第145話 パメラのライバル?
ロギヌス工房へと現れたイリアスやグウェル殿下他数名。
別にそれだけならば『武器を買いに来ました』でおかしくもないのですが、どうもそうではない様です。
「おーおー、やっぱ流行って無さそうだなぁ」
「そ・・・そんなこと言っちゃダメだよ?テッショウ」
というのも初めて見る2人・・・パメラと同年代位でしょうか?その内1人が明らかに喧嘩腰というか、態度がいちゃもんをつけに来たクレーマーの様だったからです。
「はぁ・・・何しに来たのよテッショウ、カリン?」
その2人はどうやらパメラの知り合いの様で、パメラは『また来たのか』みたいな苦い顔をしていました。あまり良い関係の方々ではないのでしょうか?
「えーっと・・・パメラ、そちらのお二方はお知り合いですの?」
「あー・・・この2人は・・・」
「俺か?俺はテッショウ!ボルグ工房のA級鍛冶師だ!そんでこっちはカリンってんだ!よろしくな嬢ちゃん!」
「あ・・・カリン・ボルグっていいます、よろしくおねがいします」
「・・・まぁそう言う名前の、一応は知り合いという関係の2人だね」
「・・・はあ」
テッショウと名乗る男はパメラの言葉に被せる様に自己紹介をするという中々アレな性格の持ち主の様で、パメラが苦い顔をした理由が何となく解ってしまいました。
そして取りあえず知らない2人の自己紹介が終わったところで、その2人の後ろで何やら気まずそうにしている御一行に声を掛ける事にします。
「で、イリスやグウェル殿下達は何故ここへ?テッショウ様とやらと何か関係がおありですの?」
「あー・・・えっとですね・・・」
「おうよ!イリスの嬢ちゃん達は俺達の依頼を受けてくれた冒険者さ!」
「・・・そういう関係です」
「・・・はあ」
またもやテッショウが言葉を被せてきましたが、関係性は解りました。というか、何時の間にかイリス達も冒険者として登録していたんですね・・・まぁゲームでもしていたので何時かはすると解ってはいましたが。
「で、テッショウ様にカリン様、それに依頼を受けたというイリス達は一体何の用件ですの?今私達とパメラは大事な話をしようとしていた所なので、どうでもいい用件なら・・・」
「おうおう!用件かっ!」
尽く言葉を被せて来るテッショウに少しイラッとしますが、大人な私はクールに怒りを流しテッショウの言葉を聞きます。
「いやな、パメラが冒険者を呼んで品評会の為の武器製作を手伝ってもらうつもりだって聞いてな、また無駄な事してんなーって思ってよ!」
パメラはテッショウの言葉を聞き、『また始まったよ』とぼそりと呟いた後、呆れた様な顔をしながら言葉を返します。
「そんな事を言う為にわざわざ来たのあんた?っていうかさ、あんたも冒険者やとってるじゃない?」
「うっ・・・ボ・・・ボルグ工房は毎回雇ってるんだよ!だから毎回上位に入賞出来てるんだっつーの!」
テッショウはパメラに塩対応&ブーメランをされ恥ずかしかったのか、少し怒った様です。
ですがそんな事は知らないとばかりにパメラの追撃が入ります。
「はいはい、で、結局あんたは何が言いたいわけ?まさか『無駄な事してるなー』って言いに来ただけなの?暇なの?」
「違うっ!」
「じゃあなんなのよ?」
「うっ・・・あー・・・その・・・あれだ」
そこでテッショウは今までの様子から少し変わり、なにやら口をもごもごさせた後パッと表情を変え、唐突にこんな事を言いました。
「あれだ!俺と勝負しろ!」
あまりに唐突にそんな事を言われたものだからパメラはポカーンと・・・していませんでした。
「はぁ~・・・あんたはまた・・・」
言われ慣れているのでしょうか?パメラはそれほど驚いた様子もなく、唯々呆れていました。
