第181話 お楽しみですか?とその後
意中の人へと告白をし、その答えが『嬉しい』や『こちらも好きでした』等、肯定の言葉なら最高に嬉しいでしょう。
そしてもし否定の言葉を言われても、『ごめんなさい』や『嬉しいんだけど、○○』等でしたらそれはショックも大きいでしょうが、『まだチャンスはある』とか『まだあきらめきれない』なんて事が頭によぎるでしょう。
ですが・・・もし仮に否定の言葉が『無理』だったらどうでしょう。
『無理』。シンプルに『無理』。それは希望が一切なく、否定ではなく拒絶の言葉。まさに奈落へと突き落とす無慈悲なる一撃。
更にです、これに否定の言葉を足したのならどうでしょう?
答えは簡単です。
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『無理。それに、今そんな事言うとか、何考えているの?』
私と言う悪魔の囁きにのってしまったテッショウは、パメラに告白した末この様な言葉を突き付けられてしまいました。
そんな彼は見事精神に絶大なるダメージを負ったのでしょう・・・
「ぁぅ・・・ぁぅぁぅぁ・・・」
彼は中空を見つめながら口をパクパクさせつつうめき声を上げる、そんな死に体へと変わり果ててしまいました。
そんな彼を見る目は他者多様です。
「な・・・なんて事だ・・・」
「主よ・・・彼を救いたまえ・・・」
同じ男として彼の告白を尊重したのか、同情するモノ。
「来ないな時に言うとか・・・」
「あたしも擁護できないかねぇ・・・」
空気を読まず無神経に告白なんて行ったので、冷ややかな視線で見るモノ。
そして・・・
「・・・ギリィィ・・・ニヤニヤ・・・」
歯を噛みしめ口では怒りつつも目はにやけている、複雑な胸中と表情をするモノ。
「あらあら・・・」
私は最後の複雑な様子を見せているカリンを見て何とも言えなくなってしまいます。恐らくあれは『テッショウをフるなんて!』という怒りと、『テッショウがフラれた!』という歓喜が混ざった表情なのでしょうが、よくテッショウのあの醜態を見てもまだあの様に思えるモノです。・・・ヤンデレとは恐ろしいモノですね。
「・・・とまぁそれはさておき、これで一段落ついたのかしら?」
カリンの本性は置いておき、一応は落ち着いてくれたみたいなので、これで再びテッショウを刺す事は無いでしょう。
ですので、これ以上は当人同士の話し合いで解決してもらう事にして、私達はちょっとした作業だけ行った後、一旦引き上げる事にしました。
「一旦私達は帰りますけれど、後日再び伺いますのでその時は全てを話してくださいまし?あぁ、逃げるとかはイケませんわよ?それをしたのなら権力を使っても追いますからね?」
「・・・はい」
「では、後はお好きになさってくださいまし」
「はい!」
「・・・ごきげんよう」
ちょっとした作業・・・燃え尽きた状態のテッショウをベッドへと運んで寝かせたのですが、そのベッドが置かれている部屋の中でカリンはいい返事と共に私達を見送りました。
私含めパメラ、ノワールの大人組はこの後この部屋で何が起こるのか薄々気づいていましたが、流石にそれに何か言うのは無粋でしょうし野暮でしょう。・・・と言う事で、私達はカリンへと挨拶をした後は2人の幸せを祈り・・・クールに去りました。
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その後、特に何をする事もなく解散する事となり、私達学生組は学園へと帰りました。
私は疲れていたので自分の部屋へと帰ると直ぐに寝る事にしたのですが、その翌朝、私は起きた直後にある事を思い出します。
「あ・・・そう言えば勝負の約束・・・」
昨日は品評会終盤から色々ありすぎてすっかり忘れていましたが、私はイリスとあるカケをしていたのです。
それによると、今週末に行われる『卒業生を送る会』、そこで負けた方が一発芸を披露することになっていたのですが・・・
「あ、いえ、優勝出来なかった方が、でしたっけ?なら両方出来ませんでしたし、ノーカンですわよね?」
超絶屁理屈ですが、思い返すと控室で口論になった際そう言った筈なので、これをどこかの班長バリに押し通せば・・・
「そう・・・『ノーカン!ノーカン!』といえば何とか・・・」
「ならないと思いますよお嬢様」
「ですわよね、ええ。ああ、おはようノワール」
「おはようございます」
私の甘い考えは、何時もの様に何時の間にか傍に居たノワールによって打ち砕かれてしまいましたが、自分でも少し無理筋だと思っていたので素直に認める事にします。
そしてこれを思い出した事により、今日はやる事が沢山ある事も又思い出してしまいました。
「昨日は疲れてそのまま眠ってしまったけれど、やる事が山積みですわね」
「はい。御当主様への面会、イリス様達への勝負結果の説明、昨日は合わずに帰って来てしまったのでグロウ様とグラァ様に説明、後はカリン様とのお話、でございますね?」
「ええ」
ノワールが言ってくれましたが、主にやる事が4つあります。その内で先ずやるべきなのは、父親と面会し話を聞く事でしょう。
なので私は今日の放課後にでも会えるように手配を掛ける様に言います。
「イリス達への説明は軽くするだけして、本格的に色々決めるのは明日にしましょうか。他は・・・」
私は残りの項目も順次どうするか決めていきます。イリス達には先に言った通りの事を私が行うとして、他の2つはマルシア達に振ってもいいかもしれません。
私はその様な事を考えつつ、朝の準備を進めていきます。
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そして放課後・・・と言っても、もう授業と言う授業がなく半日で終わるのでお昼ですが、私はマルシア達を見送ります。
「マルシア、サマンサ、シーラ、言った事を頼みましたわよ?」
「はい」
「はいなー」
「・・・はーい・・・」
