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第195話 火竜討伐戦後

「シーラッ!」


「・・・はーい・・・水の鎖(ウォーターチェーン)・・・水の牢獄(ウォータージェイル)・・・」


 戦っている火竜の動きが鈍くなってきたので私はシーラへと合図を出し、妨害系の魔法を使ってもらいます。そしてそれらが敵にかかると・・・


「今っ!『チャージ切り』!」


「くらいや!『ウィークヒット』!」


「こちらもくらいなさい!『フィニッシュアロー』!」


闇の螺旋光線ダークスパイラルビーム!」


 私達は一斉に攻撃を仕掛けます。


「ググゲェェェッ!!」


 私達の攻撃はボロボロになり拘束もかかった火竜へとするりと入っていき、やがて火竜はピクリとも動かなくなり消えてしまいました。


 つまり・・・討伐完了です。


「「「・・・。・・・っ!」」」



 私達は無言で・・・



「「「・・・。・・・はぁ~~」」」



 項垂れ、ため息を吐きました。


 え?何かがおかしい?


 いえ、おかしくありません。



「また肉や・・・」



 そう、ドロップ品が外れだから、何もおかしい事ではないのです。


「さぁ・・・さっさと装備等のチェックだけして次にまいりますわよ」


「「「はーい・・・」」」


 ・

 ・

 ・


 前回の火竜戦後と比べ、今回の火竜戦後の違いはあまりにも大きいモノだと感じると思いますが、これはドロップ品が外れだったからともう1つ理由があります。

 それは『慣れ』です。

 前回は『初!火竜戦!』だった事もあり、始めて見る火竜の容貌から来る威圧感、初めて戦うことになった相手に対する行動パターンの不明さ、この2つが大きかったのですが、既に25体目となった火竜ではそれも克服され、火竜戦は私達にとって『そこいらに出て来るちょっと強力なモンスター戦』位の感覚にまでなっていました。


「ブレスが来ますわよ!射線に注意!」


「「「はい!」」」


 まぁ強敵ではあるので油断は出来ませんがね。

 しかし油断さえしなければ昔と比べてゴリゴリにレベルが上がった私達です。


「・・・その大きく開いた口を閉じてくださいねー・・・水の鎖(ウォーターチェーン)


「・・・グゲゴォブォッ!?」


「チャンス到来ですわね!はぁぁぁぁっ!!『覇断』!」


「続くでぇ~!『フィニッ』・・・ってもう終わっとるか」


「ですね」


 この様に全員で一斉攻撃を仕掛けなくても倒せます。


「さぁ!今度こそっ!・・・爪っ!?悪くはない!悪くはないのですが!何故火炎袋ではありませんの!?」


 まぁレベルが上がったところで狙っているドロップ品は落ちないんですけれどね!


「はぁ~・・・今日はもう引き上げますわよ。いい時間でしょう?」


「はいお嬢様。現在15時過ぎです。今から出口へ向かい外へ出ると、もう暗くなりかけているかと」


「ですわよね?じゃあ撤収しますわよ!帰りは極力戦闘を避けていきますから、そのつもりで!」


「「「はい」」」


 ・

 ・

 ・


「はぁ~・・・微妙かも知れないと思っていたけれど、ここまで微妙だったなんて・・・。完璧に計算外でしたわ」


 外に出て来た私は、鎧を脱がせてもらいつつぼやきます。

 実は現在、初火竜狩りを成功させてから2日後となっているのですが、火竜狩りの成果は微妙なモノとなっていました。具体的に言うと、初回こそ狙っていた素材が出たモノの、その翌日からは大体5回に1回程しか狙った素材が出てこないという感じです。


