第253話 残る2人の会話
≪???≫
所々に高価そうな物が置かれた品の良い部屋の中、2人の男がワイングラスを傾けながら向き合っていた。
「やはり此度も失敗であるか?」
「はい」
目つきの鋭い男が問いかけると、それにもう1人の優男が返事をする。
その返答は目つきの鋭い男にとっては想定内だったのか、頷くだけで怒りを滲ませる様子はなかった。
「ふぅ・・・全ては決まった通りの筋書きを辿るか・・・」
その代わりに彼からはため息が出てきた。
それを見て優男の方は特に何も言わずにいたが、どことなく心配した様子を見せる。
「っふ・・・すまんな紫の。だが心配するな。我は流れを知り、お主もそれを我から聞き理解している。であればどうにかなるはずだ」
「そう・・・ですか」
「そうだ」
しかし目つきの鋭い男の方は落ち込んだ様子から直ぐに立ち直り、目に強い意志を灯しながら優男へと声を掛ける。
すると目つきの鋭い男が大丈夫そうだと解ったのだろう、優男も調子を取り戻し何時もの様に飄々とした雰囲気へと戻る。
「で、次の計画をはじめるんですか?」
「で、あるな。が・・・解っていると思うが次は我々が出ねばならぬ」
「はい」
「負ける事が出来ぬため準備は完璧に行う。その為に計画は進めるが準備の方を優先せよ。準備不足で事を起こす事は許されぬ故な」
「はいはい、畏まりましたよ橙の魔王様」
「うむ。心して事を進めよ紫の魔王よ」
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。これで6章終了となります。ここから先は作者が忙しくなり投稿頻度が下がると思いますので、ごゆるりとお待ちくだされば幸いですわ。




