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第33話 盗賊団『カラーズ』

 ロマンスの中には様々なイベントが存在し、物語の中心となるメインイベント、攻略対象の好感度やゲーム内通貨のラル・アイテムが稼げるサブイベントと大まかには2種類に分かれていました。

 その中の1つがイベント『盗賊団を倒せ』です。



『盗賊団を倒せ』

 ・近頃この地域一帯を騒がしている盗賊団が存在する。

 この地域を治める領主アゼスト・ド・アーセナルはこの盗賊団『カラーズ』が自分の娘を狙っているという情報をキャッチした。

 その為、この盗賊団を退治する者達を探しているらしい・・・。


 ◎推奨Lv:8 報酬:1万ラル チタン鉱石×20



 イベント受注内容としてはこのようになっており、比較的序盤に存在する、所謂『お金が稼げるイベント』になっていました。

 イベント内容も単純で、森の中にある盗賊団のアジトへ行き戦闘、そしてフラグアイテムを手に入れてクエストを報告するというモノとなっており、戦闘難易度が低い事もあって大体のプレイヤーがこなす定番のサブイベントとなっていました。


(そうですわ・・・どこかで見た顔だと思ったらレイラとイニエラは・・・)


 そこで漸く思い出したのですが、レイラとイニエラ・・・いえ、ゲームでは確かレッドとイエロー、彼女たちは盗賊団『カラーズ』のメンバーです。

 カラーズはその名の通りメンバーが色で呼ばれており、色に対応した属性を使ってくる敵でした。・・・といっても、魔法を使ってくるのは数人で、後は属性耐性があるくらいで、ある意味プレイヤーが属性の概念を覚えるイベントでもありました。


(そういえばこのイベントについて、掲示板で考察している人たちが居ましたわね)


 カラーズについて思い出していると、そんな記憶が思い出されました。

 確か・・・このイベントを序盤でこなさずに放置すると、後々に信号機トリオが不思議な反応をした。何かあるのではないか?という内容でした。

 後々に何処から情報を引っ張って来たのか、『以前に狙われたことがあってそれで反応を示した』とか『信号機トリオ自体に被害は無かったが実家に少し被害があった』という、製作陣しか知らないような裏設定みたいなものが書かれていましたが、当時の私は『釣り乙!』とネタ扱いしていました。


(しかしそれが本当だったとしたら・・・)


 実はその情報は本当の設定で、今回の事を示しているのだとしたら・・・いえ、おかしいです。

 掲示板には『信号機トリオ自体に被害は無かった』と書いてあったのに、現状を見るととてもそんな事は言えません。


(という事はやはりデマ情報ですの?この状況は偶々・・・?・・・あ、まさかこれって・・・)


 不意に頭の中に1つの可能性が浮かび、『やはりこの状況になったのは私のせいでは・・・?』と頭を抱えていると、隣の部屋から物音が聞こえて来たので慌てて3人に指示を出します。


「この状況を見られたら不味いですわっ!急いで布とロープで捕まっていた時の状態にっ!」


 予め近くに寄せておいたロープと布を各自に渡し、つけたのを確認すると明かりの魔道具をアイテムボックスへと収納して床へと寝転びます。

 するとその30秒後くらいに扉が開き、3人の人間が入ってきました。


「ここに入ってなー」


「くそっ!賊めが!」


 入って来たのはレッドとイエロー、それに・・・誰でしょう?

 入って来たもう1人の人間は男性で、見た感じではどこぞの貴族っぽい感じの方でした。


 その入って来た男性はよっぽど腹が立っていたのか、レッドとイエローに悪態を吐きまくっていました。

 すると沸点が低めなのか、段々とレッドの様子がイライラしたモノへと変わっていき、遂にキレたのか・・・


「ねえイエロー、コイツは最悪死んじゃってもいいよね?」


「いいんじゃない?買い手も着かなさそうだし」


「何を言っているこの賊共めっ!俺の商会の力をもってすれば貴様ら等っ・・・はえ?」



 喚く男性の手首を切り落としました。



「あがぁぁああ!手っ!手がぁぁあああ!?」


「うるっさいわねぇ!」


 レッドは手を切り落とされて叫ぶ男性を蹴り倒すと、来たない物でも触るかのように切り落とした男性の手を摘みあげると、断面を魔法を使い焼き始めました。

 やがて焼いた事により血が流れなくなるとそれを箱へとしまい、一仕事終えたとばかりににこやかに笑いました。


「ふぅ~、後はこれを送って金でも引き出せば完璧ね。っと・・・」


 レッドは思い出したとばかりに私達の方へと顔を向け、ニコニコと笑いかけながら喋りかけてきました。


「お嬢様方、五月蠅くしてごめんなさいね?このおじさんが聞き分け悪くてさ」


 そういうと、衝撃的な光景に怯える私達に見せつける様に、血を失い過ぎたのかぴくぴくしだした男性の体を強く蹴り上げます。


「まぁでも、お嬢様方もあんまり五月蠅くするようならこうなるかも知れないから・・・気を付けてねぇ?んじゃ、まったね~」



 それだけ言うとレッドは手を振りながら部屋を出ていき、部屋には鉄くさい匂いとシーンとした空気だけが残りました。



 マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「あ、RPGゲームっぽい」等思ったら、☆で評価やブックマークをして応援してくだされば幸いですわ。

 ☆がもらえると 私がお使いクエストを発行いたしますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【お金の単位はラルとガントの2種類あり、1ラル=100ガントとなっておりますわ。因みにロマンスですとラルのみが存在します。・・・まぁゲームですとそこまで細かい通貨は必要ありませんからね】


 マシェリーより宣伝

【今更ながら作者の作品紹介ですの。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますわ。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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