので、自分達を助けてくれた私へと助力を頼むのは間違っていないでしょう。


「まぁ・・・なるべく問題ないように口利きしますわ・・・」


「おぉ!ありがとうございます!」


「えぇ・・・」


 しかしです、私が自分を助けてくれた良い人だったからといって、オーウェルス家がいい人だとは限らないんですが・・・解っているのでしょうか?・・・まぁミスリルがもらえるらしいので頑張ってみますが、クエストクリアーしたんだから無条件で報酬くださいよ!


「はぁ・・・ではこの石は捨てるわけにはいきませんわね。ノワール!」


「畏まりました」


「街へとついたら渡しますわね男爵。・・・さぁ、これで荷台が空きますので問題解決ですわね。積み込み宜しくですわジョン」


「うっす!」


 最後にファンタジーの現実を見せられましたがジェフリーとの話が終わったので、ノワールに魔法を解除させて荷台の石を収納するように指示します。


 そして収納は直ぐ終わったのでジョンへとジェレミアン達を積み込む様に指示し、それが終わった所で私達は街へと向かいました。



 マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「山吹色ならぬミスリル色のお菓子!」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですわ。

 イイネ☆ブックマークがもらえると アナタも越後屋になれますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【この世界では正座は拷問刑の体勢によく似ていますので、普段する人はおりませんわ。因みにその拷問刑は『石抱』でググるとでてくる刑とほぼ同じですわ。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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