第65話 ドキドキ合宿編3
主人公と2日間仲良く(意味深)しようと決意した後、課されたミッションをこなそうと、私とイリスはフィールドダンジョン『王都周辺の森1』へと入場していました。
「ここって『王都周辺の草原1』と同じくらいの難易度なんだよね?」
「ええ、そうですわよ。まぁ草原の方が見通しが効くので若干ですが優しいって感じですわね。ですが資源的には此方の方が優れていますわね」
「へぇ~」
私は勿論ですが、イリスもサークル活動により経験を重ねているので余裕があり、雑談交じりにフィールド探索をしていました。
「あ、これ薬草ですわね」
「え?どれですか?」
しかし気を抜いてはいないので、課されたミッションの対象を逃す事もなく順調に採集を行い、2時間もすると目標を達成できました。
「こんな物かしら」
「ですね・・・それにしてもやっぱりマシェリーは凄いですね・・・」
「え・・・?」
薬草1束はおおよそ10株ですが念の為に23株程採集し、それを半分に分けて2束にしていると、イリスがぽつりと呟きました。
それは思わず出てしまった呟きらしく、イリスはハッとした後慌てながら首と手を振りました。
「あ・・・いや!あの!その・・・」
「どうしたんですの?何かあったら言ってごらんなさい?私達・・・親友じゃありませんの・・・」
決して親友ではありませんが、事前についていた嘘と私の神妙そうな顔にイリスは騙されたのか、ポツリポツリと喋り出しました。
「そうでしたね・・・いや、特に何という訳じゃないんです。ただ、何でもできて凄いなって・・・まるで・・・」
「まるで・・・?」
「あー・・・いえ、私は特に取得も無いから羨ましいなって。アハハ、それだけなんですが、なんか急に考えちゃって」
「イリス・・・」
妙に元気が無くショボンとしたイリスを私はつい抱きしめてしまいます。
(イリスも多感な年頃の少女ですもの、偶にはこんな気分になりますわよね。・・・というか、この状況に既視感が・・・あ・・・)
その時私の脳裏に最大級の雷が落ち、『やってしまったかも・・・』と冷や汗がタラりと出てしまいます。
それは感じた既視感の正体が、ロマンスのイベントの一幕だったからです。
(確か・・・攻略対象が私に虐められていたイリスを慰めて、『あの女よくもイリスを・・・ユルサナイ!』ってなるシーンですわ!)
何故か攻略対象ではなく虐めていた元凶の私が慰めているという意味不明な状況になっていますが、今の状況はあのシーンによく似ていました。
どうしよう・・・と考えていると、イリスが小さく何かを言っているのに気づきました。
「・・・ンッ・・・あぅ・・・」
「え・・・?あ・・・ごめんあそばせ・・・」
何だろうとイリスの方へと注意を向けたのですが、そこで私は自分がとんでもない事をしていたことに気付きました。
何と私・・・イリスの背中とお尻をナデナデしていました・・・。
(わ・・・わざとじゃないんですのよ!?無意識に・・・そう!無意識ですわ!私が悪いんじゃありませんのよ!)
と心の中で自己弁護をしつつ、更に心の片隅で『ナイスボディですわ、100点!』等と悪魔のマシェリーが楽しんでいましたが・・・いけません!私は淑女!真面目なシーンで弱った少女を弄ぶなんて言語道断です!
『ごめんなさいイリス』と謝り、体を離そうと腕に力を入れましたが・・・何故でしょう、腕がいう事を利きません。
(おかしいですわ・・・!体がいう事を利きませんの!・・・っは!これはきっとモンスターの精神攻撃!そうに違いありませんわ!)
「んんっ・・・マシェリー?」
「・・・」
「ぴえっ!?」
モンスターの精神攻撃のせいか段々私の呼吸まで苦しくなってきました。何て攻撃なんでしょう!?
