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第176話 ヘファイナーの品評会5

 翌日、私達は本日も続けて品評会に参加する為に、先ずはロギヌス工房へと向かっていました。


「むぅ・・・昨日色々心配でよく眠れなかったから少し眠いですわ・・・」


「やはり私の開発した『昇天ぐっすりマッサージ・お嬢様専用バージョン』を受けるべきだったのではありませんか?」


「・・・まぁ・・・ええ・・・機会があれば試させてもらいますわねノワール」


 昨日のあれからの話なのですが、私達は品評会が終わるとパメラ達の様子を伺う為、一旦ロギヌス工房へと戻りました。

 そしてパメラ達の様子を伺った所、その時点では彼女らの様子は変わりなかったので泊まり込みで看病しようという事になりました。

 しかしレイラが『看病するにも1人居ればいいよ』と言い、彼女は私達に帰るよう促してきました。私達としても今日は外泊予定を提出していなかったし、更に『それにお医者様にも問題ないと言われているしさ』とも追加で言われたので、私達は結局レイラの言葉に甘え、学園の寮へと帰る事に事となりました。


「う~ん・・・大丈夫かしら?レイラも疲れて倒れてなかったらいいんですけれど・・・」


「まぁレイラの姉さんなら大丈夫やろ。あの人、自己管理とかも出来る人やし」


「ふふ・・・それに私特製のお薬も置いてきましたし・・・大丈夫ですよきっと・・・うふふふ・・・」


 色々気になっている事を話している内にロギヌス工房へと着いたので、慣れた感じに鍵を開け、中へと入ります。

 中に入ると、居るならば何時も応接スペースに座っている筈のレイラが見当たらなかったので、私達は昨日パメラ達を運んだパメラの寝室へと足を運びます。


『・・・コンコン』


『マシェリー達かい?入んなよ』


『レイラ?家主は私なんだけれど?』


 寝室の扉をノックすると入室を許可する声がしたので中へと入ります。するとベッドの上で上半身を起こしているパメラと、そのベッドの脇のイスに座っているレイラに出迎えられました。


「いらっしゃい。早いわね」


「おはようさん」


「「「おはようございます」」」


 私達は挨拶を交わし、続いて昨日の事についての情報交換をします。一応私達の事はレイラへと伝えてはあったのですが、当事者からも聞いておきたいのでしょう。


 ・

 ・

 ・


「成程ね。・・・ほんっっっとごめんね!昨日は限界だったのか、気が付いたら気を失っていたみたいで・・・」


「いえ、元はと言えば私が変な事を言い出さなければ・・・申し訳ありませんでしたわパメラ」


「いえ、あれは私達も賛成した事だし・・・」


「でも・・・」


 情報交換を終えると互いに謝り倒し、謝罪合戦が繰り広げられます。しかしいつまでもそうしている訳にもいかないので、これからの話をする事にしましょう。


「えっと・・・それでパメラ、体の方はどうですの?今日は品評会の会場までいけますの?」


「え?あ、そうね、今からまた剣一本打てとかだったら厳しいけど、品評会に出るくらいなら問題ないわ」


「そう、それはよかった。正直経験者のパメラが居ないと色々解らなかったり、心細くって・・・」


「あー・・・本当にごめんね?」


「いえ、そんな・・・ってそういえば双子はまだ寝ていますのね?」


 再び謝罪合戦が始まりそうな気がしたので、先手を取り話題を変えます。変えた話題は双子の事でしたが、どうやら彼女らは一度目を覚ました様ですが、ご飯を食べて再び眠りについたのだとか。


「その時品評会に行くのかも聞いたんだけど、『結果さえ教えてくれればいい』って言ってまた寝ちゃったのよね」


「そうですのね。まぁグロウとグラァがそれでいいのなら寝かせておきましょうか」


 自分達も関わっている事なので見に来るかと思っていたのですが、どうやら双子は来ないようです。そしてそれに合わせてか、レイラも双子を見る為に来ないとの事でした。


「イイんですの?何なら私達の誰かが残ってもいいんですのよ?」


「いや、イイよ。って言うかあれなんだよね、1日目は兎も角、2日目はあんまり好きじゃないんだよねあたし。なんて言うかこう・・・堅苦しいって言うかさ・・・」


 どうも品評会の2日目の審査は1日目と大分様子が違うらしく、レイラはそれが苦手なのもありパスだそうです。・・・もしかしたら双子も同じ理由なのかもしれません。

 ともあれ、レイラと双子以外は品評会へと参加すると決まったので、私達はその準備を始めました。と言っても、ご飯を食べるくらいなのですが。


 ・

 ・

 ・


 そうして出発する準備が整うと、私達はロギヌス工房を出て、会場へと向かいました。


「こっちから行くと比較的空いてる筈よ」


 今日はパメラがいる為会場に着くまで、そして着いた後もスムーズに事が運びます。


「昨日聞いたかもしれないけど、先ずは1日目の審査結果の確認ね。受付をしたホールの所に結果が貼り出されている筈よ」


 先ずは昨日の審査の結果を見るとの事でしたが、昨日私達が参加した時間がかなり遅かった事もあり少し不安になってしまいます。


(頼みますわよ~・・・神様運営様~・・・)