「まぁでも、そろそろ一旦帰った方がイイかしらね。パメラ達も初めて扱う素材だから、研究する時間もいるでしょうし」


「では明日は明るくなったら帰り支度を始めますか?」


「そうね」


「畏まりました。他の皆様にもお伝えしておきます」


 私は1人でぼやいているつもりでしたが、その言葉を鎧の脱衣を手伝っていたノワールが拾ってくれ、私の鎧を脱がし終わるとマルシア達にそれを伝えにいきました。

 そうなると私は何もする事が無くなったので、取りあえずお風呂にでも入る事にしました。


 ・・・え?何でお風呂があるのかって?それはノワールのアイテムボックスに入れて持ち込んだからですよ。


「おっふろ~おっふろ~。るんららら~」


 私は簡易的に建てたお風呂スペースへと入って適当に服を脱ぎ、置かれていた脱衣籠に服を放り込むとサッと体を洗い髪をまとめ、湯船に入ります。


「・・・ふぃ~。戦いの後のお湯は、染みわたりますわ~・・・」


 現在の季節は春の中盤ですが日が落ちてきている屋外はまだまだ肌寒い気温で、それも相まってか、戦いに疲れた体にお湯が染み渡る気がした私は蕩けました。


「ふぅ~・・・野外でお風呂は最高ですわ。下手したら大きい屋敷で大きいお風呂に入るよりも贅沢かもしれませんわね。しかも・・・」


 この後の更なる贅沢タイムを妄想しながら体を蕩かせていると、お風呂スペースの垂れ幕が上がりました。誰か入って来たと思いそちらを見ると、3人娘とノワール・・・つまり全員がお風呂スペースへと入ってきていました。


「お先してますわよ~」


 彼女らへと声を掛けると彼女らも適当な声を返してきたので、私はそのままダラーンと足を延ばしたまま寛ぎ続けようとしましたが、彼女らが体や髪を洗い始めたのを見て私も髪を洗っていなかったと思い出し、湯船から上がります。

 そしてノワールの前へと行き声を掛け、何時もの様に洗ってもらいます。


「・・・出来ました。今日もバッチリでございます」


「ありがとうノワール」


「いえ、こちらこそありがとうございますお嬢様、と先に礼を言わせていただきます」


 髪を洗ってもらい、ノワールから不思議な感じの言葉を言われますが・・・まぁ解らなくもありません。なんせこの後はノワールにとっての至福タイムですから。


「それではお嬢様、失礼いたします」


「ええ」


 私はノワールに抱かえられ、そのまま一緒に湯船へと入れられます。そしてノワールが座った上へ同じ向きに置かれました。

 そう・・・これがノワールの至福タイム、『私と湯船で密着』です。


「ふぅ~・・・」


「ふふ・・・ふひひ・・・」


 しかしこれ、私にとっても至福タイムなんですよね。理由は・・・まぁお解かりですよね?


(しかも、ここから更に贅沢の極みへと変化していくんですわよね)


「うちらもお邪魔しまーす」


「お邪魔します」


「・・・うう・・・さむさむ・・・」


 そうしているとマルシア達も湯船に入って来て、湯船はギュウギュウになってしまいました。・・・が、この密着感!これこそが贅沢の極みなのです!理由は・・・まぁこれもお解かりですよね?


 ・

 ・

 ・


 と、あまりの至福タイムっぷりにそれ以上話す事が出来なかったお風呂イベントが終わると、私は新たにイベントを起こさなくてはならないので首都へと帰りました。

 首都へと帰ると先ずはロギヌス工房へと寄り、パメラ達へ火竜の素材を渡します。


「またちょくちょく素材を持ってきますわね」


「解ったわ」


「任せるろっ!」


「大船に乗ったつもりでいるらっ!」


 そしてそれが終わると、次は学園へと帰ります。

 一先ずは自分達の部屋へと帰り荷物を降ろし、それが終わると一旦私の部屋へと集合となります。


「未だちょっと早いかしらね。ん~・・・お茶でも飲んで待ちましょうか」


 新たなイベントを起こすためには放課後まで待たなければならないので、少し時間を潰すためと火竜戦の骨休めのためお茶を飲む事にします。

 そうして暫し休む事数時間後、放課後になったので私達はサークルの部室へと足を運びました。


「失礼しますわね~。皆様、お出でます~?」


「おや?マシェリーさんではありませんか?どうしたんですかな?」


「「「?」」」


 サークルの部室へと入ると、丁度シフロート先生やイリス達が居ました。正直グウェル殿下が忙しいのもあっていない事も考えていたのですが、居てくれて何よりです。

 私はそのまま部室へと入ると、話し合いをしていたイリス達の傍へ・・・もっと言うと、話し合いのアドバイザー役をしているシフロート先生の隣へと行きます。


 そしてイリス達の方へと体を向けると・・・


「はいはい皆様、聞いて下さいまし!これからアナタ達には生死を賭けた戦いをしてもらいますわ!」



 新たなるイベント『デスg・・・いえ、違いました、『マシェリーズブートキャンプ』の開催を一方的に宣言しました。



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「来たなブートキャンプ!」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いです事よ?

 ☆やイイネをぽちっと押すと ブートキャンプが流れ始めますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【火竜ですが・・・ゲームと違いステータスを見れないので多分となりますが、実は私達は適正レベルを余裕で超えていると思われます。ゲームならラスボスになれるかもしれない、それ位強くなっていますのよ。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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[良い点] 至福タイム!きゃー!本当にうらやまっ、けしからんwww
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