第201話 キャッキャウフフむそう
プールでの水着回開始となった訳ですが、現代のプールと言えば泳ぐだけでなくウォータースライダーや飛び込み台、他には水を使ったアトラクションなんかが有ったりします。
そしてこのロマンス世界初となるプール施設にはそれらが一部作られており、老若男女の誰もが楽しく過ごせる施設となっていました。
「うっひょーぅ!話には聞いとったけどすごいわぁぁぁ ぁ ぁ・・・」
そんな施設で私達は先ず、私的『プールと言ったらコレでしょう!』なウォータースライダーを遊んでみる事にしましたが、皆の反応はサマンサの感じで解る通り、マズマズといった所でした。
まぁ約1名、少し怖がっている者もいましたが・・・
「た・・・た・・・高いですね。ここから降りて行くんですか?」
これが意外にもマルシアが怖がっていたんですよね。
彼女は普段キリッとしていて、『怖いモノ?小さな鼠くらいでしょうか?』と何処かの未来ロボットみたいな事を言うような人間でしたが、実は高い所は苦手みたいで、現在は足をカクカクと震わせていました。
「・・・ふふ・・・じゃあ次は私が行きますねー・・・わぁぁぁぃぃ・・・」
そんな彼女をしり目に、サマンサに続きシーラまでもが先に滑っていってしまい、1人取り残されたマルシアは子犬の様な眼で私を見てきました。
「お・・・おねぇさまぁ・・・」
「っく・・・やるじゃありませんの・・・。そうね・・・1人用として作った筈ですけれど、テストという事で2人で滑りましょうか」
「は・・・はいぃ・・・」
「はっふっ・・・そのチワワみたいな瞳はおやめになって!大事に仕舞って飼いたくなってしまいますわ!」
私はマルシアのうるんだ瞳に負けて一緒に滑る事になったので、彼女の手を引いてスライダーのスタートへと行き、先ずは彼女を座らせます。
「まだ手を離してはいけませんわよ?」
「は・・・はぃぃ・・・」
「では失礼」
そして普通ですと体格的には逆なんですが、彼女の後ろに私が座ります。
しかしこの体制はマルシアを安心させる為のフォームなので、これで正解でしょう。・・・まぁ私は前が見えなくて全然安心できませんが!
「よぉ~しよしよし、大丈夫大丈夫~」
「あふ・・・はい・・・」
ですがマルシアはこれで安心したらしく、後ろから手を回し体の正面を撫でてあげると、少しリラックスした様な声を出していました。
(・・・いい体をしていますわね・・・はっ!?いけませんわ!)
そんな事をしていると興奮仕掛けてしまいましたが、今はその時ではありません。私はナデナデをほどほどにし、マルシアが落ち着いたところで声を掛け、ガッチリとスライダーの縁を掴んでいる手を離させます。
「うわ・・・うわわ・・・す・・・進んでますよお姉様!」
「大丈夫大丈夫~。地面を見ずにスライダーの先だけ見ていれば楽しいモノですわよ~」
滑り始めるとマルシアが騒ぎ出したので、私は彼女の背中を見ながらそう言います。
「ひゃぁ~~!」
「私達が走るより遅いスピードだから安心しなさいな。・・・でも意外とスピード出ますのね」
ウォータースライダーの滑り心地とマルシアの触り心地を確かめつつ、私達は滑っていきます。
そうやってくねくねと曲がったコースを滑っていくと、突如ザブーンと水面へと落ちてしまいます。終点なのでしょう。
「「ぷはぁ!」」
私達は終点のプールから顔を出し、プールから上がります。既に上がって待っていたサマンサとシーラへと合流し、あと1人スライダーの上に居る筈のノワールを待っていると・・・
『・・・シャァァァ・・・ドッパーン!!』
「「「うわっ!」」」
「ふわっ!?スピード出しすぎでしょうノワール!」
物凄い着水の水柱と共にノワールが滑ってきました。しかしプールから上がって来た彼女の表情を見るとどことなく笑顔でしたので、大変満足だったのでしょう。
その後も何回か滑り、それに満足すると今度は飛び込み台・・・はパスして、海水プールへと行きます。
「ん~!ちゃんと波も再現してあっていいですわね~」
「やろ?あれやったら、大波とかにも出来るで?」
この海水プールの水は、近くの海からパイプで海水を引き、それを少しろ過、更にこの時期だとまだ海水は冷たいので少し暖めているそうです。
しかも特注の波を発生させる魔道具を使っているので、サーフィンが出来るほどの波を作れるのだとか。・・・まぁサーフィンの概念が無いので唯々大きい波にはしゃぐくらいしか出来ませんが。
「波はまぁこのくらいで十分ですわ。それよりも、遊びましょうか」
「因みにやけど、ボールもレンタル出来るようになってますで?」
「あら、いいですわね」
私達はボールをレンタルし、腰位まで水に浸かりキャッキャと遊びます。
(弾むボールに弾む胸。輝く水面に輝く美少女達の肢体。・・・最の高ですわね!)
