第56話 冒険者パーティー『虹色』
マシェリーよりお知らせ:この物語は現在コンテストに参加しておりますの。イイネ☆ブックマーク等で応援よろしくお願いいたしますわ。
『ではこちらでお待ちください』と通された部屋で待つこと3分ほど、部屋に担当の職員が入ってきました。
「お待たせいたしました『虹色』の皆さん。お噂は聞いていますよ」
「ええ、どうもですわ」
冒険者パーティ『虹色』・・・カラーズに攫われたあの事件のすぐ後に、私が自分の無力を悔しく思いダンジョン等に鍛錬しに行く用にと作ったパーティーです。
このパーティーは当初私とノワールのみでしたが、直ぐにマルシア達も加わり5人パーティとなり、事件後に私達は少し荒れていた為、原作知識も使い少し派手にやらかした結果、冒険者ギルドでは期待の新人パーティーという扱いを受けていました。
「で、今日はどのようなご用件で?」
「冒険者の紹介をしてほしいんですの。Bランク位で口の堅い者を希望しますわ。あ、出来れば女性の方で」
「解りました。少々お待ちください」
私がサークル活動の引率に連れて行く方の希望を述べると、職員の方は一度部屋を出て、5分くらいで戻ってきました。
そして職員の方はわきに抱えた数枚の紙を応接テーブルへと広げます。
「お待たせいたしました。条件に合いそうな人の資料です」
広げられた数枚の紙はピックアップして来た冒険者の資料だったので、早速私達はそれを確認します。
「ふむふむ・・・この方とこの方良さそうじゃなくて?」
「いえ、資料からは解りづらいですが、この方達は素行が悪いと思われます」
「よくわかるなぁ姐さ・・・じゃなかったクロさん、じゃあこっちはどない?」
「美しさが足りませんわ」
「それ必要なんリーダー・・・」
「必要ですわ」
などとアレコレ言いながら相談をし、結果3人の冒険者をピックアップします。
「この方達に、んー・・・そうですわね、この条件でどうかと尋ねてくださる?」
「解りました、連絡を着けておきます。結果は何処にお知らせいたしましょう?」
「明日には解りますの?それなら明日また来ますわよ?」
「大丈夫だと思われますので、ではその様に」
ピックアップが完了したので職員の方に条件を書いた紙を渡し、連絡を着けてもらうように手配をしたので、これで明日また来た時に結果が解ります。
用事は以上だったので、私達は『明日またこの時間位に来ます』とだけ言って冒険者ギルドから出て学園へと戻る事にしました。
学園の門辺りに差し掛かると、丁度マルシア達も図書館から戻ってきた様だったので、軽く情報交換だけしてその日は解散となりました。
そうして週末までそのような準備を進め・・・
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いざ週末となりました。
一応朝一でシフロート先生に挨拶だけして学園を出た私達は、雇った冒険者と待ち合わせをした外へとつながる門近くへと来ていました。
「門近くの貸し馬車屋前集合と言っておきましたが・・・あ、いましたわね」
雇った冒険者の方が来ているかなと探してみると、すでに来ていたので声をかけます。
「おはようございますわレイラさん」
「おはようリーダーさん!」
元気よく声を返してくれたのはBランク冒険者のレイラという方で、さっぱりした感じで主に剣を使う前衛職の方です。
冒険者ギルドの職員の方からの評判もいい美人さんで、ある程度斥候もこなせたりするし美人なのでこの方を選びました。・・・大事な事は2回言うモノですよね?
