第211話 予期せぬ人物と予期せぬ衝撃≪イリス視点≫
マシェリーより:申し訳ありませんが、今回は少し短めとなっておりますわ。
≪イリス視点≫
「えっと・・・グウェル殿下?マシェリーさんも呼んでたんですか?」
そこに居て当然、とでもいう様にマシェリーさんが椅子にふんぞり返っていたので、私はついついグウェル殿下へと尋ねてしまいます。
しかし、それに対する答えは返ってきませんでした。
「グウェル殿下・・・?」
なので『如何したのか』と、グウェル殿下の顔を見ると・・・
「???」
「・・・あ」
どうやら彼は困惑しきっていた様で、不思議なモノを見た猫みたいな表情をして固まっていました。
そしてそれにマシェリーさんも気づいたのでしょう、話の矛先を私へと変更してきます。
「平民さんの所為で遅かったんですのねぇ?やれやれですわぁ・・・。で、貴女がトロトロしている間に準備を進めてあげたんですけれど・・・何か言う事はありませんの?」
「あー・・・はい。ありがとうございます」
「そうそう!謙虚な平民こそが良い平民です事よ!そんな謙虚な平民さんはお疲れの殿下を宿へとお連れしてあげなさい!宿は・・・レイ!」
「あい・・・はい、姫。殿下御一行様、俺がご案内するますです。付いて来て下さい」
ですが特に喋る気もなかったのか、私達に宿へと行く様指示してきました。私としても移動しっぱなしで疲れていたので、それに素直に従う事にします。
そうして部下?の男性に連れられて、私達は宿へと移動しました。
「こちらに宿をとってあるよです。おーい、殿下達が来たよ!」
殿下が居るからでしょう、宿はとても広く豪華な場所でした。しかし従業員は居ないのか、臨時で兵士が従業員を務めている様で、私達はその兵士に案内され部屋へと移動します。
「こちらの2階をご自由にお使いください!食事は1階にあります食堂へ行けば出してくれます!しかし申し訳ありませんが、その他諸々はご自分でご用意ください!何しろ従業員はおりませんので!ああ、一緒に来た騎士団の方は、向かいの宿に分散して泊まっているそうです!それでは!」
兵士の方は私達を案内する也そう言い去って行きますが、フロントには詰めていると言っていたので、何かあればそちらへ行けば良さそうです。
「えーっと・・・」
そして兵士の方が去った後『どうするか』となったので、取りあえず部屋割りだけ決め、その後食事にする事にしました。
「じゃあ私とリアはあそこの部屋を使いますね。取りあえず荷物を置いて、食堂に集合でいいですか?」
「ああ・・・そうしよう・・・」
さっくりと私はリアと一緒に使う部屋を決め、殿下に断り部屋へと入ります。
そして部屋へと入ると荷物を降ろし軽装へと着替えて食堂へと移動しますが、手早く動き過ぎたのか、未だ殿下達が来ていなかったので椅子に座り待つ事にします。
「待たせたな」
暫く待っていると殿下達が食堂へと現れます。気持ち先程よりかはしゃっきりとした動きをしているので、気持ちの切り替えが出来たのでしょう。
その証拠に殿下は食事を頼んだ後、明日の話やこの後の動きについて話し始めました。
「いきなりの事で面を食らってしまったが、明日もう一度本部へと向う。そして、色々差配してくれたマシェリーに話を聞く事にしよう。今日は・・・もう夕方近いからな、少し早いが休むことにしよう」
国から正式にここを任されているのは殿下なので、この動きは至極真っ当なモノでした。なので私達は反対意見を出す事もなく頷きます。
「よし、では食事も来た事だし食べるとしよう」
そんな事を話していると食事が来たので、私達は雑談を交えながら食べ始めます。
そして食事を食べ終わると先程言った通り、少し早いですが就寝タイムとなります。
「しかしビックリしましたねイス。まさかマシェリー様がいるとは・・・」
「だね。オーウェルスの家にも国から何か要請でも来たのかな?」
「あー、そうかもしれませんね。あ、そういえばイス、案内してくれた人・・・レイさんだっけ?美形じゃありませんでした?」
「え?よく見てなかったけど、そうだったんだ?」
「ですよ!しかも私のセンサーによるとですね・・・マシェリー様と何か関係が!」
「ええ!?」
しかし早いだけあり未だ眠気は来ず、ついついリアと雑談に興じてしまいます。
こうして到着1日目は何事もなく過ぎていったのですが・・・
・
・
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翌日、早速大事件が起こりました。
「・・・ぇ?」
「・・・なん・・・だと・・・?」
余りの事に、殿下が眼を引ん剝き、顎が外れそうなほど口をかっぴろげてしまう・・・そんな大事件です。
(いやいやいや、嘘でしょう?・・・嘘ですよね?ね?)
勿論私も取り乱し、心の中で『あれは何かの見間違い』だと繰り返し呟いてしまいます。
しかし・・・
(まさかそんな・・・夢・・・?これは夢?うんきっとそう。だって・・・・)
「うふふ・・・」
「ひ・・・姫は甘えん坊だねえ・・・ヤレヤレー」
(夢・・・夢・・・夢・・・じゃない・・・?)
何度繰り返したところでその幻覚は消えてくれず、目の前のアレが現実だという事をありありと知らしめてきました。
そう・・・あのマシェリー・フォン・オーウェルスが、カッコいい男性にべったりと甘えているという・・・そんな現実を。
「えぇ?マシェリー様達とあのイケメン軍団が3階から降りてきた?ってことは・・・えぇ・・・これは大事件じゃないですか・・・?」
更にその有り得ない現実を目撃したのは2階から3階へと上がる階段部・・・つまり、あの男女が混じった集団は昨夜、全員が3階にいたことになります。
私はその憶測と、今見ているマシェリーさんとレイと名乗っていた男性、それにマルシアさん達と見知らぬイケメン達がべたべたとくっ付いている様子からどういうことなのかを推測してしまい、余計にショックを受けてしまいます。
「うふふ・・・レイってば・・・素敵でしたわよ・・・あら?殿下にお付きの方々じゃありませんの、ごきげんよう。昨夜はゆっくりとお休みになられまして?」
そんな私達を余所に、マシェリーさんは軽い感じで私達に声を掛けてきました。
が、私達が気軽に挨拶を返せるはずもなく、ぎくしゃくとお辞儀をするか、手を軽く上げるかしか出来ませんでした。
それをマシェリーさんは気にしていなかったのか、『先に本部に行っていますわね』とだけ言って軽やかに去って行きます。本来なら私達もそれに続き、本部へと向かわなければならないのですが・・・
「「・・・」」
私と殿下は暫く固まって動けずに居ました。
こうして、衝撃の一幕から1日が始まってしまいましたが、これは始まりに過ぎず・・・私達はこの後も、度々衝撃を受ける事となってしまいました。
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
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マシェリーの一口メモ
【オーッホッホッホッホ!】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
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よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】




