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第202話 遊びの次はダンジョン攻略!

「しょ・・・しょんなにしにゃ・・・っふぁ?・・・あ・・・?夢?」


 甘美なる光景から急に薄暗い部屋へと変わり、ふと横を見ると朝日と思わしき薄明かりがカーテンの隙間から差し込んでいました。・・・どうやら知らぬ間に寝入っていた様です。


「・・・んん?ということは、昨日の事は全部夢だったりしますの?」


 となると先程までの事が全部夢に思えてしまいましたが、それにしては細部まではっきりと残っているので一部は本当なのかもしれません。


 ですがそれ等を追及するのは追々にするとして・・・


「今日からは真面目に動くモードにならなくては!ノワール!」


「はい、ここに」


「朝の用意を!」


 居るだろうと思い声を掛けると何処からかニョッキリとノワールが生えてきたので、私はノワールに手伝ってもらい身支度を済ませます。

 未だ武装するのは早いのでその手前まで用意し終わると、取りあえず個室を出てリビングへと向かいます。


「・・・未だ誰も起きていませんのね」


 因みに今いるのはサマンサのマルドール家が所有する別荘の1つで、マルタに滞在する間はここを一先ずの拠点としています。

 ここに滞在している間は大体リビングに居る感じになっているので、未だ誰の姿もないという事は皆寝ているという事なのでしょう。というか、未だ日が昇るかどうかの時刻なので当然と言えば当然かもしれません。


「・・・お茶でものみましょうか」


「はい。直ぐに準備いたします」


 少し張り切り過ぎたと今更ながらに思い、取りあえず皆が起きて来るまでお茶でも飲んで落ち着こうと思い、私はノワールにお茶を用意してもらいます。


 そうしてノワールと2人で早朝ティーをキめているとマルシア達が起きだしてきたので、ティータイムから食事タイムへと移行します。

 そして食事タイムが終了すると再びティータイムへと入り、そこで今日の動きを説明する事にします。


「さて、今日からは昨日と一転、お仕事に移りますわよ?ここ来た目的はあるダンジョンだとは言ったと思いますけれど、詳しく言っていなかったので説明しますわね」


「「「はい」」」


「今日行くのは『海底神殿ダンジョン』で、目的はそこにあるスキル書が目的となっておりますわ」


 私がそう言うと、この辺りの土地を知っているサマンサが手を上げて質問してきました。


「ウチ『海底神殿ダンジョン』なんて聞いた事ないんやけど、ここら辺にあるんです?」


「ええ。まぁ普通は気づかないと思うから、知らなくても無理はないですわよ?」


『海底神殿ダンジョン』はゲームでいう所の終盤近くのダンジョンなので、行き方も普通の物では無かったりします。

 具体的に言うと、『前提ダンジョンでヒントを貰い、そのヒントを元に探し出す』といった行き方になるのですが・・・


(すでに知っているので問題は無し・・・と)


 そこは周回プレイヤーの特権と言いますか、既に行き方を知っているので問題は無かったりします。

 それどころかそのダンジョンの裏技的攻略法も考えたので、もしかしたら全てをすっ飛ばし目的の物をゲットできるかもしれません。


(普通に攻略は出来るでしょうけど、かなり時間がかかりそうですからね)


 私はその攻略法の細かい所は説明しませんでしたが、必要となるモノは説明し、それを用意する様に言います。

 その他にも、一応普通に攻略する事になった時の為のアイテム、その際のマップやどんな敵が出て来るのか等を説明していきます。因みにそこら辺の情報は何時もの如く『やはりお姉神様(ねえしんさま)は全てを知っている!』となったので、詳しい事情は説明せずに済みました。


 その様に一通りの説明が終わると準備の時間となり、必要なモノはそう時間がかからずに用意できるとの事なので、私はその間に『海底神殿ダンジョン』への道のりを確認しに行く事にします。

 一応危険があるので武器防具だけフル装備し、ノワールを伴いそこへと向かいます。


 ・

 ・

 ・


「さて、ここをこうすると隠し扉が開くはずですけれど・・・」


 現在私とノワールは別荘から1時間程離れた『マルタの浸食洞ダンジョン』、そこにある小部屋へと訪れていました。

 ここは入口にほど近い場所にあり、綺麗な陸サンゴと呼ばれる物がある以外は特に何もない部屋です。まぁ私が口にしている様に、仕掛けを動かせばその限りではない筈ですが。


「・・・ん、いけましたわね」


 そしてそれは正しかった様で、私が仕掛けを解くと特に何もない壁だった筈の場所が音を立てて動き、奥に続く道が姿を現しました。


「ここからは全員で行くべきですから、一旦帰りましょうか」


「はい」


 この先へと行くと『海底神殿ダンジョン』へと続く転送陣がある筈ですが、そこまでは確認しなくてもいいだろうと思い、私はそこで一旦別荘へと帰る事にしました。


 ・

 ・

 ・


 そして再び1時間程かけて別荘へと帰り、準備が終わっていたので用意を万全にして私達は仕掛けのある部屋へと戻ってきました。


「「「おぉ~・・・」」」


「驚くのは仕方ありませんが、先に進みますわよ?」


 仕掛けは自動的に閉じる様で元に戻っていました。なのでそれを動かすと、始めて見るマルシア達は目を丸くしていましたが私は彼女らを急かし奥へと進みます。

 するとやはり転送陣がそこにあったので、私達はそこへと足を乗せます。


「「「おぉ~・・・」」」


「ほわぁ・・・」


 一瞬の浮遊感の後視界が切り替わると、マルシア達が再び目を丸くしましたが、今度は私も目を丸くしてしまいます。

 それというのも『海底神殿ダンジョン』が予想以上の絶景だったからです。


(ゲームでもそういう表現は有りましたが、まさかこんな感じとは・・・)


