第185話 5章プロローグ 表
マシェリーより:皆様のおかげでここまで来れましたわ!ということで、5章開始ですことよ~!
≪とある女子生徒視線≫
温かい日差しが降り注ぎ、新緑萌ゆる季節、私は立派な石畳が敷かれた道を歩いていました。
「・・・」
この様な陽気溢れる季節ですので、私からも陽気があふれ出て・・・いればよかったのですが、私の表情や心の内は陽気とは真逆にドヨンと雲り陰気が漂っていました。
まぁそれというのも理由がありまして・・・
「うぅ・・・失敗したぁ・・・」
そう、ある大きな失敗をしたからなのです。・・・まぁ他にも理由はあるのですが。
と、他の理由は置いておき、その失敗の事を話しましょう。それは昨日の事なのですが・・・いえ、詳しく説明すると長くなるので端的に言いましょう。私は授業の選択が終わりクラスメイトの前で自己紹介をする際、少しやらかしてしまったのです。そしてその結果、見事皆が引いてしまい・・・
「あぁ・・・みんな楽しそう・・・」
絶賛ボッチタイムというわけなんです。
『・・・ホッホ~!行きますわよ~!』『『『はい!』』』
「・・・いいなぁ」
だから私は明らかに上下関係がある集団にも恨めし気な目を向けてしまいます。
「けど・・・ふふふ・・・」
ですがそんな私にとって今日は良い日になる筈でした。何故なら、今から行われる全校集会で念願の人が見れるからです。
「あ、でも2年もセウォターカンド国にいたんだからかなり変わっているのかも?」
私は昔見たあの人の姿から現在の姿を想像し、頭の中でもし逢った時用のシミュレーションを始めます。・・・まぁ妄想とも言いますが。
「ふふ・・・いえいえそんな・・・」
そんな事をしていると勿論の事だと思いますが、現実の体の方は覚束なくなってしまいます。
私の体はあっちへフラフラそっちへフラフラとかなり蛇行しながら進み、ついには私と同じく講堂に向かっていた集団にぶつかりそうになってしまいました。
「・・・危ないよ?」
「・・・え?」
しかしその時、私は後ろから両肩を引かれ、危うくもう少しでぶつかる所を回避する事が出来ました。
「あれ?・・・まぁいいや、おほん。前はちゃんと見て歩かないと危険だよ?」
「あ・・・あり・・・がはぁっ!?」
「・・・?」
助けてくれた人にお礼を言おうと振り向くと、そこには何と・・・王子様がいました。いや・・・本当に王子様ではないのでしょうが、王子様の如く煌めく人がいたのです。
「そそそその、ありゅがとでっしゅ!あ、その、どこ住みでしゅか?私のお家プールあるんですけど、よかったら今度遊びにきましぇん?ってあ・・・いや、なんでもないです、はい」
私はその人のあまりのイケメン差にキュンとしてしまい、少し挙動不審な状態になってしまいましたが、直ぐに正気を取り戻しまともな対応をします。
「???あ~えっと、大丈夫かな」
「え・・・えへ・・・えへへ・・・」
挙動不審は少しどころではなかったし、まともには見えないかもしれませんが、それは大目に見てください。
「あ~えっと、講堂行くのかな?よかったら一緒に行かない?」
と、王子様にはそんな願いが通じたのか、私の様な不審者にも優しく話しかけて来てくれたので、御誘いに乗る事にしました。
「いきましゅ!」
・
・
・
「はぁ~・・・また失敗したぁ・・・」
あの後王子様と仲良く話は出来たのですが、講堂へ入ると『あ、私はちょっと行く所があるから』と別れることになってしまいました。
それだけなら別に失敗でもなんでもないでしょうが、私は王子様の名前も聞いていなかったのです。・・・普通に考えて大失敗です。
「ぐぅ・・・折角仲良くなれそうな人だったのに・・・はぁ・・・」
ですがあの人の顔や雰囲気は覚えたので、次に会ったら名前を聞いてみようと決心します。・・・しかしあの人、何処かで見た様な気もしたのですが気のせいでしょうか?
「それでは集会を始めますのでお静かに願います。・・・そこ、お静かに」
私が頭を抱えたりガッツポーズを取ったりと気分を激しく上下に揺らしている間にも時間になった様で、集会を開くとの声が聞こえてきました。
その際妙に騒いでいる人が居た様ですが、恐らく留学から帰って来るグウェル殿下達のファンか何かなのでしょう。
(まぁ・・・それなら仕方がない・・・よね?)
正直私も似た様なモノですから非難する気持ちは抱けず、逆にその人たちに共感を覚えてしまいました。
そうして『うんうん』と頷いているとその人たちもいつの間にか治まり、集会は進行していきます。
「それであ~るからしてぇ~、吾輩はこれを~・・・・」
先ずは学園長の話との事ですが、実は今年から学園長が変わりました。政変に伴い色々ありウンヌンカンヌンだとは聞いたことがあるのですが、中々癖が強そうな人です。
その学園長の話が終わると、いよいよ今日の主役達・・・セウォターカンド国に留学していた人達の登場となったのですが・・・
「それではこれより、本学園よりセウォターカンド国へと留学していた生徒達、並びに交流の為出向いていた卒業生、そしてセウォターカンド国より我がファースタット国へと数年間留学していただく方達の登場となります。皆様、暖かくお出迎えください」
『『『・・・ワーワー・・・パチパチ・・・』』』
「あ・・・」
壇上に現われ続々と並んでいく人たちの中に、なんと先程別れた王子様がいたのです。
「だから行く所があるって・・・あれ?あの人ってよく見ると・・・え?あれ?」
王子様は用事があると解れたのですが、あそこにいた事でその理由に納得ができました。しかし、私は新たに納得出来ない・・・というか、おかしな事に気付きました。
「先ずはこの方の紹介を致します。グウェル・フォン・ファースタット殿下です。殿下は留学に際して・・・・」
この学園には制服があり、生徒は皆着用しています。それは今紹介され挨拶をし始めたグウェル殿下も同じです。
そして制服は男子がズボン、女子がスカートとなっているのですが・・・
「あ・・・次王子?様・・・」
王子様は何故かスカートを穿いているのです。
私は頭にハテナマークを浮かべ変な顔をしてしまいますが、紹介された内容を聞き納得、そして吃驚してしまいました。
「続きまして・・・イリス・ウェンディゴブルー。彼女は平民ですが・・・」
「えぇっ!?」
そう、王子様だと思っていたのは女子で、更に・・・
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
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マシェリーの一口メモ
【今回はなしですわよ!】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】