未知の攻撃を仕掛けられて身動きが取れなってしまい、『誰か助けて』と考えているとさらに新手が現れたのか、後ろの方で物音がすると・・・漸く私の体が動きました。
「新手っ!イリス構えるんですわ!」
「あ・・・あふっ・・・ふぁい」
イリスへも声をかけて物音の方へと振り向き、いつ敵が飛びかかって来ても大丈夫なように構えていると・・・
「ん・・・?マシェリーにイリスか」
「やはりお嬢様でしたね。言った通りでございましょう殿下」
「グウェル殿下にノワール・・・?」
「私も居ますよマシェリー様!」
現れたのはモンスターではなく、グウェル殿下達でした。
戦闘態勢を解除して話しかけると、どうやらグウェル殿下達もミッションを終えた様で、せっかくならと一緒に帰る事にしましたが・・・ちょっとアレな雰囲気になったせいか、イリスは私の元を離れてグウェル殿下の方へと行ってしまい、キャンプ地へ着くまでは私と顔を合わせてくれませんでした。
しかしキャンプ地へと戻り班別に分かれると、気持ちの整理がついたのか再び顔を合わせてくれました。
「あわわ・・・え・・・えへへ・・・」
ですが若干挙動不審になっており、ミッションの報告をするのにシフロート先生の元へと行くと問いかけられました。
「無事依頼を終わらせたのは解ったのですが、何かあったのですかな?」
「いえ、なんでもありませんわ。しいて言えばちょっと友好が深まったと言う感じですわ。ね、イリス?」
「えっ!?」
シフロート先生は首を傾げていたのですが、私が仲良くなったと報告するとウィンクを決めてきました。
「おお、それは良い事ですな。この調子で合宿中にチームワークを深めるとなお一層良いですぞ?」
「ひぇっ!?ふ・・・《《深める》》ですか?」
シフロート先生は何気なく『仲良くなるといいね』という意味で言葉を発したのでしょうが、イリスは何を誤解したのか驚いていました。
「解りましたわシフロート先生。この調子で仲を《《深める》》といたしますわ。ええ、それはもうとっても《《仲良し》》になれる様に・・・ね」
「ぴぇっ!?」
ですがなんだか面白そうだったので、更に誤解させるように発言をしてみます。
するとやはり誤解したのか、面白い反応を見せてくれました。
(やっぱりイリスは可愛いですわね・・・本当に主人公じゃなければ手元に置いておきたい所ですわ・・・うーん、せめてこの2日間だけでも・・・)
手に入らないモノ程欲しくなるという現象に襲われましたが、この2日間ならその限りではないのではと私の中に再び悪魔が降臨し、誘惑してきます。
しかし負けるわけにはいきません、なんせ私は魔王に成る身、悪魔などちょちょいのちょいでねじ伏せるべきモノです。
・・・と、いつまでもこんな事を考えていてはいけませんね。
私は思考を切り替える為に、次は何をするのかと尋ねる事にしました。
「おほん・・・それでシフロート先生、次は何をするんですの?」
「後は夕食の用意ですかな。取りあえず夕食はマルシア班とグウェル班に任せますぞ」
次にすべきは夕食の準備らしく、どうやら2班ずつに分かれてローテーションしながら料理番を回していくとの事だったので、買ってきた食材を出して、全員に作る予定だった料理を伝えなければなりませんね。
「解りましたわ。では残りの班はどうしますの?」
「今のうちに身を清める、武器防具の整備等を行う・・・ですかな。そこら辺はこれまで活動もしてきているのでお任せいたしますぞ」
「解りましたわ。・・・では、報告も終わったので失礼いたしますわね」
「失礼します!」
「ええ、ご苦労様でした」
残りの班はどうするのかと聞くと各々の判断に任せると言われたので、私達は取りあえず割り当てられたテントへと戻って中へと入り、腰を下ろすと相談し始めます。
「さて・・・先ずは何をしましょうかイリス?」
「んー・・・そうですねぇ・・・先ずは使った道具の点検をするべきだと思います!」
「そうですわね、先ずはそうしましょうか」
取りあえずどうするかと尋ねてみると、ここ数か月で鍛えられたのか、道具の点検をしようと良い案を言ってきたので、それを採用します。
武器や防具、アイテム等は冒険者の生命線にもなるので入念に整備をし、満足がいった所で終わらせます。
「こっちは終わりましたわ。そちらはどうですの?」
「こっちも・・・はい、終わりました」
2人共終わりという事で次は何をするかと聞いて見ると、何故かイリスはもじもじし始めました。
「どうしたのイリス?何かありまして?」
「え・・・あ・・・いや・・・つ・・・次は身を清めた方がいいかなぁ~って思ったんですが、私いっつも男性と一緒だったので1人でやっていたんですけど・・・」
「ああ、そうですわね?」
初回を除き、今までイリスはグウェル殿下達と組んでいました。なので1人で身を清めていたと言うのは解りますが、一体どうしたのでしょうか?
「あの・・・女の子同士だと拭き合いとかするんでしょうか・・・?」
「・・・」
イリスが微かに頬を染め、そんな事を言ってきました。もじもじとしていたのは、もし『拭き合いをする』とか言われたら恥ずかしいからでしょうか。
(イリスったら・・・冒険者たるもの身を清めるのも迅速に、ですわよ?)
まだまだ分かってないですわねと心の中でクスリと笑い、私は言ってあげました。
「勿論ですわ(ニッコリ」
私は服を脱ぎつつ、イリスへと迫りました。
マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。
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この物語は現在コンテストに参加しておりますの。なのでイイネ☆ブックマークがもらえると ・・・ニッコリ
マシェリーの一口メモ
【誘われたのならば拭かねば無作法、というモノですわ。】
マシェリーより宣伝
【今更ながら作者の作品紹介ですの。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますわ。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】