私はレイラに今日が初対面のマルシア達3人を紹介すると、早速馬車を借りて門の外へと出る事にしました。
「いやぁしかし聞いた時は驚いたけど、本当に皆あの学園の生徒だったんだねぇ」
「ええ、でも契約した通り秘密ですわよ?」
「解ってるさ。しっかしリーダーさん・・・マシェリーだっけ?あんたやっぱり可愛いねえ。色も凄いしさ!」
「そういうレイラも美人ですわ。それに強い!」
目的地への道中はこんな風に和気あいあいと会話も交わしたり、真面目に依頼内容の事を話したりして時間を過ごしました。
マルシア達もレイラとは仲良くなったみたいで、とてもいい雰囲気の中、私達は目的地『鏡の洞窟』へと辿り着きました。
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『鏡の洞窟』・・・ゲームでは推奨レベル10~15とまだまだ初級レベルのダンジョン。
そのくせここへ行けるのは、順調に進んでいたら推奨レベルをとっくに超えている頃なので、普通に考えたらあまり来ない場所です。
「けど何でここを選んだんだい?言っちゃあ何だが、ここは綺麗な場所だけど出て来るモンスターも微妙であんまり旨みないよ?」
この様に、現実となったこの世界でもここは微妙な場所の様でしたが、しかしここにはあるアイテムがあり、私はそれを目当てにこの場所を今回の活動場所に選んだのです。まぁこの様子ですと知られていないようですが。
「まぁまぁ、兎に角冒険ですわ。奥へ進みますわよ」
「はぁ・・・、まぁあんたがいいならあたしはいいんだけどさ。あたしは護衛だから成果の有る無しに関わらないしさ」
自分はあくまで護衛なので気にしないとレイラも言ってきたところで、私達は洞窟の奥へと進む事にします。
隊列を整え、レイラには最後尾についてもらいつつ私達は洞窟の攻略をしていきます。
ミラーボックスやライトウィスプといった、微妙に強いが大していい物を落としたりもしない敵を倒しつつ、私達は順調に歩を進めます。
「下調べが十分なのか全然苦戦しないねえアンタラ。流石は期待のパーティーと呼ばれるだけはあるよ。正直学園の引率じゃなけりゃあたしはいらなかったねぇ」
途中でレイラにそんなお褒めの言葉も頂きつつ・・・私達は目的地へと辿り着きました。
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「開けた場所に来たねぇ、大分スピーディーに来たけどもう夜だ、今日はここで夜を明かすのかい?」
「そうですわね、最後に一仕事終えたらテントを張りますわ」
目的地へと着くとレイラが休憩するのかと聞いてきますが、その前に一仕事です。
私はノワールにつるはしを出す様に言って出してもらい、パーティーメンバー全員でつるはしを担ぎます。
「つるはし・・・?採掘でもするのかい?でもここは特に良いものでないって話だけど?」
「ふっふっふ、そうかしら?」
「なんだい、まさか出るのかい?」
「ひ み つ ですわ」
「えぇ~」
つるはしを担いだ私達をレイラが訝しがり質問してきましたが、曖昧に答えて答えを言わない様にしました。
まぁ別に言ってもよかったのですが、言わない方が楽しいかなと思ったのです。
現に、私はノワールたちにもここで何が取れるかは正確には言っておらず、取れてからのお楽しみ―と焦らしていました。
「オーッホッホッホ!弄るのはこれくらいにしますわ。ほら、レイラもつるはし担いでくださいまし。手伝ってくれたらお教えいたしますわ」
ちょっとイチャイチャとやり取りを交わした後レイラにも手伝うように言うと、何が取れるか気になったのかレイラもつるはしを担ぎました。
レイラにこれくらいのこんな感じのモノとだけ情報を与えた後、私達は採掘を始めました。
ガツガツ、ガツガツと、正直私も何処に埋まっているのかは解らないので適当に壁を掘り、鏡の様にツルツルキラキラした壁を掘っていきます。
(どれくらい数も取れるか解らないんですのよねぇ。でもゲームだとここでゲットできたから、出てきてもいい筈なんですが・・・あっ)
壁をガツガツと掘っていると、壁の破片と共に私の狙っていたアイテムがポロリと出てきました。
「出ましたわっ!」
その私の声を皮切りに、ノワール達からも見つけたとの声が上がります。
どうやら手に入れられるのは1個だけではないようで、そこはかとなくお金の香りがしてきました。
なので疲れるまで掘り続ける様に言ってそのアイテムを集め、気が付いた時にはそこそこの数が集まっていました。
「ふぅ~、いい汗かきましたわ」
「剣を振るのとは違って変な所が痛くなるねぇ・・・。で、マシェリー、これは一体何なんだい?」
汗だくになっている私達とは違い、まだ余裕そうなレイラは先程まで掘っていたアイテムを眺めながら私に尋ねてきました。
なので私はそのアイテム・・・テニスボールくらいの大きさの球を受け取り、使い方を実演する事にしました。
「これはこのように魔力を流して・・・ほら、ご覧になって?」
ゲームのフレーバーテキストには『魔力を流すと使用できる』みたいなことが書いてあったので魔力を流すと球が一瞬光り、確かに使用出来たことが解りました。
なのでその後にきちんと使用出来た証をレイラへと見せました。
「・・・!?何だいコレ・・・?あれ・・・?これって・・・」
レイラはそれを見て驚いた様でした。
それは地球では珍しいモノではないのですが、この世界の住人のレイラは見たことがなかったのでしょう。
「そうこれは・・・」
レイラが見た見慣れないモノ・・・地球では珍しくないもの・・・
「レイラ、貴女の姿ですわ」
そう、あの球の正体は・・・カメラでした。
マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。
「面白い」「続きが読みたい」「新たな姉御登場!?」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですわ。
☆がもらえると この小説が姉御だらけになりますわ。
マシェリーの一口メモ
【カメラ・・・まぁスクリーンショット機能ってやつですわ】
マシェリーより宣伝
【今更ながら作者の作品紹介ですの。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますわ。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】




