第70話 合宿は終わり・・・イベント準備
ゴトゴトと車輪が道の凹凸を伝えて来る馬車の中、私達はもう一台の馬車からとても強い視線を感じていました。
「お姉様・・・アレ何したんです?」
「オ・・・オーッホッホッホ!何とはなんですの!?何もしていませんわよ!?」
「いやいや・・・そんな高笑いキメられても騙されませんて・・・なぁ皆?」
「「「ウンウン」」」
「ぐっ・・・まぁ話せば長く・・・はなりませんが、仕方がないので話しますわ・・・そう・・・発端は昨晩の事・・・」
まぁ延々と話すと本当に長くなるので省略して話します。
昨晩夕食を終えてテントへと戻った私はイリスとお話をしていました。
まぁそれは他愛もない話で、楽しげな雰囲気の中されていたのですが・・・ふとしたきっかけで『婚約ごっこ』をしたわけです。
え?どんなふとしたきっかけがあったら『婚約ごっこ』なんてするんだ?ですって?それはまぁ・・・ひ・・・秘密としておきます、ええ。だって・・・秘密にしないとBAN(!?)ですもの。
とまぁ『婚約ごっこ』をしたわけですが、翌日でっち上げた『ペアリング』を外して前までの態度に戻すときに『アナタとの婚約は破棄させて頂きますわっ!』と婚約破棄風にしたのが彼女の怒りに触れたのでしょう・・・怒りがプッツンして超絶ボルテージマックスファイアー(?)しました。
まぁ気持ちは解ります。前日まで甘くとろけるような態度だったのに、急に180度態度を変えられたんですもの・・・正直そんな事されたら私もプッツンです。
じゃあ何故したかと言われると・・・ちょっと調子に乗ってイリスと仲良くなり過ぎたので、好感度を爆下げしなくてはならなかったからです!
私をこんなに夢中にさせるとは・・・イリスったら悪女ですっ!
と、最後にイリスに責任転嫁をしたわけですが・・・まぁこの様な事情なのです。
「解りまして?」
「「「解りましたけど・・・」」」
「けど?」
「「「最低ですね貴女!」」」
「はい、すいませんですわ。正直ちょっと調子に乗りすぎましたわ」
私を慕っている筈の全員から満場一致でブーイングをされ、ついでに隣の馬車からの『ユルサナイ・・・』といったイリスからの視線も受け、私のみ居心地が悪いまま馬車は王都へと進みました。
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特に問題も起こらず無事に王都へと辿り着いた私達冒険者サークルメンバーは、最後にもう一度シフロート先生の話を聞いた後解散となりました。
未だ日も暮れておらず時間が有ったので、私達何時ものメンバーはお茶でも飲むことにしました。
といっても冒険者装束のままだったので、それぞれが一旦自室へと戻り着替えをしてから集まる事にしたので、私もサッと湯あみをしてから着替えを行います。
「ふぅ・・・すっきりしましたわ・・・ってサマンサ、貴女早すぎですわ!?」
「まぁ家訓でもあるんで。『即断即決即行動』って」
バスルームから出ると何時ものテーブルには既にサマンサが座っていました。昔っからこの子行動が早かったのですけれど、家訓を聞いて納得です。
「まぁ他の方が来るまでゆっくりしてくださいまし。全員揃ったら明日からの話をしますわよ」
「はいな」
サマンサと軽く喋っていると他のメンバーも姿を見せ、そう時間が掛からない内に全員が集合となったので、取りあえず全員にお茶とお菓子を出します。
そうしてそれらが全員に行き渡った所で私は喋り始めます。
「皆様、合宿お疲れさまでしたわ。出来る事ならば今日はゆっくり休んで明日からは遊びたい所なのですが・・・ジェレミアン関係の準備があるので明日から動きますわ」
私がそう言うと、全員忘れていなかったみたいで頷きました。
「流石に今日はこの後動きませんが、明日買い物等を済ませて準備、明後日は現地に前乗りして準備、そして明々後日の8月8日・・・本番ですわ」
本番と聞いて緊張したのか、場の空気が少し硬くなります。しかし今からこれではいけないと思い、場の空気を和らげるために語り掛けます。
「大丈夫ですわ。正直失敗した所で実家パワーを使えばどうにかなりますの。ですので気楽にやってくれればいいのですわ」
相手も公爵家ですが、殿下の婚約者たる私が居るので何かあってもこちらが有利に事を運べるはずです。まぁ失敗しないのが一番ですが、失敗した所で決定的に不味い事にはならないでしょう。
「ま、この話はここまでにしますわ。つまらない話ばかりしてもあれですしね?」
「やね!じゃあその厄介事が終わった後の計画でも立てましょや!」
合宿も終わって疲れているところにいつまでもつまらない話ばかりしていても駄目だと思ったので話題を変えようとすると、サマンサが夏季休暇の楽しい計画について話し合おうと提案してきました。
少し前にもちょっと話してはいましたが、それは未だ仮計画なので話を詰めなければいけません。
なので満場一致で賛成となり、そこからは楽しい夏季休暇計画の話し合いが始まりました。
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そして翌日、計画の為の買い物を終わらせ、そのまた翌日にはゲートを使いジェレミアンが指定して来た地域へと飛び下準備、それが終わると・・・
いよいよ本番、ジェレミアン潰しの時間です。
マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。
「面白い」「続きが読みたい」「悪女はお前だ!」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですわ。
この物語は現在コンテストに参加しておりますの。なのでイイネ☆ブックマークがもらえると アナタも遊んで差し上げますわ。
マシェリーの一口メモ
【私とイリスの秘密のやり取りはR○○版で・・・やりませんわよ?】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】




