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第219話 赤の魔王戦 終

「っぐぅ・・・やるじゃねぇか・・・あれまで防いじまうなんてなぁ・・・」


 フレッドは自身の最強とも呼べる魔法で攻撃を仕掛けてきた訳ですが、それを凌がれた事で大分窮地に追い込まれている様でした。

 まぁそれはそうかもしれません。なんせフレッドが使った赤の極炎華は消費する魔力が膨大です。それなのに私達と戦って来て消耗した状態で使ってしまったので・・・


「っち・・・魔力がカラカラになっちまった。ムキになるもんじゃねぇな」


 魔力が枯渇状態に陥ってしまっていました。


(チャンス!ここは一気に・・・)


 しかしそれは私達にとっては千載一遇のチャンス。ここは一気に畳みかけて勝負を決めるべきでしょう。


 まぁ・・・


「オーッホッホッ・・・ゲホゲホッ・・・はぁはぁ・・・」


 私達も魔力が枯渇していたので直ぐに動く事は出来ないんですけれどね!

 というか、条件が一緒なら体力の劣る私達の方が負けるかもしれません・・・ピンチです!

 ですが忘れてはいけません。私達は決して2人しかいないのではなく・・・


「お嬢様!」


「大丈夫かマシェリー!イリス!」


「「「お姉様!」」」


 他にも頼れる仲間が居るのです。


「あ・・・貴女達・・・いいタイミングで来ましたわね。さぁ・・・やっておしまいなさい・・・」


 私はそんな仲間達に『今がチャンスだ』とフレッドを攻める様言います。


「っは・・・まさかひよっこ魔王やお嬢ちゃん達に負けるとはな・・・ふぅ・・・」


 フレッドも流石に魔力が枯渇した状態で魔王含む5人に攻められると無理だと判断したのか、足掻く事無くドカッと腰を下ろし大人しくなりました。

 しかしそこで油断すべきでないと判断したのか、グウェル殿下は遠くから魔法を・・・


「・・・っ!貴女達!」


「「「はいっ!」」」


闇の暗幕(ダークカーテン)


「「「かーくごー」」」


「緑の・・・む?」


 撃ちこもうとした所で私はノワール達へと声を掛け、行動を開始させます。

 この突然の行動に魔法を放とうとしていたグウェル殿下は困惑してしまい、魔法を中断してしまいました。

 そしてこちらへと顔を向けてきたので、私はフラフラの体に鞭を撃ち、声を張り上げ答えてあげました。


「オーッホッホッホッホ!手柄は私のモノですわっ!ごめんあそばせ!」


 そうです、私は手柄を横取りする為にノワール達へ指示し、フレッドへと襲い掛からせたのです。・・・原作通りに。


(う~ん、私ってば悪役しすぎですわあ~)


 実はこの初魔王戦、原作で『悪役令嬢(わたくし)』が何をしていたのかと言うと、両陣営で蝙蝠スパイ、無駄に文句を言って足を引っ張る、そして今の様に『最後に出て来て魔王にトドメを刺していく』と言う様な事をしていたんですね。


