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第27話 魔力を扱うための特訓

 サマンサがお泊りをしていった日の翌日、この日は習い事も勉強も入っていない、1日の予定が丸々開いている日でした。


 朝食を食べ終わって部屋に戻って来た私が椅子に座ると、ノワールが自動的にお茶を出してくれたのでまずはそれを頂く事にします。


「何時もながらおいしいですわぁ・・・あ、今日の予定について話があるので、貴女も座ってお茶でも飲みながら聞きなさいな」


「畏まりました」


 丸々開いた日を怠惰に過ごすのも魅力的なのですが、私は先日気持ちを新たに『魔王に成る!』と心の中で誓ったので、出来る事を進めて行こうと思います。


 と、いう訳で・・・


「ノワール、魔力を扱う特訓をいたしますわ」


 私は少しづつ検証を進めて来た魔力、これを扱う特訓を開始することにします。

 しかしこの特訓は検証の結果、私だけで進める事は出来ない事が解っています。なのでノワールの協力が必要不可欠なのですが・・・


「お任せください。お嬢様へいつでも教えれるように考えはまとめてございます」


 どうやら聞くまでもなかったみたいです。


「流石ですわねノワール。それでは・・・10分後に始めますわよ」


「畏まりました」



 10分後、丁度お茶も飲み終わったので私は椅子から立ち上がりノワールへと尋ねます。


「さぁ、始めますわ。何処でやりますの?」


 魔力・魔法を使うなら中庭や騎士達の修練場あたりかな?と、予想をしながら尋ねたのですが、ノワールの答えは全く違いました。


「場所はこの部屋で問題ありません」


「え?そうなんですの?」


「はい。お嬢様は今回、私の黒の魔法を練習したいと思っているのですよね?」


「そうですわね。黄の雷魔法だと、恐らくサマンサの協力が必要になるでしょうから、それよりもノワールが使える黒の闇魔法ですわね」


 後々はサマンサにも協力を依頼するつもりですが、私としてはまず、いつも傍にいるノワールの闇魔法を使えるようするつもりでした。

 そして闇魔法が使える様になれば要領がつかめている筈なので、その後にサマンサへと協力を依頼し、極力拘束時間が短くなる様にしようと計画を立てていました。


 ノワールは私のこの考えを解っていると言わんばかりに一度頷いた後、話を続けます。


「それならばやはりこの部屋で問題ありません。私の使う闇魔法は破壊も無くはありませんが、基本的には姿を隠したり相手の目を暗ましたりといった魔法ですので」


「え?そうですの?」


「はい」


 彼女は闇魔法の基本を破壊ではないと言いましたが、私の頭の中にあるロマンスでのノワールは・・・


闇の球(ダークボール)!(ズゥーン

 闇の渦(ダークシュトローム)!(ズギャァァン

 闇の大腕(ダークハンズ)!(ドォォォン     』


 というイメージで、闇魔法=破壊魔法という感じだったんですが・・・


「え?本当に破壊特化の魔法ではありませんの?」


「はい。どちらかと言えば諜報よりの魔法かと思われます」


 ノワールは顔色も変えずそう言い切るので、本当かしら?と疑いつつも一応納得して、話を続けることにします。


「まぁいいですわ。なら場所はこの場所で良いとして、何をいたしますの?私としては実際に魔法を使ってもらってそれを真似る、くらいしか思い浮かびませんわ」


 ロマンスではコマンドをポチるだけで魔法が使えました。なのでそれ以外の方法となると、魔法など存在しない世界から転生して来た私には魔法の特訓方法など思い浮かびませんでした。


「それも確かに1つの方法ではございます。実際、精霊の儀を終えて魔法が使える様になった方々は、学園や自分の家でそういう風に教わるのが主流となっております」


「ではやはりその様にするんですのね?」


「いいえ」


 私の言った方法はあながち間違いではなかったみたいなのですが、ノワールはそれを否定しました。

 ではどの様に教えてくれるのかと、話を聞く体勢を取っていた私にノワールは近づいて来て手を取ってきました。


「お嬢様は未だ精霊の儀を終えていない身、ですので・・・」


 そう言うとノワールは魔力を私の腕に薄く纏わせてきました。


「先ずはこういう風に私の魔力をお嬢様の体へと流し、この状態で私が動かしてみたりお嬢様が動かしてみたりと、この様にしてまずは魔力の扱いを学んでみてはどうかと考えました」


「成程・・・そんな事思いつきませんでしたわ。流石ですわねノワール!」


「ありがとうございますお嬢様」


 魔法がある世界の住人故か、それともノワールだからか、私が思いつきもしなかった方法を提示されました。

 確かにこの方法ならいけそう!私はそう思いノワールに早速始める様にと催促しました。


「ではノワール!早速やりますわよ!」


「畏まりました。ではまず私が動かしてみますので、お嬢様はその動きを感じる様にしてみてください」


「解りましたわ!バッチコイですの!」


 つい鼻息が荒くなってしまいますが仕方ありません。だって魔法ですよ?一度は誰だって使ってみたいと思いますよね?

