第208話 楽しいキャンプは終わり・・・
「はぁ・・・短い5日でしたわ・・・」
女子会キャンプを始めてから早5日、気がづけば何時の間にか帰る日となっていました。
私はベッドから起き出し、ノワールから差し出された洗顔桶で顔を洗いながら頭の中でこの5日間の思い出を反芻します。
(温泉は毎回最高だったし釣りも面白かったですわね。陶芸は・・・先生が最高でしたわね。また来ようかしら?それに鍾乳洞探検や山の中の散策、川でのボート遊びも楽しかった。うぅ・・・まだ遊んでいたいぃぃ・・・)
思い出せば思い出すほどまだまだ遊んでいたいと言う気持ちが沸きあがってきますが、来る日に向けてやる事はまだまだあります。なので私はそれらの思い出を頭の隅へと追いやり、断腸の思いで気持ちを切り替える事にします。
「ふぅ~・・・よしっ!行きますわよノワール!」
「はい。・・・はい?どこへでしょう?」
「イリスの所へ!ですわよ!」
「畏まりました?」
私は朝の用意が住む也部屋を飛び出し、イリスが居る部屋へと向かいます。
そして扉を開けるなり未だ寝ていたイリスの布団を引っぺがし、ついでに服も引っぺがします。
「ふぇ!?何々!?え?マシェリーさん!?何で私の服を!?」
「イイからイイから!着替えさせてあげますわ!」
「えぇ!?!?」
楽しい思い出を頭の隅に追いやり気持ちを切り替えたと言いましたが・・・あれは嘘です!未練たらたらです!
しかし気持ちを切り替え動かないといけないのは確かなので、私はなんとか切り替えられないかと思案し、結果『最後に思う存分イリスを弄ったら満足するのではないか?』という思考に落ち着きました。
「ちょっとマシェリーさん!?何で下着まで脱がすの!?」
「女子力はね!細かい所から出てきますのよ!だからそのダサいパンツを脱ぎなさい!私と一緒に行動するのにそのダサさは容認できません事よ!」
「ひゃぁぁ~!?」
そしてその考え付いた結果を今、存分に満たしている訳です。
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数分後、私はとても満足な顔をしてニコニコしていました。
「・・・うぅ・・・」
イリスはその逆で、『もうお嫁に行けない』的な恥ずかしそうな顔をしていましたがね!
しかしです、最後だからって存分に弄らせてもらった結果、中々の出来になったのではないでしょうか?
「うぅ・・・これって下手したら短いスカートよりあれじゃないかぁ・・・」
今日のイリスはへそ出しシャツ+ホットパンツとなっており、現代でも『割と攻めた感じの服装なのでは?』と評されるファッションとなっていました。
ですがそこはイリスクオリティ・・・
「ん~・・・でもイス、活動的って感じで中々似合ってるよ!帽子とか被ってもいいんじゃないかな?」
現在の中性的で活発的な様子と良くマッチし、そこまで違和感ない仕上がりとなっていました。
これには私も大満足でニッコニコ。最後にいい仕事が出来た感じがしました。
「よし、では朝食を食べて、陶器だけ受け取って帰りましょうか!」
なので上手く気持ちを切り替えられたので、サクッと次に進む事にしました。
「あ、はーい」
「うぅ・・・解ったよ・・・」
シレッと自分はいつもな感じの装いに着替えていたイリアスと、私に弄られる事に慣れたのかテンションは低いモノの動きは機敏なイリスを従え、私はリビングへと移動します。
すると私がイリスを弄っている間に起きていたのでしょう、マルシア達も起きて椅子に座っていたので、早速朝食をとる事にしました。
「ノワール」
「はい。5分ほどお待ちを」
いつも通りノワールに朝食を用意してもらい、それを皆で雑談交じりに食べます。そしてそれが終わると、イリス達に宣言していた通りにさっさと帰り支度を始める事にします。
と言っても予めスーパー使用人のノワールが全員分の荷物等を綺麗に管理してくれていた為、直ぐにそれは終わりました。
なので私達はサッサとコテージを引き払い、陶芸教室へと向かいます。
「割れてないといいんですが」
「大丈夫なんちゃう?割れるの稀や言うてたし」
「・・・ですです・・・あぁ・・・私の花瓶・・・早くこの手に・・・」
普通ですともっと時間が掛かったりするものですが、そこはファンタジー世界とも言うべきか・・・3日前に作ったモノが本日既に焼きあがっているそうなので、受け取りに行くのです。
(しかも本来素焼き?とか釉?を塗ったり色々工程がある筈なのに、何故か一括でポンですし・・・ファンタジー極まれりですわね)
不思議なこの世界の事を考えていると陶芸教室へと着いたので、私達は講師の方を呼び作品を受け取ります。
そう・・・受け取ったのですが・・・
「あらあら・・・」
「ごめんなさいねお嬢さん・・・あんなに手伝っておきながらこんな事になってしまって・・・」
「いえ、先生の所為じゃありませんわ」
