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第54話 冒険者サークルの初実戦終了

マシェリーよりお知らせ:この物語は現在コンテストに参加しておりますの。イイネ☆ブックマーク等で応援よろしくお願いいたしますわ。

「オーッホッホッホ!久々にのびのびと体を動かせて最高ですわー!」


「ふわわぁ~!カッコよかったですマシェリー様!」


「あんなモノお茶の子さいさいですわよ!おーっほっほっh・・・っは!?」


 主人公とハイタッチして喜んでいたのですが、頭の片隅にあった理性的な部分が私に囁いてきました。


 いやいや、主人公と仲良くしてどうすると。


(そうですわっ!私ったら何を主人公と仲良くなっているんですの!?流石に私達の関係性が決定的に変わってしまうのは駄目ですわっ!)


 先のストーリー管理という意味もあるのですが、ゲームに決められている『主人公』と『悪役令嬢』というロール、これが完全に変わってしまうと世界が崩壊してしまう恐れがあるのです。

 これは比喩ではなくそのままの意味で、ロマンスというゲームにも良くありがちな『不味い!あの儀式が成功してしまうと世界が滅びてしまう!』みたいな展開があり、それに『主人公』と『悪役令嬢』の2人が関わってくるのです。


(ぐぐぅ!それさえなければ『イリス・・・』『お姉様・・・』といったネッチョリとした関係にもなれるかもしれないというのに・・・!おっと・・・はしたない考えでしたわ)


 とまぁこの様な事情がある為、私とイリスは一定の距離を保たなくてはならなく、正直このサークル活動でもネチネチと虐めようとか考えていた位なのです。


 という事で・・・



『ドンッ』



「・・・ふぇ?」


「ちょっと褒めて上げたら私にハイタッチ?・・・気安いですわよ」


 私はハイタッチしていたイリスを突き飛ばし、男性方に聞こえない様にぼそりと呟きました。


 すると突き飛ばされ尻もちをついたイリスは・・・


「・・・えぇ?」


 と困惑した顔をしていました。


(ま・・・まぁそうですわよね?私から『イェーイハイタッチ!ハイタッチ!』とかやって来たと思ったらこれですもの。完璧に情緒不安定な人に見えますわよね!?)


 ゲームや漫画だと無くはない展開ですが、リアルにこれをやられると『コイツサイコパスじゃね?』案件です。

 しかしこの『私達超仲良しっ!きゃはっ!』な雰囲気を覆すにはこれくらいしなければならないので、私はそのまま続けます。


「次は私の手を煩わせないでくださいましね?」


「は・・・はい。解りました?」


「・・・っふん!キャー殿下ー、私怖かったですわー」


 恐らく男性方やイリスは『自分から突っ込んで行って何を言っているんだ?』とか思ったでしょうが、私は気づかないふりをしてグウェル殿下に媚びを売ってみます。

 この様にある程度グウェル殿下にも近づいておかないとストーリー管理がぐちゃぐちゃになりますからね。


「は・・・ははは、まぁボス級のモンスターも倒した事ですし、今日は終わりで良かったですかなマシェリー部長?」


「勿論ですわシフロート先生。そろそろ帰りましょう」


 シフロート先生がそんな提案をしてきたので、なんか思った以上に媚び売りが下手だったと自覚があったので即座に中断し、私達は帰る事にしました。


「ほら皆様ドロップアイテムを早く拾ってくださいまし、帰りますわよ」


 恐らくまた『コイツ情緒が不安定過ぎる』と思われたでしょうが気にしないことにして、撤退準備を始める様に指示します。

 ダンジョンと呼ばれる場所の中では魔物がドロップアイテムに変わるのでそれらを拾い、メンバーの状態確認をして問題がなかったので、私達は出口へと向かいます。

 そして出口へと着き外へと出ると、そのまま学園まで戻り、寮の前で次の指示を出します。


「皆様、初のサークル活動お疲れさまでしたわ。慣れない事をして疲れたでしょうから今日はこのまま解散として、明日また部室へと集まって反省会やらいたしましょう。シフロート先生、それでもよろしいですわよね?」