しかしそんな態度を取られていてもめげないのか、テッショウは続けます。
「うるせぇ!いいから勝負しろ!今度こそ負かせてやるからな!」
「昔それで散々痛い目を見たのに懲りないわねアンタは・・・はぁ~・・・大人になったと思ったのに・・・」
「昔の俺とは違う!今度こそ勝って言う事聞かせてやる!」
「はいはい・・・よかったわね・・・」
私達そっちのけでギャーギャーと騒ぎ出した2人を『何をしているんだ・・・』と思いつつ見ていると、急にこちらへと矛先が向けられてしまいます。
「大体こんな嬢ちゃん達に手伝ってもらった所で何も変わんねぇだろ!見て見ろよ!あんなチンチクリンで武器のぶの字も知らない様なお子様だぞ!」
「・・・黙りな。私のお客さんを侮辱するのは許さないよ・・・」
「はんっ!どうせ何のアイディアも出てこねぇよ!出て来ても精々『凄い材料を使ったら凄い武器が出来ます!』くらいだろうが!金持ちのボンボン共の言う事はそれくらいだっつーの!」
流石に矛先を向けられたので、『確かにそうですけど、貴方の雇っている方々も同じようなものでしょう』といった感じの事を私はマイルド、かつ冷静に返す事にします。
「パメラ、その勝負とやらを受けてさしあげて?それで凄い材料を使って凄い武器を作ってその方の鼻っ柱をメッタメタにして差し上げましょう?大丈夫ですわ。正直イリスやグウェル殿下がお手伝いする程度でしたら、半分寝ていても勝てるくらいですから」
嘘です。イライラッと来たのでパメラを全力支援して勝負とやらに勝たせる事にしました。・・・あ、後半部分は余計な言葉だったかも。
「カッチーン。殿下、あんなこと言われてますよ?」
「ああ、誠に持って遺憾だな」
やはり完全に余計な台詞だった様で、イリスがプリプリと怒ってしまいました。・・・グウェル殿下の方は・・・政治家みたいな発言ですが怒った振りですかね?
しかし私の方はイライラッとしているのでそれに反応してしまい、ついつい燃料を追加して怒りに火を注いでしまいます。
「本当の事じゃありませんの。サークル活動でも私達の方が圧倒的に良い活動を報告できているでしょう?折角私達のチームからイリアスをそちらへと渡したというのに・・・はぁ~・・・こんな事ならイリアスを返してほしいですわ~?」
「プッチーン。ほんと嫌味ですねぇ?ちょ~っとましになったと思ったらまたこれですよ」
「っふん。貴女に評価されたところでうれしくもありませんわ」
「はぁ~ん?」
「ほぉ~ん?」
「2人共、落ち着・・・「「ん?何か?」」いや、何でもない」
こうしてロギヌス工房の中ではあっちでバチバチ、こっちでバチバチと火花が飛び散ってしまい・・・
「解った。勝負を受けようじゃないか」
「っはん!それでいいんだよ!それで!」
「オーッホッホッホ!負けたらいう事を聞いてもらいますわよ~?」
「アハハ、それはこっちの台詞ですけどー?」
ヘファイナーの品評会で勝負する事になってしまいました。
マシェリーより:お読みいただきありがたく存じますわ。
「面白い」「続きが読みたい」「カッチーン」等思ったら、☆で評価やブックマーク、イイネを押して応援してくだされば幸いですの。
☆やイイネをぽちっと押すと ハッピーィになりますわ。
マシェリーの一口メモ
【今回は特にありませんわ。】
マシェリーより宣伝
【他に作者が連載している作品ですわ。こちら緩く読めるファンタジー作品となっておりますの。
最弱から最強を目指して~駆け上がるワンチャン物語~ https://ncode.syosetu.com/n9498hh/
よろしかったら読んでくれると嬉しいですわ。】