第233話 聞こえた声と見つけた〇〇〇〇〇
マシェリーよりお詫び:申し訳ございませんが、今回はかなり短めとなっておりますの。ご容赦を。
何時から存在するのか解らない様な大木の下で、優雅にティータイムをしていた訳ですが・・・私の耳に、ふと聞いた事のない声が聞こえてきました。
「?」
「「「???」」」
だから誰だろうと思い、辺りを見回してみるのですが、周囲には私達しかいません。なので気の所為だと思い、私につられて辺りを見回していたマルシア達へと謝ります。
「ごめん遊ばせ。誰かに呼ばれたような気がしたんですの」
「え?」
「マジで?」
「・・・お姉様・・・働き過ぎの弊害が・・・」
理由と共に説明をしたのですが、滅茶苦茶心配そうな視線を向けられてしまいました。折角の楽しい時間です、こんな事で水を差されるのもシャクというモノでしょう。
「大丈夫ですわよ?唯の気の所為ですから。いえ?もしかしたら樹の精に話かけられたのかもしれませんわね!いえ、それもキノセイかしら!?おほほほほ!」
だから場を和ますため、ウェットにとんだ粋なジョークを披露して上げました。
「・・・っ!」
「あかんわ・・・疲れすぎとるんや」
「・・・す・・・直ぐにお薬を・・・」
逆効果だったようですがね!・・・そんなに駄目だったのでしょうか、このジョーク。
『・・・・・・』
「!」
そんな風に、駄目だしされたジョークに凹んでいると、再び何処からか声が聞こえてきました。
私は今度こそ樹の精・・・いえ、気の所為ではないと思い、立ち上がって周りを捜索します。
「もしかして樹の裏かしら?・・・いないですわね。それなら樹の上とか?」
大木はあまりにも大きいので、見えない部分・・・私達の逆側や樹の上に居るのかと思いそちらも探してみます。ですが逆側にはおらず、また樹の上にも見える範囲では姿が見えません。
そうなると考えられるのはマルシア達の言う通り、『働き過ぎ、若しくはストレスによる幻聴』といったモノになるのでしょうが・・・
「えぇ?一昨日までならいざ知らず、昨日一日満足に休めたからそれは無いんじゃありませんの?・・・っは!もしや昨日アレな事をしすぎて頭がパーに!?・・・ないない。確かに瞬間的にはパーになりますけれど、今は正常ですわ」
私はそれを否定し、頭を振ります。
となると、他に考えられる要素としては何かの音が声の様に聞こえた、若しくは霊的な何か・・・いえ、ゴーストが私に囁いて来たとかでしょうか?
「ん~・・・」
「「「???」」」
『・・・・・・』
「んん?」
マルシア達は私の行動に物凄く困惑顔ですが、私としては真相が気になるので調査を続行です。
「掃除機・・・じゃなくてプラグ・・・でもなく、聖水でいいかしら」
取りあえず霊的な何かがいるのではないかと考え、滅する為に聖水を辺りに振りかけてみます。よしんば霊的なモノがいなくても、聖水なので草木には良い筈なので問題はないでしょう。
『・・・・・・』
「・・・変化なし。では何かの音がそう聞こえただけかしらね?」
しかし何もなかったので、次は周辺の地形などを調べてみます。といっても辺りは平地で、あるのは草木ばかり。変な音を出しそうなモノと言えば横の大木位でしょう。
なので私は大木を再び調べるべく調査を開始します。
「ん~・・・ん?これは?」
その最中、幾つかある樹の窪みの1つの中に球らしきものがあるのを見つけました。怪しさ爆発だったので、もしかしたらこれが原因なのではと適当な棒を取り出し突いてみます。
「反応なし。硬さは・・・堅いですわね?固まった樹脂?」
取りあえず危険なモノではなさそうなので、それに触れてみる事にします。
すると・・・とんでもない事が起こりました。
【ダンジョン『神木聖域』へ入場しますか?】
「は?」
なんと頭の中にそんなフレーズが浮かんだのです。
「神木聖域???」
ここで最も重要なのは、『こんな場所にダンジョンがあった』や『こいつ頭の中に直接!?』等といった事ではなく、『知らないダンジョン名が告げられた』という事です。
何度も言っていますが、私はこのゲームをやり込んでいます。それこそ、やり込み度にトロフィーがあるのならコンプリートしているほどに。
つまり、私は全てのダンジョン名を知っているという事なんですが・・・『神木聖域』なんてダンジョン名は私の記憶にはありませんでした。という事は即ち・・・
「初見のダンジョンを遊べるドン!ですわ!」
そう、未知のダンジョンへ挑戦できるという事です。
え?ダンジョン周回が嫌だから休暇に来ているんじゃないかって?そうですよ?でもですね・・・
「未知のダンジョン・・・何があるかワクワクしますわねぇ」
今からするのは周回作業ではなく楽しい楽しい未知なる神秘の探索なので、苦労よりも楽しさが勝つので別なのです。
ですから私は直ぐにマルシア達の元へと行き、ティータイムの中断を要請、先程の事を話しダンジョン探索をしないかと提案します。
「ダンジョンですか?」
「お宝あるんかな?」
「・・・ふふ・・・一回だけですよぉ~・・・?」
マルシア達も新規のダンジョンを1回だけという事なら問題ないとの事で、了承をしてくれました。なので私達は一度別荘へと帰り用意をし始めます。
「お嬢様、物資の在庫が微妙ですが・・・」
「無理そうなら直ぐ引き返すので大丈夫よ」
元はダンジョンへ行く予定など無かったので不足している者もちょこちょことはあったのですが、完全攻略をしたいわけでもなかったので良しとし、準備を整えたところで再び大木の元へと移動、そしてダンジョンの中へと入ったのですが・・・
「ほ・・・ほぇ~・・・」
中の様子を見て衝撃を受けた私は、変な声を出してしまいました。
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
「面白い」「続きが読みたい」「裏ダン・・・いや、隠しダン?」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いです事よ?
☆やイイネをぽちっと押すと オープンザドアー!ですわ。
マシェリーの一口メモ
【樹の精に話しかけられたのは気の所為だった。ウェットニトンダナイスジョークですわよね?(#^ω^)・・・ね?(威圧)】
マシェリーより宣伝
【スローペースな新作が始まりましてよ!『センテイシャ』https://ncode.syosetu.com/n7217id/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】




