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第205話 逆夏休みデビュー計画

「明日から夏季休暇!ですわね!」


 いつの間にか季節は夏になり、夏季休暇へと突入していました。・・・まぁ私達は妙な制度を使い休みまくっているのでそれ程変わりはないのですが、ね。

 しかし気分的にはウキウキしてしまうので、私はいつもよりテンションが高くなっていました。


「ダンジョン巡りなどせず、今度は純粋な休暇としてリゾート地に行くのもいいですわね。それとも涼しい場所でのんびりと読書?ん~・・・休みっていいですわね~」


 私はスキップでもしそうなほどに弾んだ声を出し、()()を軽快に登りながらすぐ後ろに居た者へと声を掛けます。


「ねぇ?そう思いません事?イリス?」


「そう・・・ふぅふぅ・・・だね・・・はぁはぁ・・・」


「あらやだ、もうお疲れですの?おぶって差し上げましょうか?ねぇ?」


 いきなりの展開に驚いている方が居るかもしれませんので説明しておきましょう。

 現在私達が居るのは・・・山!それもかなり急勾配となっている場所で、普通ならば『ギャー』という生き物に乗ったり、『魔導ゴンドラ』といった乗り物に乗って登る様な山です。

 そんな場所を今、私達は徒歩にて登っていたりするのですが、何故登っているのかと言うと・・・女子会をするためです。

 ・・・え?何言っているかちょっと解らない?

 いやいや、女の子だけが集まってワイワイ騒げば、それはもう女子会でしょう?違うという意見は・・・まぁ認めますが。


「え?いいのかい?それじゃあ・・・」


「嘘に決まってますわよ?頑張ってお登りなさいな」


 しかしキャッキャウフフと戯れているので女子会という事にしておいてください。

 それに、今は険しい道を上ってはいますが、登り切ったらキャンプ場で遊ぶのであながち間違いではないと思いますしね。


 ・・・と、まだ少し解りにくい説明だと思うのでもう少し詳しく説明をすると、私達はチームマシェリーとイリス、イリアスの女子のみで山で遊ぶことにしたのです。因みに比喩表現ではなく、本当の意味での遊びですのでご心配なさらずに。

 何故山で遊ぶのかという事については、『毎年海には行っているけど、山には行ったことがないわね』ということで山に来ることになりました。

 そしてイリスとイリアスを連れて来ているのは、2人とキャッキャウフフと遊び、ネッチョリとした関係になる為・・・ではなく、イリスを変えようと思っているからです。


(チェンジですわチェンジ!流石にもう少し原作に近づけておかなくては何をしでかすか解りませんからね!)


 主人公であるイリスは本来ですと『THE主人公』と言った感じの特に癖がない女の子のはずです。しかし何故か現在の彼女は『THE○塚』といった感じで癖つよつよ女子となっています。

 悪くは無いのですが、そのせいで本筋に無い突拍子もない事をされても困りますし、本来の彼女と違い『強さ(ステータス)』が弱い気がするので、この際一度本来の姿に戻してみようと思います。


(この女子会で華麗に元の姿にチェンジさせてあげますわ!逆・夏休みデビューですわよ!)


 とまぁ、私達が山のキャンプ場に向かっているのはそう言う理由です。あ、険しい道を徒歩で上っているのは唯の趣味だったりするので、特に意味はありません。・・・私とっても健康で元気が有り余ってるので、動くのが楽しいんですよね。


 そんなこんなでイリスへと嫌味を言いつつ登山を完了させ、キャンプ場へと到着すると管理人が居る建物で受け付けだけ済ませコテージへと向かいます。・・・今回は女子会という事でもあるので、お手軽にコテージを借りておいたんですよね。


「可愛らしい建物ですこと~!犬小屋みたいですわ~!」


「え?十分普通に家じゃ・・・」


「あらぁ?ああ、ごめんあそばせ?オーッホッホッホ!」


 親密度上昇回避のために金持ちマウント等を取りつつ、先ずは部屋割りを決めていきます。因みにここで下心をだしてイリスと同室にしてしまうと、親密度が爆上がり待ったなしになってしまうので上手く回避です。

 そして部屋割りを終えると・・・お着換えタイムです。


「山へ来たのなら山の衣装へ!これが山への礼儀ですわ!」


「え?そうなの?」


「そうですわよ!はぁ・・・だめだめですわねぇイリスは。イリアス!貴女なら解りますわよね?」


「勿論です!マシェリー様!」


「なら教えて差し上げなさい!」


「イェスマム!さぁイス!お着換えしますよ!」


「あ、うん」


 私は謎理論を繰り出し、無理矢理イリスを着替えさせます。

 何故そんな事をさせるかと言うと・・・イリス改造計画の1歩目だからです。


(先ずは姿形からと・・・)