 私はフンフンと息を吐きながら腕に纏わりついている魔力を凝視します。


「では・・・」


 その時のノワールは何か言いたそうにしていましたが、私は気づかないふりをして目線で急かします。


 すると・・・


「おぉ~・・・」


 私の腕に薄く纏わりついていた魔力が動きを見せました。

 波打つようにウネウネとしたり、渦巻くようにぐるぐるとしたりと、様々な動きをです。

 黒色をしていて一見動きが解らなさそうなモノなのに、以外と渦巻いたりとか解るモノですのね?等思いつつポヘェ~と見ていると、ノワールが珍しく注意するような声音で喋りかけてきました。


「お嬢様集中を・・・」


「そうですわね、申し訳ありませんわ」


 ノワールは私の為にワザと厳しい感じにしているのでしょう、それが何となく解った私は気を引き締め魔力の動きに集中しました。


「ふむ・・・ノワール」


 私はノワールに魔力をこう動かしてほしいと注文をつけます。

 するとノワールは注文通りに魔力を動かしてくれたので、私はより一層集中しながらそれを感じます。


「成程・・・。ノワール、最初の状態に戻してくださる?」


「畏まりました」


 ノワールが返事をすると、瞬く間に最初の状態・・・薄く腕に魔力を纏わせた状態へとなりました。


「もう一度最初から一通りの動きをなさいますか?」


「いえ、そのままで結構ですわ」


 ノワールは若干不思議そうにしながらも私の指示に従い、そのままの状態を維持してくれます。


 私は目を瞑り、ふふ・・・と小さく笑った後・・・目をカッ!と開きました。


「解りましたわっ!こうですの!」


 私は勢いよく声を出し、感じたままに『何か』に働きかけます。


「お嬢様!?」


「オーッホッホッホ!解る!解りますわっ!」


『何か』・・・恐らく魔力を司るモノなのでしょう、私は何とも言えない奇妙な感覚でそれに働きかけ、魔力へと繋がりを伸ばします。

 すると腕に薄く纏わりついていたノワールの魔力は動きを見せ、波打ち始めました。


「こう!こうですわっ!」


 私は更に『何か』に働きかけ、波打っていた魔力を変化させます。

 するとノワールが直前に見せてくれたように、渦を巻いたり丸や三角等の簡単な形を作ったりと様々な形に魔力が変化をします。


「オーッホッホッホ!解りますわぁぁぁ!きっと私が一番魔力を上手く扱えますわぁぁぁあ!」


「お・・・お嬢様!?お嬢様!お待ちを!」


 私は感じたことのない感覚に翻弄されてテンションが爆上がりしていました。

 言うなれば・・・最高にハイって奴です。


 私はノワールが何かを叫んでいるのにも気づかずに魔力の操作を続けていました。


 そしてトランス状態にも入っていたのでしょう・・・いつの間にかノワールの手が離れて、私自身の力で魔力を生成しているのにも全く気付いていませんでした。


「オーッホッホッホッホッホ!自由自在ですわぁぁぁあ!」


「お嬢様お待ちを!そのままではっ!」


「オーッホッホッホッホ!・・・あら?」


 ノワールが一際強く声を発した後、それまで自在に動いていた魔力がいきなり動かなくなり・・・



『パアアアァァァン!!!』



 と言う音と共に、盛大に弾けました。



 マシェリーより:お読みいただきありがとうございますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「ハーイテンション!」等思ったら、☆で評価やブックマークをして応援してくだされば幸いですわ。

 ☆がもらえると もっとハイテンションになりますわ!


 マシェリーの一口メモ

 【ノワールの使う黒・・・闇魔法は実は超便利なのですわ。物語の最初に出て来たようにアイテムボックスが使えたり、人の影に潜んだりと色々出来ますの。しかし危険な魔法も沢山あり、そのせいで黒の魔法使いは人に嫌われることが多いのですわ。】


 マシェリーより宣伝

【今更ながら作者の作品紹介ですの。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますわ。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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