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第155話 素材調達

 さぁそれでは属性剣の素材を求めて冒険だ!・・・と言いたい所ですが、それをするにもまずは情報を聞かなければなりません。


「で、パメラ、どのような素材を取ってこればよろしいの?」


「あ、素材については主に魔道具の素材と錬金術の素材だからグロウとグラァが話すろっ」


 パメラに尋ねたつもりでしたが、どうやら素材については双子の方で使う物が多いらしく、パメラも頷いて『その通り。だから双子に聞いてくれ』、その様な視線を送ってきたので、『それならば』と思い双子へと必要となる素材を尋ねてみます。


「ええ。では何が必要になるのかしら?」


「必要になる物は結構多いろっ!だからメモの準備をするろっ!」


「準備完了です。いつでも仰ってください」


「は・・・はやいろっ!まぁいいろっ!え~っと・・・・・・」


 出来る女であるノワールがグロウとグラァの言う素材をメモしていってくれますが、確かに言うだけはあって必要素材は結構な数が彼女達の口から出てきました。

 ですがこれは必要になる素材を片っ端から言っているらしく、全部が全部採って来る必要はないとの事。つまりついでにお使いして来てね?という事らしいです。


「以上ろっ」


「素材は切れているって事じゃなく、『これから必要となるであろう』という物らっ。だからそこまで最速で集めなくていいらっ。具体的には・・・・・」


 素材が必要という事は納期も存在するという事。彼女らは丁寧にそれらも教えてくれます。

 その結果、4つの物以外なら10日程かけてゆっくりと集めてもいいとの事でした。


「この火鼠の皮、シーホースの蹄、エレキシープの角、ウッドマンの木片の4つはお急ぎなのですか?」


「最低でもどれか一つは3日以内にほしいらっ。後は3,4日間隔で1つずつ揃えてもらえればいいらっ」


「畏まりました。お嬢様、メモになります」


「ありがとうノワール」


 話は私も横で聞いていましたが、メモを見て改めて必要なモノを確認していきます。その中で問題なのはやはり特別に指定された4つの品物でしょう。


「ふむ・・・パメラ?」


「何?」


「先程言った4つの素材、それらだけ指名依頼で冒険者ギルドに依頼を掛けてくださる?あ、お金は私の方で出しますわ」


 私はそれらの素材を指名依頼として出してもらう様、パメラにお願いをします。


「え?わ・・・解ったけど・・・なんで?」


 パメラは私のお願いに首を傾げ理由を聞いてきますが、まぁそれも当然でしょう。

 仮に『指名依頼を掛けてくださる?あ、お金は勿論そっち持ちで』と言われたら『解った。そうするよ』で済んだでしょう。

 しかしです、私が言ったのは『指名依頼の費用はこちらが出す』です。そりゃぁ困惑もするでしょう。


「理由は幾つかあるのですが・・・1に、あまりやりすぎると冒険者ギルドに目を付けられる可能性がある、ですわね」


 ヘファイナーの品評会、これの冒険者の協力は暗黙の了解だとか言っていましたが、流石にここまで無償でやるとやりすぎと判断されかねない。これが理由としての1つ目です。


「2に、これは少しイヤらしい話になりますが、私達の点数稼ぎですわね」


 理由の2つ目としては貴族としてはお下品になってしまいますが、ズバリ冒険者ギルドの点数稼ぎのためです。というのも、冒険者にはランク別にノルマが設定されており、それが達成できないとペナルティーが科されてしまうのです。


「なのでマッチポンプな依頼にはなってしまいますが、丁度いいので私達の点数になってもらおうかと」


「成程ね。他にもあるの?」


「有りますわ。これが一番重要なのですけれど・・・それは・・・」


「それは・・・?」


「ズバリ・・・納期がキツイ!ですわ!」


 一番大きい理由として3つ目、納期の問題です。

 特別に上げた4つの品ですが、流石に私達だけで集めようと思うと移動時間もあるので間に合わない可能性が高いのです。


「その為指名依頼と言いましたが、私達だけでなくレイラや他の知り合いの冒険者へと出してほしいんですの」


「成程ね。しかもマシェリー達は学生だって言うし、それなら余計によね」


「ええ、申し訳ありませんが、流石に学園をサボって素材集めという訳にもいきませんのよね・・・」


 授業の内容的には受けなくてもなんとかはなりますが、流石にそんな事をしてしまうと冒険者サークル担当兼私達の担当教員であるシフロート先生から大目玉を食らってしまいます。そうなると時間が必然的に限られてくるので、私達に集められるのは1つか2つでしょう。


「私達の出番とか大口叩いておいて申し訳ありませんわね・・・でもその4つの素材が採れる場所って、私の記憶ではかなり離れていた筈ですからちょっと・・・」


 特別に上げた4つの素材は火・水・雷・木の属性に関係しているのですが、それぞれの属性が関係する場所の近く・・・例えば火なら火山近く、水なら海近く等、採れる場所がかなり離れています。