結局考えていた通り、イリス達には本決めするのは明日と伝え、マルシア達にはロギヌス工房とボルグ工房へ行ってもらう事にしました。
と言ってもです、私はこの後父親と会う事になったのですが、ロギヌス工房へはその時の話を聞いた後に詳しい説明をした方が良いと思うので、今日は軽く挨拶程度で済ませてもらうつもりです。
「・・・一応ですけれど、ボルグ工房では気をつけるんですのよ?どんな状態になっているか解りませんし」
ですが問題はボルグ工房です。予想ではテッショウは大人しく、カリンは元気ハツラツとしていると考えているのですが、下手をすると予想もつかない状態になっている可能性もあります。
ですので私はマルシア達に重々気をつける様言いつけてから送り出しました。
「ふぅ・・・『既成事実作れました。ありがとう(にっこり』となっていればいいんですけれど・・・っと、私達も行きましょうか」
「はい。学園入り口に馬車を手配してございますので、そちらへ」
「ええ」
彼女らを送り出した後に私達も移動を始めますが、本日は馬車を使います。何故なら今から向かうのは高級なお店が並ぶエリア、流石に徒歩で向かうのは遠いですし、高位貴族的にあまり宜しくありません。なので暫くの間は馬車に揺られ移動します。
そうして暫く馬車に揺られていると、目的のお店へと着きました。
「・・・ふぅ~ん・・・中々洒落てますわね」
着いた場所は高級感漂う洒落た喫茶店で、ノワールによると王都の喫茶店で1,2を争う高級店なんだとか。とまぁそれはさておき、中へと入ると店員に案内されて個室へと移動します。
「あら・・・遅れた様で申し訳ありませんお父様」
「いや、そんな事はないさ。私も今来たところだからね」
個室へと入る既に父親が座っていたので挨拶を交わし、先ずは飲み物や食べ物を注文します。
そしてそれが来ると、店員が個室を出る際何かのスイッチを押していきました。父親に聞くと、どうやら防音の魔道具なんだとか。
「マシェリーは昨日の事が聞きたいんだろ?一応アレは秘密の話だからね、聞かれても致命的ではないにしろ、あまり公にするのもよくないからね」
「なるほど・・・」
父親は回りくどい話は無しで本題を話してくれるらしく、ズバリと話題を出してきました。と言うのも、私に対しての配慮と言うよりは自分も話を聞きたいからの様でしたが・・・。
「で、だ、先ずは何でマシェリーがあそこに居たのか教えてくれるかい?」
「ええ、まぁ。話の始まりは1月の初めになるのですけれど・・・」
父親が早速私の事を聞きたがったので、私は今までの事を話します。まぁ知られて困るような事、『属性剣』の製法の様なモノは隠しましたが。
そうして暫く私の話をしていたのですが、それが終わると漸く父親の話となります。
「ええっとそうだね・・・私の方は本当にここ2,3日の話になるんだけど・・・」
そこから父親は嘘の様な本当の話と、衝撃的な話を始めました。
先ずは嘘の様な本当の話をしてくれたのですが、それによるとつい2日前、急に招集がかかったそうです。
「いや、驚いたよ。いきなり陛下から呼び出されるんだから」
どうやら話によると、父親は国王から緊急の議題と称して王城に呼ばれたらしいのです。
そうして王城へと着くと直ぐに会議場へ案内されたそうですが、議題は何と・・・『魔法が使える剣』が現在行われているヘファイナーの品評会に出ている件、だったそうです。
「まぁそんな事だから緊急招集にも納得したんだ。でもそこからよくよく調べるとさ・・・」
もしそれが本当だったのならかなりの案件なのですが、実際に調べる内、実はそれが確かに『魔法が使える剣』ではあったのですが、思っていた物とは違ったという事が解ったらしいのです。
どう違ったのか説明すると、当初は剣を持っていれば『誰でも魔法が使える剣』だと思っていたらしいのです。
しかし実際の所、それは『魔法を使える者が安定して魔法を使う事の出来る剣』だったらしいのです。
「それもかなりの案件だったけれど、『誰でも魔法が使える剣』みたいに、世に出しては駄目なものと違ったんだよね」
父親が言うには、これならば寧ろ貴族を強化する為に世に出すべきモノだと言う事が言われたみたいで、それがあの八百長へと繋がって来たんだそうです。
「実績が有ると無いとではその物に対する価値が違って来るのは解るだろう?まぁ今回知り合いの工房に力を入れていたマシェリーには悪かったけど、ね?」
「ええ・・・まぁ・・・」
確かに国・・・貴族としてはその方が良いので父親の言わんとしている事も解りました。解りましたが・・・愚痴位は言わせてもらう事にしましょう。
「ですけれどひどいですわお父様・・・私がどれだけ苦労をしたことか・・・うぅ・・・」
「ああ・・・うん。ごめんねマシェリー」
可愛い娘のやっていた事に横やりを入れ、あまつさえ知り合いらの前で申し訳ない気持ちにさせたのです、甘んじて受け入れて貰う事にしましょう。
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そうして愚痴を言ったり、またマニー家のアーデリンドの事も聞いたりと、楽しくお喋りをしながらお茶を飲んでのんびりとしていたのですが・・・
「ああ・・・そう言えばマシェリー」
ふと父親が何かを思い出したかのように喋った内容を聞き、私は凄い衝撃を受けてしまいました。
それは・・・
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
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マシェリーの一口メモ
【ノホホさんは当初、ガチで魔法が使える剣を作ろうとしたようですが、工房の方によりそれは阻止されましたの。ノホホさん・・・紙一重でセーフ!】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】