そこでは泳ぐことはしませんでしたが、水が海水という事もあってさながら本当の海の様にテンションが上がってしまい、更に私達以外には人が居ないという事も相まってキャッキャキャッキャとはしゃいでしまいました。
「ふぅ~・・・楽しすぎるけどちょっとまったりしたい気分ですわね~」
「あ、ホンなら次はあそこ行くのどうです?お姉様が言っとった様すれば、のんびりリラックスできますで?」
「いいですわね!行きましょうか!」
そうやってはしゃいでいるのも楽しいのですが、ちょっとテンションダウンしたくなったので次の場所へと向かいます。
そこは人が居ない今なら最高にリラックスして遊べそうな場所である・・・流れるプールです!
「お嬢様、これでよろしかったでしょうか?」
「ええ」
「では抑えていますのでお乗りください」
流れるプールと言えば、浮き輪に乗ってぷかぷかと流されるのが最高ですよね?あ、異論は認めます。なんたって楽しみ方は無限大ですからね。
「ふわぁ~・・・最高ですわぁ~ん・・・」
「それはようございました」
どうやってかは知りませんが、違う浮き輪に乗っているのにピッタリとくっ付いて来るノワールとプカプカ流され流れるプールを満喫すると、小腹がすいてきたのでご飯を食べる事にしました。
この施設には飲食エリアも設置してあるので、私達は水着のまま飲食エリアへと移動します。
「お姉様の言う通り町の露店で売ってそうなラインナップにしたけど、確かに正解かも知れへんな」
「でしょう?」
謎の割高値段までは再現しませんが、焼きそばやラーメン、カレーといったラインナップのお店は水遊びに疲れた体にはピッタリで、私達は楽しみながら食事を終えます。
そしてそれが終わると再び流れるプールに流され、その後お腹がこなれて来たらそのまま流れるプールで泳ぎます。
「・・・ふふ・・・泳ぐのは得意なんですよね・・・」
「うちもまけへんで!」
「私に勝とうだなんてイイ度胸ですわね!」
水の属性を持っているからか意外に泳ぎが美味いシーラを追いかけつつ、心行くまで泳いだ後は締めのクールダウンです。
「ここがこの施設の目玉、スペシャルマッサージルームや!」
それはプール施設なのに何故か作ったマッサージ屋でした。・・・いや、泳いだ後にマッサージで体を解してもらうって最高じゃないかと思ったんですよ。ええ。
そんな思想の元作られたマッサージ屋は食事処と逆で本格的に作ってあり、VIPなら天国に行けちゃうほど素晴らしいマッサージも受けれちゃいます。
そして私達はVIPですので、そのマッサージを受けれるのですが・・・
「ま、今日は人おらへんのやけどな」
「ええっ!?」
何故か今日は人が居ないそうです。
私は少し楽しみにしていた事もあり、ガックリとしていまいます。
「けど大丈夫や!ウチが・・・ウチラが居るんで!」
「え?」
ですがガックリしているとサマンサがそんな事を言い始め、項垂れていた私をマルシア、シーラ、そしてノワールと共に抱え、施術台へと運んでいきました。
「ちょっ・・・え?あ?ええ?」
『一体何が?』と思っていると、彼女らは何故か私の水着を剥いでいきます。余りの急展開に私が眼を白黒させていると、サマンサがニッコリと笑い、何時もの似非関西弁ではなく普通の口調で話し始めました。
「いらっしゃいませ。それではただ今より私達によるスペシャルマッサージを開始させていただきます。日ごろお世話になっていますお姉様への感謝の気持ちを込めますので、どうか心行くまで堪能、もとい感じちゃってください」
「え?え?え?」
サマンサだけでなく、マルシアとシーラも・・・そして何時もはそこまで表情を変える事がないノワールまでニッコリしていることに混乱していると、その彼女達のスペシャルマッサージとやらが始まってしまいました。
「では先ずアロマを焚いていきますね。そして次はこのスペシャルオイルを使います」
「ひぇっ!」
「冷たいかもしれませんが、直ぐに温まってきますので」
「あ・・・ちょっと・・・」
「あかんあかん、手は横や。うごかさんとってなー」
「口調がもどっ・・・ひっ・・・」
「はーい、大丈夫やで~お姉様~。な~んも心配せんとリラックスしとってや~」
8本の手が、私の頭の先からつま先までを撫でまわし、きわどい所まで撫でていきます。
そして終には・・・
「ちょ・・・あぁ・・・そこはぁぁぁ!」
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
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マシェリーの一口メモ
【何もなかった事もなかった、いいですわね?】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】