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第152話 開発始動

『今日はこれから魔道具師さんと錬金術師さんとの3人で軽い話し合いをするからあなた達は帰りなさい』と言われ返された翌日、この日も学園は休みだったので、私達は朝の10時頃にロギヌス工房へと向かいました。


「おはようパメラ~。ってあら、もうグロウとグラァも居ますのね」


 ロギヌス工房の入口を開けると応接スペースでパメラとグロウ、グラァが話をしていました。


「・・・お姉様、あれは『もう居る』やなくて『まだ居る』みたいやで?」


「・・・え?」


『朝も早くからやる気が溢れていますわね~』なんて呑気に思っていると、彼女らの様子に気付いたサマンサがそんな風に言ってきたのでよくよく見てみると・・・確かに彼女らはかなり疲れた様子で喋っており、心なしか目の下にクマも出来ている様な気もしました。

 私達が慌てて3人へと喋りかけると案の上、『え?もう朝?』ととぼけた答えを返され、昨日私達が帰ってからずっと喋っていた事が解りました。


「熱中するのは解りますけれどやり過ぎは禁物ですわよ?なんせ未だ私達の挑戦は始まったばかりなのですから」


 私は3人にそう言った後、念の為にと買って来ていた軽食やらお菓子やらをノワールに出させ3人に食べさせました。彼女達は一度食べだしたら空腹を思い出したのかガツガツと食べ始め、割とあった食べ物があっという間になくなってしまいました。


「ふぅ・・・ありがとね皆。ついつい話し始めたら止まらなくてね」


「頭にも栄養が行き渡った感じがするろっ」


「これでまたお話再開できるらっ!」


 彼女達は私達に礼を言ったかと思うと再び話を再開させてしまいました。『やり過ぎ禁物と言った傍から・・・』とは思いましたが、自分も職人だからか気持ちが解るシーラにやらせてあげてくださいと言われてしまい、仕方がないのでそのまま見守る事にしました。


「作る際に鉄製品だから高温に・・・・・」


「魔道具はそこまで高温にすると・・・・・」


「あの処理をすれば・・・・・・」


 彼女達の話は専門的な事が殆どでイマイチ解らなかったのですが、何となく難航している事は解りました。

 ですがそれは仕方ないのかもしれません。なんせ未だやろうと決めてから1日ですし、作ろうと思っているのがかつてから『実用レベルの製作は無理』と言われていた物なのですから。


「お、やってるね」


 そんな時、ロギヌス工房にレイラが顔を見せたので、彼女にもパメラ達は昨日からずっとこの調子らしいと教えると、笑い出してしまいました。


「小っちゃい双子ちゃんは知らないけど、パメラは前からこんな調子さ。やると決めたり興味があると寝食を忘れてのめり込むのさ。ま、職人あるあるなんじゃないかね」


「ふふ・・・そうですそうです・・・職人あるあるです・・・」


「おや、あんたもそうなのかい?」


「はい・・・私は調薬なんかしてます・・・」


 どうやらパメラ達の状態は職人あるあるらしく、何故かその話題でレイラとシーラが盛り上がってしまいました。


「ウチのシーラは凄いんですのよ~?この前なんか・・・・・・」


 そして正直やる事も無いので、私もその話へと混ざる事にします。


 その日はそんな風に職人会議の横で雑談を繰り広げ一日を過ごしました。


 ・

 ・

 ・


 そして翌日、この日は学園で普通に授業があったので放課後になってから再びロギヌス工房へと訪れます。


「ごきげんようパメラ~。調子はどうですの・・・って・・・し・・・死んでますわ!?」


 ロギヌス工房入口のドアを開け中へと入ると、パメラと双子が応接スペースにて・・・


「いや、寝とるだけやろ」


「解ってますわ。冗談にきまっているじゃありませんの」


 死んではおらず、『グーグー』とイビキをかいて寝ていました。どうも先日も私達が帰った後延々と話し合いを続けていたみたいです。


「パメラ、グロウ、グラァ、そんなところで寝ていると風邪をひいたり体を痛めますわよ」


 私が声を掛けると彼女達はモソモソと起きだし、『あれ?』といった表情をしていました。寝ぼけているみたいです。

 なので彼女達に顔を・・・いえ、少し濃厚なスメルが漂ってきていたので体を洗わせ、その間にグロウとグラァの服も魔道具を使い綺麗にしておきます。


「・・・さっぱりしたわ」


「さっぱりしたらお腹もさっぱりしたろっ」


「綺麗さっぱりお腹の中が空っぽらっ!」


「はいはい、ノワール」


 彼女達がお風呂から上がるとお腹がさっぱり(多分お腹が空っぽ。お腹が空いたという意味でしょう)したというので、ノワールへと言って食事の準備をさせると、昨日のリプレイの様に3人は用意した食事をペロリと平らげました。

 そしてその後もまたリプレイの様に話を始めてしまい、私達は散らかった応接スペースの片付けくらいしかする事が無くなってしまいました。


「これでええんお姉様?」


「まぁ・・・私達には手が出ない領域の話ですし、このまま寝食のサポートを続けましょうか」


 私も『記憶君』を作ったといえど、ほぼほぼ雇った魔道具師に丸投げ状態だったのでこれに関してはさっぱりです。


 なので出来る事をやろうとメンバーと話し合い、取りあえず食料でも買い込んでこようと私達は外へと出かけました。



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「職人あるある!」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。

 ☆やイイネをぽちっと押すと 濃厚なスメルをお届けいたしますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【他にも職人あるあるとして、『寝食を忘れ過ぎてハイになった結果、とんでもない駄作が出来上がる』なんてものもあるらしいですわ。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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