 ついでで取れるような素材ならともかく、そうなると流石に私達だけでは取り切れないんですよね。

 それに・・・


「後はまぁ理由と言うほどではないのですけれど、レイラへは感謝の気持ちといった感じですわね」


「レイラへの感謝の気持ち?」


「ええ。彼女は専業冒険者なのにも関わらずよく顔を見せたりしてくれているでしょう?だから少しでも報いたいんですの」


 私達は学生かつ実家が貴族で裕福とお金を稼がなくても生きていけますが、レイラは冒険者一本で暮らしている方です。

 それなのに彼女はロギヌス工房へ頻繁に顔を見せてはパメラ達の世話をやいたり、他にも常連のお客さんが来た時に対応だとか、素材の買い出しなんかもしてくれているのです。


「確かにそれはそうね・・・友達だからって甘えてばかりも駄目よね・・・」


 そんなレイラの献身っぷりを思い出したのか、パメラは呟き、そして私にあるお願いをしてきたので、私はそれを良い考えだと思い、受け入れ許可をだします。因みにですがこのお願い、下手をすれば叶いませんが叶った際はかなりのリターンになります。なのでレイラには秘密にしておいて、叶った際にサプライズとする事にしましょう。

 私はそれをパメラへと言い、この場にいる者へも口止めをします。


「解りましたわね皆様?サプラーイズなのでシークレーットですわよ?」


「「「はい」」」


 皆もそれは良い考えだと思ったのか、2つ返事で了承となりレイラへのサプライズ企画がただ今ここに開催されました。


「じゃあサプライズ企画の話を・・・と言いたい所ですけれど、未だ話は終わっていないので続きをしなくてはなりませんわね」


 ついつい楽しい事へと逃げそうになってしまいましたが私は本題を思い出し、パメラへと話の続きをしようと言います。

 するとパメラも先程までの話を思い出し、私へと話を振ってきました。


「そうね。それで指名依頼をしてほしいって事だったけれど、振り分けはどうするの?」


「そうですわね・・・ん~・・・」


 パメラに言われた事について私は考えます。

 4つの素材が採れるモンスターの生息する場所。そこに至るまでの必要日数。そして生息地に辿り着いてどれほどの期間で素材をゲットできるか。色々な事を加味して・・・


「ならそうね・・・」


「ちょい待ちお姉様」


『私達にこれとこれを振って~・・・』と続けようとした時、サマンサからストップが入りました。

 何かあったのでしょうか?そう思っていると彼女は『成程!確かに!』と言いたくなるような事を言いました。


「その前にや、先ずはそれらが手に入るかどうか調べてからでもええんとちゃう?正直買えるもんやったら買ったらええし、その4つ以外にも採りに行かないかんもんもあるやろしな」


「・・・!」


 盲点でした。『品薄になって足りなくなる素材がある』→『採りに行かなくては』→『この4つは明確に納期がある』となった事で『さぁ!採りに行くぞ!』となっていましたが、確かにその4つが手に入らない品薄素材だとも言っていませんし、他の素材が全部買えるとも言っていませんでした。

 私は言われてから初めて気づいたので、ついつい大口を開けて『あぁ~・・・』なんて言ってしまっていました。

 しかし直ぐに自分の間抜け面に気が付いたので顔を引き締め、気づかせてくれたサマンサへと礼をいいます。


「ありがとうサマンサ。全く気付いていませんでしたわ」


「冒険者的思考が強かったらそうなるやろし、しゃぁないと思いますわ。その点ウチは商人的思考が強いから、物があるなら買えばええになるんですわ」


「いえいえ、それでもありがとうと言わせてくださいまし」


「ええねんええねん。ウチはお姉様の役に立てたらそれで・・・」


「サマンサ・・・」


「お姉様・・・」


 ついつい感動的なシーン?になってしまったので私達は熱い抱擁を交わします。ですがいつまでもしている訳にもいかないので直ぐに解き、サマンサを市場へと送り出します。


「じゃ行ってきますわ。マルシア、一応付いて来てや」


「解りました」


「ほな、行ってきますわ」


「行ってきます」


 サマンサは助手としてマルシアを伴って市場へと向かいました。私達はそれを見送ると、恐らく品薄になっていそうな素材をパメラ達協力の元ピックアップし、それらの入手先を手持ちの地図へとかき込んで置き、サマンサ達が仕入れから帰って来た後迅速に行動出来る様に準備をしておきます。


 ・

 ・

 ・


「戻ったで~」


「ただいま戻りました」


 そうしてサマンサ達は暫くした後、戻ってきました。2人共手ぶらではありますが、恐らく大量に品物を買ったので配達を頼んだのでしょう。


「ほな早速やけど、結果を言いますわ。えっとやな・・・足らんだ物は・・・」



 そして早速と言ってサマンサが報告してくれた買い物結果は・・・



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「調達調達ぅ~」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。

 ☆やイイネをぽちっと押すと マシェリーイーツがスペシャルサンクスをお届けいたしますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【属性素材は関連した場所の近くと言いましたが、雷は山や磁気の狂った場所の近くだったりしますわ。木?木はまんま森ですわね。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新はお疲れ様です! 中々一筋縄には行かない武器製作ですね。
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