表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
194/255

第193話 ドラゴン狩りへ

「お姉様があんな顔で言うという事は・・・『真竜』?」


「いやいや・・・流石にそれはないやろ・・・」


「・・・いえ・・・お姉様なら有り得るかもです・・・」


 ドラゴン、それは数多くの物語や漫画、ゲーム等に出て来る強力な存在。

 無論ロマンスに置いてもドラゴンは強力なモンスターで、気軽に『一狩り行かない?』といえる様な存在ではありません。

 なので皆が『いやいやいや・・・』みたいな顔をしている事は、決しておかしな事ではありませんでした。・・・あ、因みにですが、先程言った異世界転生チート主人公みたいな台詞は冗談ですからね?


「あ、ドラゴンと言っても伝説に言われる様な存在ではなく、火竜とかですからね?」


 ですが何時までも皆をそんな風に驚かせておくのは悪いと思ったので、私は倒そうとしているドラゴンの正体を教えます。


「え・・・あ、そうですよね」


「ビビったわ・・・ウチはお姉様が言うから、てっきり伝説の方の奴やと思いましたわ」


「ふふ・・・流石にお姉様でも伝説の方のあれは・・・もしかしたら有り得ますかね・・・?」


 ここでドラゴンの事を説明しておきましょう。

 ロマンスにおいてはドラゴンとは、普通の人が想像するようなトカゲみたいな風貌に羽が生えたモノを『真竜』と呼び、それ以外の姿をしているモノを『偽竜』と呼びます。

 両者の扱い的には、『真竜』は昔話に出て来る伝説の生物的な生き物として、『偽竜』は一般人も知ってはいますが強力無比なモンスターとして扱われています。


「せやけど火竜らドラゴンて、ウチラに狩れるんやろか?」


「イケる筈ですわよ。手古摺りはするでしょうけど」


 ドラゴン(偽竜)は強力無比なモンスターとして説明しましたが、イリスがいなかった2年間でかなり実力を上げ私達ならば、属性に合わせた対応をガチガチに組めば倒せるはずです。なので私は不安に思って尋ねて来たサマンサへとそう返しました。あ、因みに『真竜』の方も居る所には居るのですが、こちらはクリア後の裏ダンジョンの奴なので今は忘れておきます。


「という事で、早速準備だけは進めましょうか。サマンサ、悪いけれどアイテム調達を頼めるかしら?揃わなさそうだったら双子の所へ行って、直接作ってもらってもよろしくてよ?」


「ん、了解や。何が要りますの?」


「書き出しますわね?あ、マルシアも一応付いて行ってあげて?」


「はい」


 善は急げという事で、私は早速ドラゴン狩りの準備を進める事にします。必要そうなアイテムをまとめてメモにしたためると、私はそれをサマンサへと渡しました。


「ふむふむ・・・了解や。ならちょっと出てきますわ」


「ええ、よろしく。あ、それと『有休』の申請をこの後出してきますけれど、こちらで適当に書類など書いておきますけど、よろしかった?」


「はいな。適当にお願いしますわ」


「私も同じくです」


 メモを渡すついでにこの後の事を話すと、それを了承しサマンサとマルシアは部屋を出て行きました。

 そして私達も宣言した通り『有休』の申請をしに行くために部屋を出て、教員棟へと向かいます。


 ・

 ・

 ・


 そうして『有休』の申請をしに行ったですが、それは恐ろしく簡単に終わりました。

 それというのも・・・


「それでは失礼いたしますわね」


「うむ!あ、お父上には吾輩が便宜を図ったとお伝えしてほしいのであ~る!」


「ええ。そちらは他の人には内密にお願いしますわよ?」


「勿論であ~る!」


 新学園長のお陰でした。

 確か以前に『政変で云々があり交代した』と言いましたが、実はこの新学園長バリバリの貴族派で、私の父親や王太子寄りの人間なのです。

 私はそれを知りませんでしたがノワールは知っていたらしく、彼女が『申請を出すならば学園長へ直接出しに行くとよいかも知れません』とアドバイスをくれたのでその通りにすると物凄くスムーズに事は進み、申請は2つ返事で何を聞かれる事も無く受理される事となりました。


