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第149話 結果は・・・

「そうね、結果から言うと・・・全部没かな」


「「「えぇぇぇえ!?」」」


 パメラが言った結果に、私達は口をそろえて叫んでしまいました。


「いや、アイディアとしてはどれも面白いし、一応保留予定もあるよ?けどね・・・」


 パメラはそんな私達を見てそう言った理由を説明し始めたのですが、それによると・・・



 ○シーラの案『お薬充填剣』→悪くないけど、暗殺者の武器みたいで受けが悪そう。


 ○サマンサの案『のこぎり剣』→案の中では一番いい。一応保留。


 ○マルシアの案『異なる鉱物を使った七色鎧』→基本的に自分は武器メインでやっているので難しい。それに異なる鉱物をうまく融合させたりなんかは自分では難しい。


 ○マシェリーの案『銃』→指摘した通り受けが悪そうな上、多分開発期間が間に合わない。


 ○マシェリーの案その2『ガンブレード』→保留予定にしたかったが、開発期間の関係で没。


 ○マシェリーの案その3『魔法剣』→完成したら貴族に殺されるので没。しかもだ、そもそもそんな物が作れるのならば世の体制が変わっていそう。


 ○マシェリーの案その4『属性剣』→アイディア的には最高だろうけど、こんなもの作れるのって伝説の鍛冶屋では?



 との事。


「折角考えて来てくれたのに悪いわね。一応来週一杯知り合いの冒険者に案を募って、良いのが無かったらサマンサが言った『鋸剣』?を試作してみるわ。それでいいかもって思えたらそれで進めるけど、イマイチって感じたら普通の剣・・・つまり持てる技術を使っての真っ向勝負で攻めてみるわ」


 パメラはそれぞれのアイディアを評価してからそんな風に言い、『真っ向勝負用に最高の素材を採取して来てもらうかもしれない』と付け加えて言いました。

 私は自分の考えた『さいきょうのぶき』が選ばれなかったことに落胆しましたが、評価を聞いて納得もしてしまったので気持ちを切り替える事にしました。


「解りましたわ。そして素材採取の件も了承いたしました。その時になれば私達が力を尽くして最高の素材をゲットいたしますわ!」


「ありがとう。その時は頼りにするわね」


「ええ、ドラゴンの爪とか言ってきても実家の力を駆使してゲットして差し上げますわ!」


「い・・・いや、そこまでは・・・。っていうか実家の力って、やっぱりマシェリーってば良い所のお嬢さん?」


 私の宣言にパメラは少し引き気味になっていますが、私の宣言に2言はありません。もし言ってきたならば叶えて差し上げましょうとも!


「っと・・・そういえば」


 アイディアについての話も終わったところで、私はふと気になった事があったので聞いてみる事にしました。


「パメラ、品評会に向けての装備作りに取り掛かるのはまだ先ってことですわよね?」


「ん?あ、ああ、そうなるわね」


「お仕事ってどれくらいしているのかしら?毎日剣を打っていたりするんですの?」


 いきなり何でこんな事をと思うかもしれませんが、これは重要な事です。何故なら冒険者サークルの活動が装備についての考察云々となっているので、パメラの都合次第ではロギヌス工房以外の所をフラフラとしなければならないからです。

 なのでこういった質問をしたのですが、パメラ曰く『ヘファイナーの品評会がある時は大体何処も仕事量を控えるから余裕があり、新しい剣を打ったりなんかはしない。常連の修理依頼を引き受けるくらいだ』との事でした。


「そうですのね。なら私達が工房を見学させてもらったり、武器防具について色々質問させてもらったりという時間はありますのね?」


「そうね。何だったら軽い鍛冶仕事の体験でもやってみる?」


「いいんですの?」


「いいわよ。後で素材採取なんかを受けてもらう訳だし、サービスの一環として思ってもらって構わないわ。それに、良いおもてなしだったらこれから常連になってもらえるかもしれないしね」


「あら、商売上手ですこと」


「あはは」


 ふとした質問から鍛冶仕事の体験をさせてもらうことになったのでこの後早速・・・と思ったのですが、今日はこの後常連の修理依頼をまとめてガッツリとするとの事で『言った傍なのにごめんね』と謝られてしまいました。