 ここは『()()神殿ダンジョン』というだけあり謎のバリアー1枚で遮られた外は水で満たされていたのですが、あまり深い場所ではないのか、上部からは日の光が降り注いでいました。

 そしてその降り注ぐ光なのですが、それは地上に居る時の様に唯々真っ直ぐに降り注ぐのではなく、揺らぐ海面で乱反射したものが海底へと届けられるていました。それだけ聞くと『ミラーボールみたいで眩しい』と思うかもしれませんが、間の水が光を柔らかなモノに変えているので、得も知れぬ美しさになっているのです。


(テレビで見たダイビングの映像みたい・・・)


 前世のテレビで見たモノを思い出しぼやっとしていたのですが、『ザクザク』という妙な音が聞こえて来たのでハッと周りを見回します。

 すると、近くにあった岩の陰から何かが出て来ていたので、私はマルシア達に注意を促します。


「何かいますわよ!注意して!」


「「「はい!」」」


 しかし彼女らもそれに気付いていたのか、私が言うまでもなく武器を構えていました。

 そうやって様子を見ていると、岩の陰から一匹のモンスターが姿を見せます。確かあれは・・・


「ドリルクラブ」


 そのモンスターは両手のハサミがドリルになっている大きなカニ型のモンスター『ドリルクラブ』でした。

 字面だけで聞くと割とコミカルな感じがしますが、意外とレベルは高く、何より実物は私達の2倍はある巨体だったので中々に威圧感がありました。


『・・・ギュィィン!』


「戦闘開始!前に出ますわ!サマンサ!魔法を!」


「「「はい!」」」


「まかせてや!雷の槍(サンダーランス)!」


 水棲系の敵はホボホボ雷に弱いのでサマンサへと魔法を撃つよう頼み、私はバトルアックスを担いで前へと出ます。

 私が接敵する前に雷魔法が決まり、それがかなり効いたのか、私が一撃を食らわすとドリルクラブはあっさりと体を泳がせます。


「硬いっ!皆!魔法で攻めた方がいいかもしれませんわ!」


「「「了解!」」」


 しかし体を泳がせただけで刃がそこまで通った感触はしませんでした。なので私は皆へと魔法で攻める様に言います。


「『アーマークラッシュ!』」


 まぁ私は物理で攻めましたが!


「カニッ!?カニィィィィ!!」


「どんなっ!鳴き声っ!ですのよっ!『振り下ろし!』」


 そこまでは刃が通りませんでしたが、通るのは通っているのです。魔法を食らわせるにも体表を傷つけてからの方が効果がある筈なので、通っているのなら物理で攻めるべきだと私は物理攻撃を続けます。


「もういっちょ『アーマークラッシュ!』ですわ!パカッと割れなさいな!」


「カニィィィイイ!!」


「だからそのふざけた鳴き声はやめなさいっ!『振り下ろし!』」


 気の抜けるモンスターの鳴き声に邪魔されつつも、私はドリルクラブの硬い殻を砕きます。

 そしてそこにサマンサの雷魔法を筆頭とし、魔法が雨あられと炸裂します。

 すると殻を割ったのが効果があったのでしょう、ドリルクラブはあっという間に消滅していきました。


「オーッホッホッホ!ま、カニ如き敵ではありませんわね!」


「やね!しかもここ、ウチの独壇場かもしれへんわ!」


「私の火も、敵が濡れていないのなら効きそうです。寧ろカニにならばよく効くかもしれません」


「ふふ・・・焼きガニですね・・・」


「お嬢様。ドロップアイテムですが・・・」


 私達が勝ちを喜びハイタッチしていると、クールな仕事人のノワールがドロップアイテムを拾いに行ってくれていました。

 私はちょっとはしゃぎ過ぎたと反省し、何が出たかを聞いてみます。


 すると・・・


「ドロップアイテムは焼きガニですね」


「「「・・・」」」


 ドロップした物が()だったので、私達は先程何か言っていたシーラを見てしまいます。


「・・・ふ・・・ふふ・・・私の所為じゃありませんから・・・ね・・・?」


「「「・・・」」」


「・・・ち・・・違います・・・よ?」


「「「・・・」」」


「・・・あ・・・うぅ・・・」


 シーラが『違います違います』と言いながら首をブンブン振りだしたので、虐めるのはそろそろやめにしましょう。

 私はパンパンと手を叩き、お遊びの終了合図をだします。


「さて、冗談はこれくらいにして先へ進みましょうか。なんせ未だ『海底神殿』へは入ってもいませんからね」


 私はそう言うと皆の気を引き締めさせ、持ってきた『ある道具』を準備させます。

 そして道具が準備できたなら、皆へと頷きながら言いました。



「それじゃあ始めましょうか。マシェリー流ダンジョン裏技攻略を・・・ね!」



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「裏技攻略?」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いです事よ?

 ☆やイイネをぽちっと押すと 私がワザップを教えてさしあげますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【海底神殿に張られた謎バリアーは謎の力で維持されていますわ。そんな謎バリアーの別名はご都合主義バリアーといいますのよ。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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