「そうですな。私もそれには賛成ですぞ。・・・という事で皆さんお疲れさまでした。今日はゆっくり休んでもらい、また明日諸々の話をいたしましょう」


「「「はい」」」


「あ、ドロップアイテムは私が一旦全部預かるとしますぞ」


 最後にシフロート先生の魔道具へドロップアイテムを収納し、本日は解散となりました。

 私達のグループも体力はまだ有り余ってはいましたが解散する事にして、私達は自室へと戻る事としました。


 ・

 ・

 ・


 翌日の日曜日、疲れもあるだろうからと10時くらいに部室へと集まった私達サークルメンバーは、シフロート先生も交えてミーティングをしていました。

 それは昨日の戦闘時の反省や、使った物資についてだったり色々です。


 そうして大体終わった辺りで、私は1つ意見を出す事にしました。


「これで大方終わりですかな。何もなければ明日からの活動についてですが・・・」


「シフロート先生」


「む?あぁ、ここからは確かに部長に進行してもらった方がよろしいですな。では・・・」


「いえ、違うのですわ。1つ提案がありますの」


「ほぉ?なんですかな?」


「昨日の活動を見て思ったのですが・・・2班に分かれる事に致しません?少々人が多すぎて過剰戦力ですわ」


「ふむ・・・」


 私の出した意見にシフロート先生は「確かに・・・」と考えていますが、実はこの提案はそれだけが理由ではありません。

 過剰戦力というのは確かに本当ではあるのですが、本当の狙いは・・・『主人公』と『悪役令嬢』の分断に有ります。

 極力仲良くならない様にはするのですが、昨日みたいにテンションが上がったりするともしかしたらがあるかもしれないので、この提案をしてみました。


(命を預け合えば仲良くならない筈もなく、やがて2人は一線を・・・とはならないでしょうが、まぁ仲良くはなってしまうでしょうからね、早めに対策ですわ)


 許可しろ!許可しろ!と念じていたのが通じたのか、シフロート先生は許可をしてくれたのですが・・・


「ふむ、そうですな。色々調整は必要ですがありかもしれませんな。なら次からは5人ずつに分かれて・・・」


「ちょっと待って下さる先生?私達6人からは人を分けませんわよ?」


 先生は何と私達に分かれよと言ってきたのです。


「えぇ!?でも流石にそれでは戦力の偏りが凄まじいですぞ?」


「むっ・・・それでもですわっ!」


 確かに先生の言わん事も解らなくないのですが、私の可愛子ちゃん達を渡すわけにはいきません。

 なので私は代案を提案します。


「それなら先生、後1,2人勧誘してくださらない?あ、何ならグウェル殿下やペイル様が勧誘してもらっても構いませんわ。というか、ペイル様なら良さそうな人を誘えそうじゃなくって?」


 ペイル・フォン・クロスブレーはその名の通り騎士団長クロスブレー侯爵の家系のお方、彼の人脈を使えば良さそうな人を勧誘出来そうなものです。


「ふむ・・・確かに数人心当たりは有りますが・・・。教師シフロート、俺の方で勧誘を行ってもいいですか?」


「それは良いのですが・・・、他の皆さんもそれでよろしいですかな?」


 ペイルも私達と別行動というのは賛成だったのか、人材を勧誘してくると言ってくれ、それに反対という人は誰もいませんでした。


「ふむ、まぁ皆さんが良いと言うのならそれでよいですな」


「俺はこの後早速動こうと思うので、明日の放課後には連れてこれると思います」


「解りましたぞ。それならこれからの活動については、明日新メンバーが来てから話し合うという事にしましょう」


 そういうことになったのでミーティングはそこで終了し、続きは明日の放課後という事になりました。

 なので解散となったのですが、まだ時間が早いという事で私達何時ものメンバーはそのまま私の部屋へと集合し、事前に明日以降の事を話し合う事にしました。



 そして翌日の放課後・・・



「新メンバーを連れてきました。お前達、自己紹介を」


「はい、自分はアウギュスト・ル・パラフスです」


「自分はザガン・ル・パルメストです」


「2人共腕は立つ方なので戦力的には十分かと思います」


「はわわぁ・・・私の班は男性の方ばかりですぅ・・・」


「すまないな。だが僕達は誇り高き王族に貴族、不埒な真似はしないし君を守ると誓おう。なぁ諸君ら?」


「「「「はい!」」」」


「ふわわぁ・・・お願いしますぅ・・・」



 見事な冒険者サークルの姫が出来上がりました。



 マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「はわわぁ、姫じゃないですぅ」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですわ。

 ☆がもらえると 私のナックルを顔面にプレゼントいたしますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【1週間は日本と同じく日~月で、学園の授業は月~金の5日ですわ。土日はサークル活動や勉強、アルバイト等を皆さんしておりますわ】


 マシェリーより宣伝

【今更ながら作者の作品紹介ですの。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますわ。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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