 ・

 ・

 ・


「「いやぁぁぁっ!」」


【主人公とヒーローによる攻撃で相手の魔王を倒す】


「ぐぁぁぁっ!・・・や・・・やるじゃねぇか・・・」


【相手魔王は不敵に笑いつつも負けを認め、『トドメを刺せ』と促してくる】


「そ・・・そんな。もう勝負はつきました。それでいいじゃないですか!?」


「いや、流石にそれでは・・・」


「そうだぜ。それじゃあ国民・・・いや、国民を虐げ、操る貴族共が黙ってねぇんだよ嬢ちゃん」


「・・・えっ?」


【主人公だからかラブ&ピースを語るも、相手魔王が衝撃の事実を語り始める。そのまま暫く色々な会話が続くが、突然乱入者が現れる】


「オーッホッホッホッホ!何をちんたらやってますの!やらないなら私がやらせていただきますわね~。貴女達っ!」


「「「はい!」」」


「うっ・・・ぐぁぁっ!!」


「オーッホッホッホッホ!これで手柄は私のモノですわね!ごめんあそばせ!オーッホッホッホッホ!」


【乱入者の悪役令嬢は手下に命じ相手魔王を攻撃。トドメを刺してさっさと去って行く】


「フ・・・フレッドさんっ!!」


 ・

 ・

 ・


 とまぁ、こんな感じにです。


(スパイをしていた事がバレない事を兼ねての口封じ・・・我ながらクズ極まれりですわねぇ・・・)


「お嬢様、終わりました」


 と、そんな風に原作の事を思い返していると、ノワールの魔法が解け彼女らが姿を見せました。

 私は彼女らへと1つ頷くとフレッドの方へと顔を向けます。


「・・・ぅっ・・・」


 すると理想的な感じに瀕死状態になっていたので、私は横でぜぇはぁ言っていたイリスの背を軽く叩きます。


「ふぅふぅ・・・マシェリーさん・・・?」


「フレッドの最後ですのよ?看取ってあげなくては」


「・・・ぁ・・・はい・・・」


「殿下も」


「・・・ああ、そうだな」


 殿下は『先程嬉々として仲間にトドメを刺させたのに、コイツ・・・』みたいな顔をしていましたが、私の言う事も確かだと思ったのか頷き、私達と共にフレッドへと近づきます。

 そして直ぐ近くまで近づくと全員で膝を折り、声を掛けます。


「フレッド」


「・・・ぁぁ」


「お疲れ様でしたわね」


「・・・ぉぅ・・・」


 3人がそれぞれ短く別れの挨拶を言っていき、フレッドはそれに応える。

 そんな時間が続き、最後にイリスが声を掛けた時でした。


「えっとその・・・」


「・・・嬢ちゃん、手、貸しな・・・」


「ぇ?ぁ・・・はい・・・?」


 フレッドはイリスに手を出す様に言い、イリスがフレッドの手を握ったかと思うと何事かを呟き始めました。


「▼Яε§ε・・・・」


「「「???」」」


 3人がそれをキョトンとした顔で見ていると・・・


「えっ?なんですかこれ・・・」


 イリスの体から赤い靄の様な物が出てきました。


「あ、治まりましたわね」


 しかしそれは直ぐに治まり、何事もなかったかのようになります。

 ですが何事かは確かに起こったので、その説明を求める為フレッドへと顔を向けましたが、彼は目を瞑り小さな声で・・・


「終わりと始まりの色だ・・・」


 と、だけ呟いたかと思うと、そのまま静かになってしまいました。


 ・

 ・

 ・


 その後、戦争は一気に沈静化を迎える事となりました。


「「「殿下達が赤の魔王を打ち取ったぞぉ~!!」」」


 というのも、この様に私達がフレッドを倒した事が広がり、赤の魔王側の勢力が一気に衰えたからです。


「・・・我々ブラッド家の負けだ。降伏しよう」


 ブラッド家の面々も自分達の家族が倒された事に失意したのか、大きな抵抗も無く降伏、投降したので、残党処理が長引くと言う事もありませんでした。

 そんな事なので私達は手早く王都へと帰還する事が出来、諸々の報告と処理がなされました。


 そして私達がフレッドを倒してから1週間もする頃にはすっかり全ては終わり、王国の人々の生活は前と変わらぬいつも通りのモノとなりました。

 それどころか、未曽有の対魔王戦という危機を乗り越えた事により、王国はより一層活気づき、平和となっていました。



 ・・・表面的には、でしたが。



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「兄貴ぃぃぃ!!」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いです事よ?

 ☆やイイネをぽちっと押すと 兄貴が起き上がりますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【アナタの中のフレッドを信じるアナタを信じてくださいまし。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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