第227話 ホストクラブでの一幕
作者よりお詫び:今回は短めとなっております。
「・・・っく!何をするマシェリー!」
私に平手打ちを食らいワナワナとしているグウェル殿下。
「あら、ごめんあそばせぇ~?」
ムラサキの近くでオホホと笑う私。
「え?あ・・・わ・・・わ・・・あぁ~・・・」
そしてその近くでアワアワとしているイリスに・・・
「あらら?」
ガッツリ関係しているのに『私は何も関係ありませんが?』といった態度をとっているムラサキと、ホストクラブの一角ではかなりカオスな空間が広げられていました。
そんなカオスな空間の中、私は笑いながらも心の中では静かにグウェル殿下の事を考えていました。
(未だ高かった好感度はこれで下がった筈?人から好かれる事自体は悪くはないのですけれど、貴方に好かれたままでは駄目なんですの)
事が起こった経緯としては、『話をしている中で私がムラサキへとベタつきだし、それを婚約者である殿下が咎めると私が小っちゃい等と煽り反論、そして口論になった末に私が平手打ち』という流れでしたが・・・これは話をする中で私に対する殿下の好感度が未だ高い事が解ったので、それを下げるためにワザと起こしたものでした。
更に、イリスに殿下をフォローさせ、それを機に2人の仲を深めようと思っていたのですが・・・
(というかイリス、何時までもアワアワとしていないでさっさとフォローをしなさいな!)
イリスは私達の小競り合いを見てアワアワと慌てるばかりで、ちっともこちらへと干渉してこないのです。
(・・・はぁ~)
仕方がないのでさりげなく目配せと、指先でチョイチョイとサインを送ります。
「・・・!」
(漸く動きますのね。ふぅ・・・やれやれ・・・)
「そうですよ殿下!流石に器が小さすぎます!いやらしい事をしている訳でもないので許容するべきですよ!」
「・・・なっ!だがなイリス!貴族淑女は・・・」
(・・・えぇ~?)
が、何故かイリスはこちらの援護をし始めました。そうじゃないんですが?
と、私があまりやりたくもなかったイリスと殿下の仲立ちの失敗を嘆いていると、場を治める為にあの人物が動きました。そう・・・ムラs
「ウェ~イ!ペガサッスウィ~ングゥ!ってちょいちょいちょーい!喧嘩は良くないよ~お2人さ~ん!ラブ&ピースでいきまっしょい!ウェ~イ!」
いえ、何故か場に飛び込んで来たペガサスでした。
(ふむ・・・この感じだとまだ大丈夫かしら?)
それを確認し、私は頭の中で1人納得していました。あ、それというのはペガサスウィングとやらではなく・・・ムラサキの様子の事です。
実は先程の小競り合い・・・殿下の好感度を下げるだけでなく、ムラサキの人に対する関心度を見る為でもありました。
(魔法とかで煽ってこない所を見ると、もう少し余地がありますわね)
何時か言ったと思いますが、ムラサキが魔王として大災害を引き起こす理由は『人が嫌いだから』。
しかしそれは最初からその感情へと振り切れている訳ではなく、徐々に徐々に感情をため込み、ある一定のラインを越えた瞬間振り切れるといった感じだった筈です。現状ですと人に対してそこまで友好的な感情も無いようですが、憎悪も無いといった感じなので一先ずは大丈夫でしょう。
ですが・・・
(友好的ではない。つまりルートに入っていない事は確定ですわね)
人へ好意を持っていないという事は敵になる事が確定しているという事。つまり、近いうちに魔王として敵になるという事でもありました。
(マクシムの方は最初から変わりがない。・・・次に戦うのはムラサキ・・・ヘイズの方になる確率が高そうですわね)
私はペガサスがウェイウェイ言いながら仲裁をしている中で、そんな事を考えていました。・・・というか、ウェイウェイ五月蠅すぎるのでそろそろ止めましょうか。
「・・・だからさぁ!ラブとピースがウェイでフロントラインな訳よ!皆仲良しハッピッピ~ね?だからさぁ、男ならどんと許してあげることも肝要だし、女でもごめんなさいと謝る気持ちが大事な訳よ?ウェ~イ?」
「ペガサス」
「ウェイ?」
「解りましたから黙りなさいな」
「・・・ウェイ」
そしてウェイを止めた後は状況を収拾させねばならないので、殿下へも声を掛け、謝っておきました。
すると不服そうにしながらも殿下は矛を収めてくれたので、一先ず場は治まり一件落着となりました・・・ので、イリスへとこっそりダメ出しをしておく事にします。
「イリス」
「はい?」
「ああいう場合は殿下につくのが定石ですのよ?自分で言うのもなんですけれど、私につくのはなしでしょう?」
「・・・はぁ?」
「やれやれ・・・だから貴女はイリスなんですのよ?この際きっちりと教育を・・・・」
その後、イリスへのダメ出しをしながらもちょくちょくムラサキの様子を確認したり、ペガサスがウェイウェイしてるのを見つつ殿下とイリスの好感度を下げていったりをして時間を過ごし、頃合いを見計らってお疲れ様会を終了、店を出る事にしました。
「「「またのお越しを」」」
ムラサキやペガサス、その他店のスタッフに見送られて店を後にし、私達は学園へと帰ります。
そして学園へと到着するとそこで解散し、各自部屋へと戻りました。
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そんな何やかんやで楽しかった?合宿とお疲れ様会から数日経ったある日の事でした。
「あ、マシェリー様」
「あらイリアス、ごきげんよう」
その日は土曜日で学園は休み、サークル活動も合宿をしたばかりで休みにしており、私達も珍しく学園に留まり休みを満喫していました。
そんな時、学園内を歩いているとふとイリアスに出会ったのですが・・・彼女から衝撃的な出来事を聞く事となりました。
「今日はイリスや殿下と一緒に居ないんですのね?」
「はい。イスと殿下が2人でデートに行っちゃいましたからね~。流石に着いて行く訳にもいきませんし、今日は1人でぶらぶらですよ」
「・・・は?」
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
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☆やイイネをぽちっと押すと ペガサスが空を飛びますわ。
マシェリーの一口メモ
【ムラサキの魔法はバフデバフといった精神系。怒りや恐怖を煽ると言った事もお手の物ですのよ。】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】




