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第61話 夏季休暇前の一幕

マシェリーよりお詫び:校長→学園長 に修正 8/23

 サブストーリー『学園の裏支配者』を簡単に説明しますと・・・ある事件をきっかけに一連の流れを追っていくと学園にいるある1人の人物へと辿り着き、その人物の事を探っている内にさらなる事件が巻き起こり、最終的にその人物を捕らえるといったものです。

 物凄くざっくりとした説明ですが、要するに、学園内の凄く力を持つ悪者を倒すイベントですね。


「まぁつまり、昨日受け取ったこの手紙の差出人がその学園の裏支配者で、私はこの方を倒そうというわけですわ」


「「「成程」」」


 本日はサークル活動の話し合いと称して、私の部屋にて昨日受け取った手紙についての話をしていました。

 サブストーリーや原作云々はぼかしつつ話しましたが、どうやら全員が大体の所を理解してくれたみたいでした。


「んで今日はその為の話し合いっちゅうわけですかお姉様」


「ええ、流石に相手も相手ですもの、念を入れなければなりませんわ」


「因みに、話の感じからしてその学園の裏支配者っちゅうのはあれですよねお姉様、ちょっと前に会ったあの人」


「ええそうですわ。プライデン何某さんを使いに寄越して来たあの方、ジェレミアン・フォン・ナームアムルですわ」


「お姉様と同じ公爵家の人でしたね」


「うふふ・・・お姉様と違って超血統主義の人だったはずです・・・」


「私の事をかなーり嫌な目で見てきていました・・・」


「お嬢様の事はかなりいやらしい目で見ていた気がします・・・あのドグサレ坊ちゃんが・・・」


 何か色々言われていますが・・・学園の裏支配者ことナームアムル公爵家の3男ジェレミアン、この方は高位貴族にありがちな血統主義の方なのですが、その中でも過激派な方です。

 最高位の『フォン』は人間、それ以外は駒もしくは奴隷と考えるような方で、それゆえの行き過ぎた考えで事件を起こしている方でした。

 正直原作の私もそんな感じで、このサブストーリーにも少し絡んでくるのですが・・・まぁ今は今、天使系令嬢の私が誅して差し上げますわ。


「という事で、ドグサレ坊ちゃん破滅作戦会議を始めますわよ」


「「「おー!」」」


 ・

 ・

 ・


「・・・えー、そういうわけでありますから、充分気を付けて休暇を過ごす様に」


 ジェレミアンについての会議を行ったりしている内に日は進み、本日は1学期の終業式です。ジェレミアンはこの終業式の後に会おうと言ってきたので、長々とした学園長の話と、教室に戻ってからのシフロート先生の話が終わると、私達はジェレミアンに指定された場所へと移動しました。


「ここですわね」


 指定された部屋の扉を開けると、ジェレミアンの手下であるプライデン何某さん以下数名が部屋の準備をしていました。


「いらっしゃいませオーウェルス様。ささ、こちらの席へどうぞ。ジェレミアン様はもうすぐいらっしゃいますので」


「解りましたわ」


 席に促され腰を下ろし待っていると、何某さんの言う通り、直ぐにジェレミアンが部屋へと入ってきました。


「すまないねぇマシェリー嬢、おまたせぃ」


「ごきげんようジェレミアン様」


 力関係的には同列かややこちらが上なのですが、相手はプライドが高い面倒な男なので丁寧に接します。


「それでジェレミアン様、話というのはなんですの?」


「まぁ、まぁ、取りあえずお茶でも飲もうじゃないか」


「解りましたわ」


 私的にはパッと話を終わらせて別れたい所でしたが、相手はどうやらゆっくり私と話したい様でお茶を出してきました。

 ここで急かした所で聞かないでしょうから、取りあえずお茶を飲むことにします。


「このお茶はねぇ、俺が特別に取り寄せた・・・ウンヌンカンヌン・・・」


(うーん・・・微妙なお味・・・。物は良い筈なのに入れ方が下手ですわ)


 ジェレミアンが何か言っているのを話し半分に聞きつつお茶を飲んでいると、漸く本題がジェレミアンの口から出てきました。


「っと、そろそろ本題にはいるのだけれど・・・俺は自主的に学園の為に働いているんがそれを手伝ってもらいたくてねぇ」


「手伝いですの?」


「あぁ、まぁ簡単な事さぁ」


 ジェレミアンはその簡単な事の詳細を語りますが、やはり私の思っていた通りの事を話し始めました。

 余り聞きたくない様な内容でしたが我慢をして、すました顔でそれを聞き続けます。


「っという事なんだが、どうだろう?手伝ってくれるかなぁ?」


「ええ、解りましたわ」


「さぁっすがマシェリー嬢!高貴なる『フォン』のミドルネームを頂くだけはあって解っているねぇ!」


「勿論ですわ」


 ジェレミアンは私が話を受けると言うと喜び笑顔になりました。

 そして手下に合図をし、何かを持ってこさせます。


「俺は自主的にやっているとはいえ、他の者にまでそれを強いたりはしないのでねぇ。報酬は出す気だ。なのでここにサインを頂けるかなぁマシェリー嬢?あぁ、先に俺が書こうか」


 ジェレミアンはそんな事を言いつつ紙に自分のサインを書きますが、私は解っております。

 実はこの契約書はジェレミアンの保険で、裏切って情報が漏れないように書かせているのです。

 魔法契約書ですので強制力がとても強く、普通にサインをしてしまうと従わざるを得ないのですが・・・


「解りましたわ、ノワール」


「はいお嬢様」


 事前に知っていた私は普通ではない方法を使いサインします。

 普通ではない方法を何故知っているか?それは私の家が悪役貴族のオーウェルス家だからです。・・・まぁ色々と知っている訳ですよ。


 そんな事は知らないジェレミアンは私が契約書にサインした事にホッとしたのか、先程よりニコニコとしだし、挙句には厭らしい視線を向けてきました。


(可愛い私をそんな目で見るのは解らなくもないですが、貴方はノーサンキューですわ)


「さて、私ちょっと用事がありまして、ここで失礼させていただきますわ。ごきげんよう」


「いや・・・ちょっとマシェリー嬢、もう少し・・・」


「すみません、予定が詰まっておりますの」


 話が終わったのなら用はないので強引に終わらせる事にして、私は席を立ちます。

 ジェレミアンは何とか引き留めようとしますが、私はそれに取り合わず部屋から出て自室へと向かう事にしました。

 部屋を出ると私過激派の面々はジェレミアンに対してブツブツ言っていましたが、今日から楽しい夏季休暇、そんな事より楽しい事を考えるべきです。


「さぁさ皆様、早く私の部屋へ行って予定を立てますわよ。対ドグサレ坊ちゃんの話ばっかりしていたから、未だ夏季休暇の予定が決まっていませんでしたわよね?」


「「「あ!」」」


 私の声にその事を思い出したのか、全員が「あ」と声を上げていました。


 私達は顔を見合わせ笑い、部屋への道を急いで帰りました。



 マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「ドグサレ坊ちゃん・・・」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですわ。

 ☆がもらえると お腐り坊ちゃんがBとLでバーストエンドしますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【オーウェルス家は私がちょろっと手は入れたモノの悪役貴族、非合法もなんのそのですわ】


 マシェリーより宣伝

【今更ながら作者の作品紹介ですの。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますわ。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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