 ・・・と、そういえば政変のお話を少しだけしましょう。先程私は『王太子云々』と言いましたが・・・正確には元王太子、現国王陛下となります。

 ・・・そうです、元の国王陛下が退き王太子がその地位についた、そんなとても大きな政変が起こったのです。

 実はグウェル殿下達が帰って来たのもこれに関わってくるのですが、まぁそこら辺は色々なアレがあるので追々と話しましょう。

 それよりもです、申請したモノがすんなり受理された事、今はその事の方が大事でしょう。


「では戻りましょうか」


「「はい」」


 私達はその結果を持って部屋へと戻り、出掛けた2人が戻って来るまではドラゴン狩りのプランを考える事にしました。


「狙いは火竜ですから、ここがイイかと思っていますの」


「ふむふむぅ・・・成程です・・・。・・・因みにですけれど・・・他に候補があったりするんです・・・?」


「一応は有りますけれど、遠いし、生息している他のモンスターが面倒ですの」


「確か私の記憶では、西の方にも居た記憶がございますが」


「あー、そちらは・・・」


 そうやってシーラやノワールと話しているとサマンサ達が戻って来たので、彼女らの報告を聞いてこちらの事も話し、それが終わるとプラン立ての続きを話す事となりました。


 ・

 ・

 ・


 その4日後、準備が終わったので私達はドラゴン狩りへと出向く事となりました。


「忘れ物は有りませんわね?消耗品くらいならいいですけれど、装備は忘れると代用が効くモノは手に入らないから忘れないでくださいましよ?」


 対外的には花嫁修業的なアレになっているので、こそこそ~っと人が居なさそうな時間を見計らいつつ、私達は馬車へと乗り込みます。


「後、ちゃんと勉強道具は持ってきましたわよね?移動中は時間があるのですから、その時間に勉強をしていきますからね?」


「「「はい」」」


「因みに、忘れたとしてもきちんとノワールが予備を持っていますから、『あ、忘れたかも』と途中でいっても無駄ですわよ?」


「「「・・・はい」」」


「よろしい。ではノワール」


「はい」


 行先は以前に行った事がある『フィヨルド火山ダンジョン』、あそこの更に奥にある『ルウェノ火山ダンジョン』になります。

 遠い旅路になってしまうのでゲートを使う事にしましたが、それでも長い時間ゴトゴトと、私達は馬車に揺られ進みます。


「普通にやるよりはいくらか楽しいですね」


「ウチはどっちでも変わらんわ・・・」


「・・・同じくです・・・」


「お茶を飲みながらでもいいから頑張りましょう?ね?」


 宣言した通り勉強をしながら進んでいると、やがて目的地へ着いたとノワールから声が掛かり馬車が止まったので、私達は勉強道具を片付けて馬車の外へと出ます。


「流石に日帰りは厳しいですから、先ずはキャンプを張りましょうか」


『フィヨルド火山』は日帰りでもいけましたが、それの奥にある『ルウェノ火山』はそうもいかず、私達は先ずキャンプを張る事にしました。

 ですがこちらもあまり人が来ない事から、周辺はキャンプを張るのにいい場所がありません。なので私達は四苦八苦しながら地を慣らしキャンプを張ります。


「ふぅ・・・ノワールやシーラが要るから水の心配をせずにキャンプを張れるのはいいけれど、それでも荒れたところに1から張るのは大変ですわね」


「土魔法が使える使用人でも連れて来るのもいいかもしれませんね?」


「はっ!た・・・確かに!それはもっと早く思いついてほしかったですわ!」


「す・・・すいませんお姉様」


 結構大変だった作業にぼやいているとマルシアから突っ込みが入りましたが・・・それはもっと早く言ってくれていれば過去にも助かっていたのに!

 と、そんな理不尽な突っ込みを入れつつもキャンプは張れたので、いよいよ次はドラゴン狩り・・・の前に休憩を入れる事にします。


 そうして暫し休憩を入れた後・・・


「さて・・・そろそろ準備をしましょうか?皆、装備をフル着用、そして消耗品類のセットを」


「「「はい」」」


 今度こそドラゴン狩りの開始となります。


「っく・・・やはり金属鎧は面倒ですね・・・」


「やろうな。ウチみたいな革鎧でも面倒やもん。まぁ手伝ったるさかい、はよ着てこや」


「ふふ・・・ローブの私は超楽・・・」


 私達は持ってきた装備をフル着用していきますが、それぞれ装備の着けやすさが違うので、協力して装備を着けていきます。


「お嬢様、お手伝いさせていただきます」


「ええ、よろしく」


 それは私も同じで、ノワールに手伝って装備を着用していきます。


『・・・カチャカチャ・・・』


 ゲームではドレスっぽい感じだったり普通の軍服っぽいモノだったりと、『おい!防御力0だろそれ!?』という感じの私でしたが、流石にそれは無理ですのできちんとした鎧を着けていきます。


『・・・カチャカチャ・・・』


 更に私は何故か成長期が遅れている為小柄、ですので動きやすい鎧にゲームでも使っていたレイピアを装備して・・・いきません。


『・・・ガチャ・・・ズン!・・・ガチャガチャッ!』


 私の装備は頭の先から足の先までを覆うフルプレート。更に武器は身の丈を越える長さを持つバトルアックスとなります。


『コーホー・・・準備完了ですわ。皆はどうかしら?』


「「「準備完了です!」」」


 そんな装備ですから、必然的に私の準備が一番最後になります。なので皆へと尋ねると、準備は出来ているとの事でした。


『コーホー・・・よろしい。では出発しましょうか』



 そんな訳で・・・全身鎧系令嬢のマシェリー、突貫します!



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「!?」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いです事よ?

 ☆やイイネをぽちっと押すと 私がキャストオフしますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【偽竜は普通のドラゴンっぽくない姿だと言いましたが、例をあげると土竜は亀の様な姿、水竜は鱗のついた魚、風竜なんかは蜻蛉となっておりますわ】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 政変!?そんな物凄いイベントをすっ飛ばしたのかぁ。 ドレスや軍服は防御力0けど綺麗ですからw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