 パメラに案内をされて結果が張られたボードの前へと着くと、私はドキドキしながらそれを確認します。


「1日目の審査を通っていると工房名が書かれている筈よ」


「工房名ですのね?ええっと・・・ロギヌス工房ロギヌス工房・・・」


 30個くらいかかれた工房名からロギヌス工房を探します。


 すると・・・


「あったわ!あそこ!一番右の列の下の方!」


「一番右の下・・・あ!ありましたわ!」


「ええ!やったわね!」


 見事ロギヌス工房の名前を見つけました。1日目の審査に通っていたのです!

 私は嬉しくなりパメラとハイタッチ!続けてマルシア達ともハイタッチしていきます。

 しかしここであまり騒ぎ過ぎると邪魔になってしまうとの事だったので、私達は次へと向かう事にします。


「次は受付ね。帰りがけに割符を貰った筈だけど、持ってきたわよね?」


「ええ。これですわね」


 次に受け付けへ行き、確認を取ります。

 私達が会場へ訪れた時間はわりと早めだったので受付が空いている事もあり、そこまで待たされることもなく確認は終わり、次に進みます。


「受付で確認を終えると、昨日と同じく控室に行くの。ただし昨日と違い、審査が始まるまで待つ事になるから注意ね」


「一度入ると出られませんの?」


「いえ、そんな事は無いわ。唯、スタッフが呼んだ時に居ないと、その時点で落選が決まるわ。まぁ1人でも居ればいいから、滅多にない事だけれど」


 パメラから流れを聞きつつ次の控室へと向かいます。どうやら昨日の控室とはまた違う場所へ行く様で、私達が知らない道を進んでいました。


「ここね」


『大6号室』と看板が下げられた部屋へと着くと、パメラが扉を開けたのですが・・・私はその妙な造りに声を上げてしまいます。


「何ですのここ・・・?野球場?」


「?」


 部屋の中は何と言いましょうか・・・正面に壁が無く、その奥の会場みたいな所が見える様になっており、イメージ的には野球場の選手が座っている場所みたいになっていました。


「あ、なんでもないですわ。オホホホホ・・・」


 どうなっているのかが更に見たくなり、私は部屋をそのまま抜けて会場の方まで進んでみます。

 すると、私が今いる1階部分には私達がいる控室と同じ様な感じの部屋が6つ見え、更に高くなった2階部分には段々とイスが設置してあり、その様子は野球場、若しくはコロッセオかという具合でした。


「野球をするには狭いから、コロッセオなのかしら・・・?」


 中央の会場自体は普通に使うならば広いので、何かの催しに使っているのかもしれません。っと、会場ではスタッフの方が動いているので、邪魔になるといけないので戻る事にします。


「珍しいからついはしゃいでしまいましたわ。ごめんあそばせ?」


「ま、そうそうくる場所でもないものね。でも貴族様だとここを借りて何かやる事もあるみたいだから、そうでも無いのかしら?」


「あら、そうですのね?」


「らしいわよ。っと、未だ来ていないみたいだけど、ここの控室って何組かで使う事になるから先に良さそうな席取っておきましょう?」


 控室自体はソコソコ広いのですが、出来る事ならば会場の様子が良く見える前の方の席を陣取りたい所です。なので私達は前の方の席へと座り、開始を待つ事にしました。


「パメラ様、お茶をお出ししたいのですが、ここでの飲食は可能なのでしょうか?」


「大丈夫な筈よ」


「ありがとうございます。ではお茶のご用意を致しますね」


 気を利かせてノワールがお茶を入れてくれたので、私達はそれを飲みつつ雑談でもして待つ事にしました。


 そうしてお茶を飲み始めて10分ほど経った時でしょうか、控室の扉が開きました。

 他の工房の方々が入って来たかなと思い、軽く礼をするために私はそちらへと目を向けます。


「おはようございます。今日はよろしくお願いしまっ・・・!?」


「・・・?はい、よろしくお願い・・・ってマシェリーさん!?」



 入って来たのはボルグ工房御一行・・・イリス達でした。



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「よく会うな!・・・運命かな?」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いです事よ?

 ☆やイイネをぽちっと押すと 私と彼女の関係が、パチッと嵌りますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【ヘファイナーの品評会編が終わると、次は・・・○○○○○ハートブレイク!編が・・・】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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