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第42話 学園へ

 時間は少し巻き戻り、早朝



 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



「ふふ・・・そこまでいうなら・・・タコをネコにかえてさしあげ・・・」


「お嬢様、起きる時間でございますよ」


「・・・っふぇ!?」


 なんだか不思議な夢を見ていた気がしましたが、ノワールに起こされた事により内容をすっかり忘れてしまいました。

 折角楽しそうな夢だったのに・・・とノワールに抗議しようとしたのですが、次の言葉で完全に目が覚めてそんな事は忘れてしまいました。


「お嬢様、今日はいよいよ学園での入学式の日でございます。遅れるわけにも行きませんのでお早めに起きて支度をしてしまわないと」


「はっ!?そうでしたわ!ノワール、制服をっ!」


「こちらにございます。・・・の前に、先ずは顔を洗いましょう」


 そうです、今日はいよいよ原作の開始日である学園の入学式。これからの事を考えると一層気合を入れなければならない日です。


(仔細までは覚えていませんが、大体のイベントと攻略サイトの情報は頭にありますわ。これを元に色々確定させていけば・・・)


 ノワールに支度を手伝ってもらいながら頭の中で情報を整理し、取りあえず今日をどのように過ごすか考えていた所で準備が完了したので食堂へと向かいます。


「おはようございますわお父様、お母様」


「おはようマシェリー」


「おはようマシェリー。ばっちりきまってるじゃない!」


「ありがとうございますわお母様」


 食堂へ入ると既に両親が揃っていたので挨拶をすると、制服姿を褒められたので礼を返し席へと座り朝食を頂きます。


「しかし今日からマシェリーは寮か・・・。パパは少し寂しいなぁ」


「あら、私だけでは不満なのアナタ?」


「い・・・いや!そんな事は無いさ!ハハハ!」


 両親の仲がいい会話を聞きつつ、これからに関しては運頼みですわね、と心の中でため息をつきます。


 私達が誘拐されてからここまでの間、私は様々な事をしてきました。

 強くなる為の鍛錬は勿論の事、オーウェルス家の改善や領内の改善等々色々です。

 そしてその中には両親のあれこれもあるのですが・・・


(原作よりは悪事を働かない様にしてきたつもりですが、それも全てではありませんしどうなりますか・・・出来る事ならば破滅はしてほしくない所なのですが・・・)


 本来だとオーウェルス家の現当主である父『クォース・フォン・オーウェルス』と母『キャスアナ・フォン・オーウェルス』は様々な悪事を裏で行い、最終的には娘と同じく破滅する運命なのですが、私がそれに少し介入したことにより少々本来の流れと変わりました。

 とはいっても少々変わったくらいで色々な事をしている事には変わりがなく、駄目かもしれないとは思っているのですが・・・それでも私にとってはお父様とお母様、情はあるので出来る事ならば死んではほしくないのです。


(でもこれから私は学園の方へ行くので、帰ってこれる回数は減ってしまいますわ。そうすると後は流れに任せるしか・・・)


「・・・・?マシェリー?マシェリー?」


「・・・え?なんですのお父様?」


「聞いてなかったのかい?とにかく、気を付けて行ってこいって事さ」


「解っていますわ。それじゃあお父様、お母様、用意が済んだら出発いたしますわね。見送りはお忙しいでしょうから大丈夫ですわ」


 考え事をしながら食事をしていたので、声をかけられた事に気づきませんでしたが、どうやら学園へ行く事に心配している様でした。

 返事を返して時計を見るといい時間になっていたので席を立ち、出掛ける準備に掛かりました。


 ・

 ・

 ・


『ガタガタ・・・・・・カタッ』


「お嬢様方、着きました」


 乗っていた馬車の車輪の音が止まって御者が声をかけて来たので、乗っていた私達はお喋りを止め、御者とノワールにエスコートしてもらい馬車を降りました。


(背景では見ていましたけど、本物を見ると少し感動しますわね)


 馬車から降りた先には学園の正門があり、私はそれを見てひとり感動していました。

 ゲームでは解らなかった年季の入った門柱、その先に続く石畳と脇に植えてある街路樹、他にも現実ならではの趣のある数々の建物が建っていたからです。


「お嬢様・・・?」


 そして1人ポケ~っとしていたからでしょう、ノワールが私を呼んできたのですが、頭が一ロマンスファンになっていた私はノワールの姿を見ても感動してしまい、ついニコニコしながら褒め言葉を口にしてしまいました。


「ノワール、貴女ってそんな姿をしていると王子様みたいですわね!本当に最高ですわっ!」


「・・・え?あ?え?」


 実はノワールも私に合わせて学園に入学するのですが、彼女は何故か男物の制服を着ていたのです。

 理由を聞いたところ『動きやすいので』と言っていましたが、ロマンスで同じように男装していたのも同じ理由だったのでしょうか?


 まぁそれはともかく、今のノワールの姿はロマンスに出て来たままの姿、ロマンスプレイヤーならこれを見て感動するのは仕方がないと思うのです。


「うーん・・・いいですわね。流石は私のノワールですわ・・・」


「あ・・・はい・・・っひ!」


 見れば見るほど完成度が高い男装だと思いついペタペタ触っていると、ノワールが少し叫びました。如何したのだろうと思うと・・・


「あ、ごめんあそばせ?つい・・・」


 どうやら私が胸やお尻を触ったのに吃驚したみたいでした。しかし私はあえて触るのを辞めずに更に撫でまわします。


「っひゃ!お・・・お嬢様!」


「オホホホ・・・」


(うーん・・・やはり私・・・男性より女性の方が好きですわ・・・)


 最近何となく確信していたのですが、私の性の対象はどうやら女性の様でした。

 転生して意識が混ざり合った3年程前は、『自分は女性の体だから、もしかしたら男性を好きになるかも』とか思っていたのですが・・・


(確実に前世の記憶が混ざったからですわね・・・まぁ、それならそれでいいというモノですわ。・・・魔王に成ったら、『百合の魔王』とでも名乗ろうかしら?)


 と、馬鹿な事を考えていたのですが手は動いていたらしく・・・


「こ・・・これ以上はいけませんお嬢様ぁぁぁ!」


「あ・・・」


 体を弄ばれたノワールは顔を真っ赤にして1人校門の奥へと走り去ってしまいました。


「「「・・・」」」


「オ・・・オ~ッホッホッホ!」


 一部始終を見ていた馬車の同乗者達にちょっとアレな目で見られてしまったので、それを誤魔化す様に笑いましたが・・・


「「「・・・」」」


 誤魔化されてくれませんでした。

 なので大人しく謝り、ノワールの後を追って校舎へと歩きだします。



 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・



 そして校舎へ向かう途中の石畳、そこで私達はとある現場に遭遇し・・・



「は・・・はい・・・ありがとうございました。あ・・・!あの、私イリアス・ロバニエルって言います!」



 1人の少女と出会ったのです。



 マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「イリアス!何者なんだ!?」等思ったら、☆で評価やブックマークをして応援してくだされば幸いですわ。

 ☆がもらえると イリアスの正体が・・・!


 マシェリーの一口メモ

 【イリアスの正体・・・何だと思います?答えは次話!】


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【今更ながら作者の作品紹介ですの。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますわ。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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