私の作品はなんと・・・割れてしまっていました。
と言っても私的にはそれほどショックでもなく、寧ろ『邪念アリアリで作ったからかしら?』と反省の方が強く出ていました。
ですがその様子を見てショックでしおらしくなっていると思ったのか、イリスが私の傍へとやって来て慰め始めたではありませんか。
「マシェリーさん、作品が出来上がるのも楽しさだけど、その工程も十分な楽しさだと思わない?だからさ、今回は割れちゃったけど、『また来て一緒に楽しむ』っていう楽しみが出来たと思ったら・・・ね?」
イリスはそんな感じの事を言いつつ私の背中を撫でてきたので、私は逆に彼女の曝け出された生太ももを・・・パンッと叩いてやりました。
「いたっ!え?え??」
「同情するなら作品をくれ!ですわ!というか、私は別に落ち込んでいませんわ!」
ここでしおらしい感じをだしセクハラをし始めると好感度が上がりそうな感じがしたので、ツンっと突き放してみたのですが・・・イリスが『あれっ!?』みたいな不思議な顔をしているので、どうやら正解の様です。
しかし同時に講師の方も『やっぱり怒ってる!?』みたいな顔をし始めたので、これ以上イリスに何か言おうものなら講師の方も傷つきそうです。
なので私は講師の方へと優雅に挨拶をし、そそくさと陶芸教室の部屋から退散する事にしました。
「ふぅ・・・あ、ノワール、皆が出て来たら陶器を収納して上げて」
「畏まりました」
私が部屋から出て少しすると、皆も順々に出て来ます。やがて最後の1人だったイリスが出て来た所で私は登山道・・・ではなく、駅の様な場所へと向かいました。
「さ、帰りはあれに乗って行きますわよ」
駅の様な場所と言いましたが、正しくは魔導ゴンドラ乗り場です。何故その様な場所に向かったかと言うと、行きは徒歩で昇ってきましたが、帰りはある理由により魔導ゴンドラで帰る事にしたからです。
そしてその理由とは・・・単に私が乗ってみたかったからです。
とまぁそんな訳で・・・そんな訳とさせてもらいまして!私達は魔導ゴンドラに揺られ、麓までのんびりと移動をします。
そして麓へと着くと来た時と同じく馬車に乗り、ゲートを経由して王都へと帰りました。
「私達は用事がありますのでここで解散といたしますわね。荷物は・・・サービスとして後でノワールに届けさせますわ。感謝しなさいね?」
王都へと到着すると、私達は行く所があるのでイリス達とはそこで解散となります。イリス達もそれは納得した様で頷いたのですが、イリスは何か別に言いたい事があったのか、手を上げてアピールをしてきました。
私は何かと思いイリスへと水をむけると・・・
「あの・・・服だけ受け取ってもいいかな?流石にこの格好で街中を歩くのはちょっと・・・」
との事でした。
勿論私としてもイリスのえっっ!な姿を一般観衆に見せるのはあれでしたので、服を返し・・・はしませんでした。
「最初にダサい服を着ていた罰です事よ!そのままの姿で帰りなさい!オーッホッホッホッホ!さ!皆!行きますわよ!」
「えっ!?」
「「「はいお姉様」」」
「それではごきげんよう!オーッホッホッホッホ!」
「えぇぇぇえ!?」
確かに一般観衆にあのような姿を見せつけさせるのはアレですが、それでこそ好感度が下がるというモノ。
ですので私はイリスをこの世界では『痴女かっ!?』と言われんばかりの恰好で放置し、さっさと逃げました。
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「暗い部屋で。静かな音楽が流れていると素敵ですわね」
「案内します」
そうしてイリス達から逃げ出した私達はジョン&ジェーンの情報屋に来ていました。
「いらっしゃいませ。・・・あれ?マシェリー様じゃないですか。送った情報に何か不備でも?」
「いえ、5日程王都を空けていましたので、念の為に確認と寄ったまでですわ」
以前何か動きがあれば向こうから知らせてくれるように頼んだのですが、上記の様な理由によりこちらへと尋ねる事にしたのです。
そしてその念の為が当たったのか、ジェーンの口ぶりからすると何かあった様なので尋ねてみると・・・
「え!?魔王に動きがあったんですの!?」
楽しい女子会キャンプから帰って早々、楽しくない報告が私達を待っていました。
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
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☆やイイネをぽちっと押すと 私も履いてさしあげますわ。
マシェリーの一口メモ
【ホットパンツには生足派とタイツ派があるのですが、私は断然生足派ですわ。理由としては・・・うんぬんかんぬん・・・】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】




