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第171話 ついに完成・・・?

 翌日、パメラ達が製作を頑張る様に、私達は1年生で最後となる学年末考査を頑張っていました。


(やっぱり私ってば凄すぎ・・・暗記系はすらすら答えが出てくるし、計算系はつらつらと頭が回転して答えが出ますわ!)


 私の手ごたえとしてはいつも通りと言うか・・・毎度のことながら空欄をすらすらと埋める事が出来て、『イケる!』と確信が持てる出来でした。まぁマルシア達は『・・・悪くはないです。悪くは』という感じでしたが。


 と、学年末考査がこんな感じで順調?に出来ている様に、パメラ達の方の製作も順調にいっている様でした。

 それが何故解ったか?それは私達はこの考査の期間中もロギヌス工房に通っていたのですが、鍛冶場からは小気味のいい音が響いていましたし、一度試作品を試してみてくれと言われた時に、『ギリギリ間に合いそうだ』と言う様な感じの事を言っていたからです。

 なので私達は学年末考査があった間、安心した気持ちで過ごす事が出来、集中して事に当たる事が出来ました。


 ・

 ・

 ・


 そんな学年末考査の期間が終わった3月12日、私達は何時もの様にロギヌス工房へと訪れました。


「「「いらっしゃい!」」」


 するとパメラ、グロウ、グラァ、そしてレイラが私達を笑顔で出迎え、更にパメラがこんな言葉を口にしました。


「試作品の完成版!出来たわよ!」


 試作品の完成版と聞くと不思議な感じに聞こえますが、要はこの3日間で作っていた試作品、それの水準が納得できる領域にまで達したという事なのでしょう。私達は、挨拶もそこそこに早速それを見せてもらう事にしました。

 パメラ達も頷いたので、私達は皆でゾロゾロとそれが置いてあるという鍛冶場へと向かいます。


 すると・・・ありました。


 それは何の変哲もない一本の剣の様に見えましたが、私は何故かそれから妙な感じを受けました。何というのでしょう・・・圧とでもいうのでしょうか?そんなモノを確かに受けたのです。


「触ってみてもよろしいかしら・・・?」


「ええ」


 私がその剣を見ながら問うと返事が返ってきたので、私はそれを持ち上げジッと見つめます。


(見た目は前までと大して変わりがありませんわね?ですけれど、確かに何かを感じますわ。・・・そうだ、鑑定を・・・)


 一見すると唯の剣にしか思えないそれを、私は鑑定してみる事にしました。

 すると・・・



 品質:良

 総合等級:A+

 所感:素材、製法共に優れており、特殊機構により木属性によって高められた火属性が付与されている。



 鑑定結果には良い事が書かれており、それが確かに良いモノだという事が解りました。


「イイ出来・・・ですわね」


「ありがとう」


「ろっ!魔力流してみるろっ!多分マシェリーの魔力負荷にも耐えられるろっ!」


「ええ」


 グロウがついでに魔力も流してみてくれとの事だったので、私達は移動し、前の様に防御を固めた後試してみる事にします。


「それでは・・・いきますわよ?」


「ばっちこいろっ!」


「・・・ふっ!」


 すると・・・なんということでしょう・・・属性相性が悪かったときは全然入って行かなかった魔力が、スッと剣に入っていくではありませんか。

 それは正に最初の方の少し成功していた試作品を思わせる、そんな面持ちでした。更に凄いのはここからで、最初の方の試作品はスッと入ってしばらくすると魔力が暴れるような感じになっていたのですが、今持っている剣はどこまでもどこまでも魔力がスムーズに流れるではありませんか。


「おぉ~・・・」


 私はあまりの魔力の流れに感心し、ついつい夢中で剣に魔力を流し続けました。・・・だから、パメラ達が『ちょっと待った!』と止めているのが全く聞こえていませんでした。


 ですから・・・気づいた時には剣から沸き上がった炎は、あわや天井を焦がす寸前になっていました。


「えぇ!?ちょっとなんですのこれ!?」


 私は大参事一歩手前に漸く気づき、慌てて剣に流していた魔力に制御を掛けます。すると、これまた素直に制御のかかった魔力は瞬く間に治まり、薄っすら剣に纏わりつく位にまで抑えられました。