 イリスを改造するにもどうしたモノかと思ったのですが、先ずは服の感じから以前の様子に寄せていき、次いで所作等を誘導していき以前の姿に寄せていこうと考えていました。これはかなりガバガバな考えですが、今よりは以前のイリスに近づくはずなのでやって損は無いでしょう。


 ・・・ということで・・・


「んん・・・スカートは久しぶりだなぁ・・・」


 イリスはパンツルックから留学以前に良く穿いていたスカート姿へとお着換え完了となりました。


(んんん・・・懐かしき清楚感!そして懐かしき生足!)


 私は在りし日のイリスを見た気がして親指を立て掛けましたが、やると不審な目で見られそうなのでぐっとこらえます。

 そして私達も着替えるかと決めた部屋へと入り、ガチガチの山登り姿からもう少し楽な服装へと着替えます。


「あ、ドレスじゃないんだ」


「こんなド山奥でドレスはきついですもの」


 着替えた後部屋から出るとイリスから突っ込みを入れられましたが、こんな山奥でドレスなんて着ていたら狂気の沙汰なので否定しておきます。まぁ、ゲームだとかなりいかれているので山奥だろうがジャングルだろうがドレス姿でいるでしょうがね。


「でもその服も可愛いね。似合ってる」


「あ・・・当たり前ですわ!オーッホッホッホ!さぁ!着替えたら外に行きますわよ!」


 そんなイカレテいないハーフパンツにシャツという超ラフな服装をイリスに褒められたのですが、私は笑って誤魔化し外へと行きます。するとマシェリーキラーと化しているイリス、そして他の皆も出て来たので、私は皆へとこれからの動きの提案をします。


「これからですが、川にでも行きません事?釣りもできるそうなので、魚を釣ってそれを夕食にしましょう?」


 この提案に皆も乗り気になってくれたので、私達はコテージにオプションで付いていた竿を持ち出し川へと向かいます。

 そしてポイントを決め、いざ釣り開始!・・・となったのですが、私はノワールにイリスへと着く様指示を出します。


「畏まりました」


「え?」


「さ、イリス様。こちらへ。あ、針に餌をお付けいたしますね」


「あ・・・うん。ありがとうノワールさん」


 これはイリス改造計画第2弾『エスコートをされる事により女の子を出していく』です。今のイリスは頼りがいのある女性と言う感じなので、逆にエスコートする事により以前の様な女の子に戻ってもらおうと言う作戦です。効果のほどは不明ですがね!


「では私達も始めましょうか」


「「「はい」」」


「あ~ん・・・マシェリー様ぁ~!私の餌もつけてくださ~いぃ・・・」


「・・・貴女は別に女を出さなくてもよろしくてよイリアス?」


「違います~!本当に虫が苦手なんですぅ~!」


「仕方ありませんわね。貸してごらんなさい」


「ありがとうございます!」


 何故か私もイリアスをエスコートすることになりましたが、イリアスとならばいくら親しくなっても問題は無いのでいいでしょう。

 ということで、私はイリアスの世話を焼きつつ釣りを楽しむ事にしました。


 ・

 ・

 ・


「ん、堪能したし釣果は十分。そろそろ切り上げましょうか」


 2,3時間釣りを続けていましたが、そろそろいいかなと切り上げる事にします。皆の様子を見ると、全員楽しめていた様なので問題は無いでしょう。


「大丈夫ですかイリス様。この辺りは足場が悪いのでお手を」


「あ・・・うん。ありがとう」


 そしてイリスもいい感じにエスコートされているので、このままノワールに続けてもらうとしましょう。

 私はイリスとノワールの様子を確認すると、皆に次は何かしたい事があるかと尋ねてみます。

 すると景色がいい場所が近くにあるらしく、夕飯まで散歩でもしようという事に決定しました。


「それじゃ、釣った魚を一旦コテージへ置いたらそうしましょうか」


「「「はーい」」」



 こうして私達の楽しい夏季休暇、兼イリス改造計画はいい感じにスタートを切りました。この調子で楽しく、そしてイリスが上手く変わってくれればいいのですが・・・



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「逆デビューとは・・・うごごご・・・」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いです事よ?

 ☆やイイネをぽちっと押すと 私が夏休みデビューしますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【戦士にも休息は必要・・・と言う事で、お遊び回ですわ!戦ってばかりもアレですので、許してくださいまし!】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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