表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
229/255

第228話 主人公とヒーローのデート?

 イリアスが口にした言葉はあまりにも衝撃的で、私は直ぐにそれを理解する事が出来ませんでした。


「私は1人でぶらぶら。イスと殿下は2人でらぶらぶ。・・・なんちゃって」


「はぁっ?」


 が、直ぐにイリアスのふざけた冗談で強制的に理解をさせられてしまい、私の脳は回り始めます。


(NTR!?と思って脳が破壊されかけましたけど、思ってみれば私は()()を望んでいたのでしたわね。・・・っぐぅ、でもいざそうなると得も知れぬ感情が・・・)


 よくよく考えてみると主人公のイリスとヒーローであるグウェル殿下がくっ付く様にしていたのは自分だと思い出したので、私は2人のデートに納得するしかありませんでした。


 が、しかしです。


(納得はしますけれど、許しませんわよ!私は!)


 謎の理論により素直に祝福できなかった私は感情を爆発させ・・・


「いきますわよ貴女達!」


「「「???」」」


「イリスと殿下の様子を見に!ですわ!」


 2人をストーキング・・・いえ、2人の様子を見に行く事にしました。


 ・

 ・

 ・


「えぇっと・・・確かイスは先ずここら辺をぶらつくって言っていたんですけど・・・」


 イリスはイリアスへとデートについて色々話していた様なので、イリアスの案内の元、私達はデートに出掛けた2人を探しました。

 殿下には悪いですが2人共割と地味目な為、中々見つける事が出来なかったのですが・・・


「あれ?何かあの集団、怪しくないですか?」


「そうですわね?・・・って、あれ、ペイル達じゃありませんの?」


「あ、本当ですね?それに・・・騎士の方でしょうか?」


 殿下をこっそり?と護衛する方達を見つける事が出来たので、私達は彼らに声を掛ける事にします。


「ペイル。それにそちらは近衛の騎士かしら?」


「あ、マシェリー様」


 ペイル達へと声を掛けて話をすると彼らの少し先に2人がいるようなので、見つけられたことに私は心の中でガッツポーズをとります。

 そしてイリスと殿下を見つけられたのならペイル達にはもう用事は無いので・・・


「ペイル。そして近衛の方々。お帰りになってよろしくてよ」


「「「は?」」」


 彼らはまとめて帰す事にしました。

 まぁ勿論の事、素直に『はい』と言って帰る訳もないので、私は彼らをかる~く説得し帰す事にします。


「私はねぇ・・・すこぉ~し怒ってるんですのよ?だって殿下は私の婚約者でしょう?そんな方が・・・ねぇ?」


「「「!!!」」」


 本当はそんな事を爪の先程も考えていませんでしたが、私はプッツンと切れている芝居をし、続いて私のストロングさを見せつけます。


「・・・」


「「「な・・・何故いきなり鉄の盾を取り出すんですか?」」」


「・・・っふん!」


 私は彼らの前でおもむろに鉄製の盾を取り出し、それを・・・丸めてやりました。


「監視ついでに護衛は私が引き受けますわ。だからお帰りなさい。・・・こうなりたくなければね」


「「「は・・・はいっ!!」」」


 私の優しい説得が功を奏したのか、ペイルや近衛の護衛達は素直に帰ってくれました。やはり心からの頼みは素直に聞き入れられるんですね。


 と、どうでもいい説得のあれこれはもう終わったのでここら辺にして、早速イリスと殿下の様子を確認する事にしましょう。


「・・・さて、どんな様子かしらね?」


 元護衛達が居た位置から2人の様子を確認してみると、現在2人は露店を冷やかしながら歩いているみたいでした。


「えっとですねマシェリー様、今日のデートはイスの希望でなるべくお金を使わない・・・所謂平民的デートになってるんですよ」


「成程・・・」


 因みになんですが、現在居る場所は商業区、それもどちらかと言えば平民が良く来るエリアとなっています。

 始めは『何でこんなエリアに?』と思っていましたが、そう言う事かと頷いてしまいました。


「因みにイリアス、この後の予定も聞いていますの?」


「はい。聞いてますよ~」


 デートプランの最初の部分を聞いたついでに残りも聞いてみると、イリアスは知っているとの事だったので教えてもらいます。

 それによると・・・