 私はそれを見て安堵のため息を吐くと、皆へと抗議をします。


「吃驚しましたわ・・・ちょっと!何で止めて下さらないの!?」


「止めてたろっ!」


「皆叫んでたらっ!」


「あら・・・ごめんあそばせ?」


 しかし見事に反論されてしまい、逆に謝る羽目になってしまいました。


「・・・天井の耐熱素材が持ってくれて助かったわ・・・」


 更に燃えかけた工房の持ち主のパメラが泣きそうな顔になっているモノですから、このままにしておくと不味いと思い、私は話題を反らすために剣について語る事にしました。


「い・・・いやぁ~!素晴らしい出来ですわねこの試作品は!あれだけ出力が出るし、制御も素直に行くとなれば、もう完成品と言ってもいいと思いますわよ!?ええ!」


「・・・そう?振り心地とか、そこら辺はどうなの?」


「・・・ん~・・・うん。良い感じだと思いますわよ?変な癖も無さそうな感じですし」


「まぁ形自体はオーソドックスタイプで作ってあるからね。その方が受けがいいだろうし」


 どうやら話題反らしは上手くいったようで、パメラは剣についての話に乗ってきました。・・・まぁそれ以外の皆は『こいつ・・・』みたいな目で見ていましたが!

 ともあれ、この試作品についてをパメラ達に伝えると、彼女達も私と概ね同意見だったのか頷いていました。


「という事は、もうこれで最終決定というか、完成になりますの?」


「そうね。それは一応試作で色々造りが甘かったりするから新しく打ち直すけど、製造の方法自体はそれで決定ね」


「ろっ。100回作ったら99回は同じ様に作れるろっ」


「だから明日、明後日で品評会に出せる整ったやつを一本つくるらっ」


「成程」


 完成品だという事でこのまま出すのかと思ったのですが、職人達的にはイマイチ納得がいかない作りだった様で、新しく作るという事でした。

 時間は余裕がないとはいえ後2日あり、パメラ達の製造スピードならば1本作るだけならば余裕で間に合うので一安心です。


 ・・・と、一安心してしまったせいか・・・私の中に少しだけ欲が出てきてしまいます。


「因みにだけれど・・・詳細なデザイン何かはもう決まっていたりするのかしら?」


「え?デザイン?剣にデザインも何もないんじゃない?」


「・・・やっぱり」


 実は少しだけ気になっていたことがあったのですが、この世界って基本的に実用的な剣って統一的なんですよね。一応貴族が式典等で使う儀礼剣はオリジナリティがあったりするのですが、実際にモンスター等を狩るような冒険者が使う様な実用的な剣はロングソードならこの形、ショートソードならこの形と完全に形が同じなのです。


(パメラは普通のロングソードの形で作るみたいですが・・・私としては・・・)


 だがしかしですよ?今から作るのは世界初となる『属性剣』、折角なので私としてはオリジナルデザインでカッコイイ剣を作りたいんですよね。

 なので私はパメラに、その旨を伝えてみます。


「ええっ!?いきなりそんなこと言うのっ!?」


 勿論パメラはいきなりの仕様変更に戸惑いの声を上げます。ですがパメラ?いきなりの仕様変更は職人ならあるあるでしょう?


 ・・・ということで


 ・

 ・

 ・


「さぁ!急遽始まってしまいましたが、『属性剣』のデザインを考えますわよ!制限時間はそうね・・・1時間としますわ!」



 私達は時間もないというのに、急遽ロギヌス工房の応接スペースでデザイン考案を始める事となりました。



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「完成!と思いきや!?」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いです事よ?

 ☆やイイネをぽちっと押すと 私の考えた最高にカッコイイ剣が出来上がりますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【流石のロマンスも武器防具のグラフィックは使い回しだったりしますのよ!】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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