 しかしそんな事ならば私達の方が悪いので逆に『ごめんね』と謝り、敵情視察という訳でもありませんが今日の所は市場でもぶらぶらしてみようという事になりました。


「また明日来ますわねパメラ」


「ええ。今日は話を聞かせてくれてありがとうね」


「あたしも暫くは頻繁に顔を出させてもらうね。と言っても、依頼もあるんでそこまではって感じだけど」


「解ったわ」


 私達はパメラへと別れを告げ、今日は暇だからと言ったレイラを連れ経ち、近くにある店から適当に覗いていく事にしました。


 ・

 ・

 ・


「ここの店は鎧が良くてね。あたしも部分鎧はここで買ってるんだよね」


 レイラは専業冒険者だけあり店には詳しく、寄った店で『ここはこれがいい』だの『この店はあまり評判が良くない』だの説明をしてくれたりしていました。

 それに対し我が軍団の仕入れや金庫番の担当であるサマンサはレイラの説明をメモし、店の人にも話なんか聞いたりして情報収集を頑張ったりなんかしていました。


「流石ですわねサマンサ」


「ま、ウチの役割やしな。またパメラんとこで話する時にも必要かも知れへんから、後で紙にでもまとめときますわ」


「勉強の時もそれほど熱心にしていればもっと上が狙えるのではないですか?」


「うっさいわマルシア。ウチはな、お金の数字は好きやけど数学の数字は嫌いやねん」


 そんな風に雑談を交えながら店を回っていると、私達は問屋らしき店へと入りました。

 ですがここは装備の類等は置いていないのでいいかなと思い直ぐに出て行こうとしたのですが、私は知り合いの姿を見かけたので声を掛けてみました。


「こんにちはグロウ、グラァ」


「ろっ?」


「らっ?あ、ましぇりーらっ。こんにちはらっ」


 見かけた知り合いとは双子の魔道具師グロウと錬金術師のグラァでした。仕事に使う材料でも買いに来たのでしょうか?

 聞いてみるとどうやらその様で、無くなって来た物の補充に来たそうです。


「全部そろいましたのお姉様方?」


「ここ以外にも回って来たから揃ったろっ!」


「一般的に流通しているものだから、そろえるのは難しくないらっ」


「そうですのね・・・あ、よろしければお茶でもご一緒にいかがかしら?」


 折角あった事だし、時間的にも休憩を入れてもいい時間だったので私は2人をお茶に誘い、皆で雑談でもしようと考えました。


「いいろっ!」


「マシェリーの誘ってくれる店は美味しい所ばっかりらっ!だからいくらっ!」


 実は偶に2人をお勧めの店に誘っている事もあり、2人はすんなりとその申し出を受けてくれました。これも日々の積み重ねですね。


「聞いていましたわね?お茶をしにいきますわよ?」


 後ろに居た皆にそう声を掛けると、皆は待ってましたとばかりに『行きましょ行きましょ』と言ってくれたので、グロウとグラァの買い物が終了するのを待ち私達は喫茶店へと足を運びました。

 喫茶店へと入るとそれぞれが注文し、始めて来たレイラ、グロウ、グラァの3人にはお勧めを教えてあげたりなんかもします。


「タルトねぇ・・・そんな洒落たもん初めて食べるよ・・・」


「グロウは食べた事あるろっ。でもいまいちだったろっ・・・」


「らっ・・・なんかパサパサしてて口の中の水分がごっそりなくなったらっ」


「ここのはそんなことありませんわよ。タルト部分はサックリ、中はとろ~り、若しくはしっとりで美味しいんですのよ?」


 暫く待って届いた商品に舌鼓をうち、3人が『タルトうまぁ~』となっているのをホクホクした顔で見たり適当に雑談なんかをしていた、本当に何でもない日常のひと時・・・


「お嬢様」


 ですがそれは、横に座っていたノワールが声を掛けてきた事で一変しました。


「なんですの?」


「グロウ様とグラァ様を見て閃いたのですが・・・」



 何故ならこの後ノワールが続けた言葉、それがこの世界の武器の歴史を変えるきっかけになりうる・・・そんなとんでもない言葉だったからです。



 マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。

 「面白い」「続きが読みたい」「お久双子!」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。

 ☆やイイネをぽちっと押すと フライパンが火を吹きますわ。


 マシェリーの一口メモ

 【関係ありませんが、この話を書いた日の作者のお昼ご飯はパンケーキでしたわ。】


 マシェリーより宣伝

【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。

最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/

よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】

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― 新着の感想 ―
[良い点] 作者さん、更新はお疲れ様です! 武器のロマンは現実に勝てないって感じw 流石は一番超有能のノワールさんですねw
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