「露店を冷やかしてウィンドウショッピング。後に屋台で昼食。次に広場に行ってそこで行われている劇や芸等を見る・・・ですか」


「はい。あくまで私が聞いたプランは、ですけれど」


 2人が行うデートプランは・・・ゲームでいう『取りあえずデートプラン』でした。

 これはゲームで『何処へ行く?』という選択肢が出た時にこれを選ぶと、『取りあえずこうしておけば好感度が微増。減りはしないが特別なイベントも起きない』という模範デート的なプランです。・・・何処からかテンプレートでも拾って来たのでしょうか?


「って、まぁそれはよろしくてよ」


 ゲームでよく見たプランでしたが、確かにこれならばそこまでお金を使わずにソコソコ楽しめるので有りな選択肢なのでしょう。

 という事で、偶々『取りあえずデートプラン』に似通ったプランなのは気にしないことにして2人の観察を始める事にします。


 ・

 ・

 ・


「ふむ・・・」


 2人の観察を始めて早1時間程、最初は大波が立っていた私の心は現在、小波程度に落ち着いていました。

 というのも、2人のデートは何というか・・・恋人が連れそうというよりは、友達が連れたつといった感じだったからです。


「なんやデート言うよりかは連れと遊びに来た言う感じやな?」


「ですね」


「・・・ふふ・・・私達もあんな感じですしね・・・」


 そしてそれは他の皆もそう思ったのか、口に出して言いあっていました。これはイリアスの『デート』という言葉を重く受け止め過ぎたのかもしれません。


「イリアス、本当にイリスはデートと言っていましたの?遊びに行くとかじゃなくて?」


「え~?言ってましたよ~!あ、ほら!見てください!」


「?」


 イリアスに事の真相を確かめていると、何かあったのか彼女は声を上げました。

 しかしイリスと殿下がしていたのは小物を扱う露店の冷やかし。特に変わった事はありませんでした。


「よく見てくださいよ!あれ!同じ置き物を2つ手に取ってますよ!?一緒の物を買って二人で飾る気ですよ!きっと!」


「・・・はぁ?」


 確かに同じ物を持ってはいましたが、それは直ぐに置いて今度は違う物を見ています。流石に妄想が激しいのではないでしょうか?


 その後もイリアスは行く先々で『食べ物をシェアして食べてます!ラブラブです!』だの『見つめ合っています!あれはキスするのでは!?』等と騒ぎ立てていましたが、どれもよく見ると違ったりしました。

 ここまで来ると流石にこのデート云々も、イリアスが企てた何かではないかと疑ってしまう所でしたが・・・


(それは無いですわね。だって、そうする()()がないんですもの)


 そんな事をした所でイリアスにはなんら特をする事がありません。なのでそうではないと断定しました。


(しかし・・・ここまで健全なデート?だと、何ら思う所は・・・いえ、流石に2人だけで遊びに行っているのはちょっとあれかしら?けれど目くじらを立てるほどでもありませんでしたわね)


 そしてイリスと殿下のデートですが、これはわざわざ自らが監視するほどの事でもなく誰かに頼んで監視してもらうのでも十分だったかもしれないと、そう思えてきました。

 なので私は監視の目を緩め、私達も楽しみながら後を付いて行こうかなと・・・そう思っていた時でした・・・


「あ!見てくださいマシェリー様!あれは流石に・・・流石に・・・えぇっ!?」


「何をまた・・・ホテルへ入って行っただけじゃありませんの・・・・・・えっ!?」



 衝撃の展開が目の前で起こってしまいました。



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「・・・え?」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いです事よ?

 ☆やイイネをぽちっと押すと ・・・え?


 マシェリーの一口メモ

 【わたくしののうははかいされましたわ】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] いえ、流石に理不尽過ぎるじゃん、マシェリーさん。自分から二人をくっつけたのに、いざ本当にくっつけたら許したくないとか、じゃあどうしたいですかね… だからイリスさんと王子様をくっつけはせず、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